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気持ちは伝わった

0427-1

NZUは別名「スカーフィーズ」とも言われるらしく、選手それぞれのスカーフ(マフラー)を結んでチームの結束を強める伝統がある。

0427-2

試合前には兵庫県尼崎市の列車事故による犠牲者の方々への黙祷が捧げられた。そして、恒例のハカ(ウォークライ)が始まった瞬間、日本Bの冨岡キャプテンが先頭を切って前進し、続いて日本Bの全選手が肩を組んでNZUの鼻先まで歩を進めた。NZUのゲームキャプテン、NO8アロファも「あれで気持ちが高まった」と両チームの気迫が火花を散らした。平日の昼間とあって観客は、1,495人と少なかったが、好試合への期待が高まるパフォーマンスだった。

日本Bは、WTB金澤のPGで先制すると、SO大田尾、FB廣瀬らのキックで地域を進め、CTBニールソンらが思い切ってドロップゴールを狙うなど、地域的に優位に試合を進めた。しかし、なかなかトライに至らず、逆にNZUの連続攻撃でトライを奪われる。第1戦ではSOを務めたCTBサポルの、スペースをよく見たパス、ランニングに防御を翻弄されているように見えた。前半は17-3のNZUリード。

後半に入ると、NZUは温存していたエースランナーのヘレウァを投入。さらに波状攻撃を仕掛けて、後半11分のFLローのトライ時点で31-6までリードを広げた。しかし、日本Bはあきらめず、30分、相手ゴール前15mで得たスクラムから、サインプレー。右へNO8山本英児が持ち出し、すぐに左方向へサイドチェンジ。CTB冨岡がタックルを受けながらも左中間に手を伸ばした。キャプテンのトライで勢いづいた日本Bは、32分に投入されたWTB鈴木貴士が快足を披露。この日大活躍のFL佐藤幹夫が左タッチライン際を快走し、捕まってできたポイントから、大きく右オープン展開。最後は冨岡がラインブレイクして、絶妙のロングパス。これをキャッチした鈴木が右タッチライン際を駆け抜けた。気持ちのスカッとする攻撃だった。日本Bは終了間際にもWTB藤原がトライを返したが、最終的には23-38で敗れた。

「FWがまとまって前進もできたし、FW・BK一体となったトライもできた。きょうの出来には満足しています」。NZUベバン監督の言葉通り、メンバーこそ第1戦より落としていたが、ボールのつなぎはむしろ精度が高まっていた。

日本Bは前半はタイトに敵陣で戦い、後半ワイドに展開するというプランだったが、前半の失点が響いた。冨岡キャプテンによれば「ゲームフィットネス不足」。もともとフィジカルに差があるのだから、運動量で勝らなければならないのに、シーズン終了後、試合から遠ざかっている選手もいるため、激しいコンタクトが続くとどうしても足が動かなくなった。必然的に相手の波状攻撃を止め続けるタックルが一歩ずつ遅れて穴を作るシーンが多かったのである。

ただし、条件を考えれば最後までよく戦ったのではないか。日本Bというチームは、セレクション合宿で日本Aになれなかった選手たちであり、モチベーションには最初から問題があった。FWもすべて日本人でパワー不足は否めない。それを永田監督、小村コーチらが詳細なゲームプランを与え、冨岡キャプテンが「ポテンシャルの高い選手が多いんだから、胸を張って行こう」と盛り上げ、練習時間たった2日の中で、チームをまとめた。第1戦でも感じたことだが、NZUは日本のトップリーグの上位チームなら十分勝てるレベルである。日本Bでも数試合準備をしてからなら勝てただろう。最後の学生日本代表に向けては、NZUもベストメンバーを組んでくるが、いくつかの得点パターンを作り、若さで振り回せれば、勝利の可能性はある。

最後にオープンサイドFL佐藤幹夫の活躍をもう一度書いておきたい。法政大学時代から「タケオミ2世」と呼ばれた柔らかい突進は磨きがかかっているし、攻守の切り替えにもっとも素早く反応していたのも佐藤だった。ジャパンへ猛アピールとなったはずだ。ほんと、良かったよ。

5月8日の日本代表対香港代表戦からのテストマッチシリーズに向けて、南米遠征の日本代表27名に、NZUシリーズで活躍した選手が数名加えられる可能性は高い。学生日本代表の試合もじっくり見ておきたい。

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    コメント

    はじめまして。

    今回のNZU来日シリーズはツアー・プログラムも作成していないようです。
    ホストとしての日本協会の姿勢に「?」です。ラグビー文化に対する尊敬の念も、2011年招致には重要ではないのか、と考えさせられる1日でした。
    協会がマッチデー・プログラムを作らなくなって久しいですが、ツアー・プログラムの作成すら放棄してしまうとは。
    2003年のオースラリアでのRWCのプログラムはたいそう立派だったです。

    投稿: fumidaikk | 2005年4月29日 07:33

    こんばんは。失礼します。
    昨日の試合、楽しく観戦できました。
    準備期間がないに等しい中で、結果はついてきませんでしたが・・「富岡キャプテン」はやっぱり熱かったです。観戦できた私はラッキーでした。
    私が個人的に思ったのですが、「来日シリーズ」の対戦にTLもしくは日本選手権の覇者のチームというわけにはいかないのでしょうか?
    (個人的に観てみたいと思ったので)
    「来日シリーズ」がもれなくJSPORTSでもれなく放映されることを希望します!!A・B・学生でも「日本代表」です!国際試合ですよ!?JSPORTSでの放送がないなんて・・デジの録画でダイジェスト(シリーズ3戦分まとめてのでも、、)でやってほしかった。。

    投稿: you | 2005年4月29日 00:50

    村上さん、こんにちは
    日本Bの試合は残念ながら観戦に行けませんでしたが、佐藤選手・富岡キャプテンなど個々に活躍した選手を知り嬉しいです。学生代表がどの様な試合をするか楽しみです。
    試合前に日本代表の帰国会見が行われた様ですが、村上さんは出席されたのでしょうか?後日に日本協会のHPにも掲載されると思いますが、宜しければ様子を教えて下さい。

    投稿: 軍曹 | 2005年4月28日 20:39

    嬉しい文面が・・佐藤幹夫選手の活躍とてもうれしかった! 近鉄はトップリーグ落ちの上、先日前田選手の引退と悲しんでいたところ・・・。 来シーズン近鉄はあまり観戦できそうにないけれど、それぞれ前向きに頑張ってほしいものです。
    村上さんもね!!!

    投稿: ラピス | 2005年4月28日 13:34

    そういえば 秩父宮の芝、写真で見る限り 復活してます?

    質問 多くのクラブが試合後 「スリー、チェアーズ、フォー、XXX」と やりますが、 NZのクラブもやってました。 世界のラグビー界 共通ですかね?

    投稿: さんぼ | 2005年4月28日 12:35

    「ハカ」に対抗して肩を組んで前進、は2年前の早稲田もやってて、
    会場がおおいに盛り上がったように記憶しています(私はテレビ観戦でしたが)。

    投稿: 山辺響 | 2005年4月28日 09:44

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    受信: 2005年4月28日 10:19

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    受信: 2005年4月30日 22:53

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