ユニオンとリーグ
2005年3月27日
JSPORTSのスーパー12担当ディレクターのオリティは、こんな感じで、放送ブースの僕らに指示したりしてます。
土曜日の夜は、スーパー12の収録があった。オーストラリアの放送局から送られてきた映像に日本のスタジオでコメントをつけるのだが、最初に送られてきた映像がなんかおかしい。実況の矢野さんと、「あれ、これ前座ですかねえ」って、よ~く見たら、ラグビーリーグ(13人制ラグビー)の試合だった。オーストラリアのプロ・リーグNRLである。現地の放送局の手違いだった。大雑把に説明すると、ラグビーには2種類ある。日本で僕らが親しんでいるのが「ユニオン」。もう一つは、100年以上前にユニオンと枝分かれして独自の発展を遂げた13人制の「リーグ」だ。リーグは、ユニフォームなんかの見た目はユニオンとあんまり変わらないけど、プロの歴史が長いので観客が見やすいように、ごちゃごちゃしたモール・ラックを省き、タックルが成立したらストップして、リスタートを繰り返し、6回のタックルで攻守を交代するようになっている。
イングランド代表のFBジェイソン・ロビンソンは、元リーグの全英代表だし、オーストラリア代表のFBマット・ロジャースはリーグの元オーストラリア代表でもあった。選手としての適性や報酬の問題などで、リーグからユニオン、ユニオンからリーグへと転向する選手は多い。
どちらが好きかは、ラグビーの要素の何が好きかだ。ランニングプレーをたくさん見たい人はリーグ向き、ボールの争奪戦などFW戦が好きな人はユニオン向きである。
手違いで送られてきたリーグの映像を見ながら、僕はつくづくユニオン好きだと思った。モール・ラックがないと物足りないのだ。あの密集戦でボールがどっちに出るかが、見ていて興奮するところなんだよね。そこに職人の技もあるわけだから。もちろん、リーグも立派にプロの興行が成り立っているわけで、ファンは多いわけだが。
ほどなく、手違いの映像はユニオンに切り替わって収録に支障はなかった。現地の放送局の方々、日記のネタくれて、ありがとね。
さあ、日曜日の夜は、ラグビープラネット・アカデミーの表彰式が放送になる。各賞の受賞者は誰か。こんな感じで僕がプレゼンターを務めております。さて、モザイクの選手は誰だろう。視聴可能の人はぜひ見てください。
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コメント
村上さん、毎日このBlogを楽しみにして読んでいます。
リーグの試合ですが、J-Sportの前身のJ-SkySportsのスタート当初は数試合を放送していて、そこで初めて見ました。先日、ラグビー(ユニオン)観戦歴3年の妻に見せたところ、「試合がスピーディで、○○○○(←トップリーグの某チーム)のモールごりごりラグビーより、全然面白い。」とコメントしました。
確かに、ラック/モール、ラインアウトもなく、スクラムもノンコンテスト状態ですから、それに関わる反則もなく、ラグビー初心者にとってはわかりやすく、楽しめると思います。
しかし、ノックオンやタッチに出てしまう(→相手ボール)リスクを犯すより、タックルされても6回の攻撃権を生かそうとするあまり、タッチ際を走ったり絶妙なパスをすることなく、そのまま相手ディフェンスにぶつかっていくケースが多く、そのあたりが単調という感想を持っています。
私はもちろんユニオン派。ラック/モールの攻防も面白いですが、前に進んでできたラックから、ここぞというタイミングでボールが出て展開されるときの興奮といったら、本当にたまりません! 特にそれがWallabiesやBrumbiesの試合で、スクラムハーフがG.グレーガンだったら最高です!!
村上さん、毎日ワタルってて、ありがとうございます。でも、たまには休んだっていいと思うし、少しずつの文章でもよいと思いますので、末永くこのBlogが続くことを期待しております。
投稿: 観戦歴15年 | 2005年3月27日 21:14
名探偵瑞穂より
モザイクの掛かっている選手は今シーズンのMVP。
今シーズンのMVPはヤコ選手で決まりと思うが、身長から考えてトヨタの広瀬選手
あとリーグは見たことないですが、ウェールズ対アイルランドのような試合を見れば、
ユニオンでもスピード感があるいい試合が期待できるのではないでしょうか?
投稿: 瑞穂のタックラー | 2005年3月27日 17:34
リーグ(も)面白いですよね。
熱く速い攻防の中で各自どうやって「6回目」を
意識してるのかな?って思います。アメリカン
フットボールみたいにぶつ切りじゃないですから
ね。
それとモールラックが無い分オンサイドの位置に戻る為の時間も確保されていないので都度下がるのも大変だと思います。
投稿: キース | 2005年3月27日 16:02
リーグかユニオンか。ランニングプレーと密集戦。そのバランスは難しいですね。
そこで、こんなことを考えてみました。
あるテストマッチの統計で、ラーカムのプレー選択は、キック.パス.ランニングがきれいに三等分されていた。
敵にしては非常に守りにくいし、観客も試合内容に満足。
かつてのマイケル ライナーは、手堅い勝利とエンターテイメントを両立させることが出来たフライハーフであったと。
(なんでここで蹴っちゃうんだよー..ということが全くない)
2人のW杯優勝.ワラビーズ司令塔のことを考えると、判断力に優れたHB団が、ユニオンの隆盛に不可欠なのかとも思います。
それと、熱いハートが欠かせないのは当然のことですが...
投稿: フィジアンマジック | 2005年3月27日 10:56
リーグファンさん、コメントありがとうございます。僕も、リーグ嫌いではないですよ(笑)。オーストラリアやNZに取材に行った時は、テレビでけっこう見てます。誤解があるといけないので、ひとつだけ。リーグが放送されないのは、協会とは関係ありませんよ。放映権の問題と、視聴者がどれだけいるかって感じでしょうか。時々、放映できればいいんですけどね。なかなか難しいかも。好き勝手に書いてますが、今後も、読んでくさいね。
投稿: 村上晃一 | 2005年3月27日 10:43
いつも、楽しみに読ませていただいています。10年前にNZに旅行に行った際にテレビでラグビーリーグを初めて見ました。その日の試合にアメリカのNFLの選手が試合観戦に来ていて「防具もつけずに、あんなにハードプレーをして・・・彼らはクレイジーだ!」とコメントしていたのを思い出しました。日本に帰国後もリーグ愛は変わらず、J-SKYでの放送を希望しています。ラグビー協会との事もあるのでしょうが何とか放送することはできないのでしょうか?
投稿: リーグファン | 2005年3月27日 09:33