« フォークと堀越監督 | トップページ | トップリーグ3節プレビュー »

モールのこと

きのうの日記への質問に答えます。「悲しくてやりきれない」という歌は、もともとは、1968年、ザ・フォーク・クルセダース(端田宣彦、北山修、加藤和彦)のヒット曲です。その時は僕も小さかったから覚えていませんが、知らず知らずのうちに耳に残っていました。それが、映画パッチギ!を観たあと、その映画館でサントラ盤を買ってしまいました。なんか、懐かしくなったんですよね。

モールのルールに関しても質問があった。

「モールは前進が止まって5秒たつと相手ボールのスクラム、ということですが、横に動くのは前進と見なすのですか?」という主旨だった。質問してくれた、のびたさんは、かなり詳しい方のようですが、前提条件から簡単に書きますね。

モールというのは、ボールを持っている選手に双方のチームから一人ずつがバインドしたのが、もっとも小さな形。つまり、両チームから3人が組み合ってボールを奪い合っていればモールとみなされる。「前進」というのは、ボールが前に動いている状態だから、真横に動いているだけでは、前進とはみなされない。ただし、競技規則にはこんな書き方がある。

◎第17条6-(e)「モールの前進が止まっても、5秒以内であれば再びモールを前方に動かしても良い。モールを2回目に押しなおして再びモールの前進が止まっても、ボールが動いていることをレフリーが確認できる場合には、ボールが出るために適当な時間の余裕をレフリーは与えてもよいが、ボールが出なければスクラムが命じられる」

というわけで、モールが止まっていても、一度は押し直せるのと、二度目に止まった時も、ボールがそろそろ出るなぁって感じの時は、レフリーは少し待つ。また、スタンドからはモールが真横に動いているように見えても、レフリーが少しずつ前進していると判断すればそのまま続くわけだ。このあたりは、ラグビー特有の曖昧さがあるので、シチュエーションによってかなり違った判定に見える。大事なのは、ボールがきちんとコントロールされているかどうかということになる。

モールへ参加する選手は、モールの中の最後尾の味方の足の後ろから入ることになっているので、横や相手陣側から入るとオフサイドになる。モールで防御側がオフサイドをとられるのは、ほとんど横入りだ。モールをわざと崩したりするのも反則。正当に押し返さないといけないのだが、ボールを持っている攻撃側のほうが押す方向をコントロールしやすいので、どのチームも防御には苦労している。

モールは体格だけではなく、技術と選手間のコンビネーションが大切で、全盛期の神戸製鋼なんかは小さくても非常に上手く前進していた。

モールといえば思い出すエピソードがある。

僕の母校である大体大は、89年度に大学選手権でベスト4になったのだが、この時は、強力なドライビング・モールを武器にしていた。白黒の太縞ジャージーでモールを組んで押していると、スタンドから「お前ら、牛かっ!」と野次が飛んだ。大体大の選手たちは、それを聞いてモールを押しながら「それ、おもろいやん」と思ったという。以降、ペナルティキックからモールを組むサインは「牛」と名付けられた。牛は準決勝で清宮キャプテン率いる早稲田を大いに苦しめた。ウシかった~。……すんません。

|

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


  • « フォークと堀越監督 | トップページ | トップリーグ3節プレビュー »

    「ルール&防御」カテゴリの記事




    コメント

     大変丁寧なお答え、ありがとうございました。
     ルールに詳しいわけではないのですが、JRFUのページのルールのところを読んで、それでもわからなかったのでおうかがいしました。
     海外のゲームでは最近あまりドライビングモールを見ない気がしたので、日本となにかルールの解釈とかに違いがあるのかと思ったのです。レフリーの判断の領域が大きいわけですね。
     モールに限らず、密集の中の駆け引きは面白そうですね。テレビでは見えないから、単に「おい、止まってんじゃねーの」とか思ってしまいます。
     (追)サインで言えば、一昨年くらいに三洋がラインナウトで「バナナ!」と何度も叫んでたのが可笑しかったです。あれもサインだったのでしょうね。

    投稿: のびた | 2005年10月 1日 00:14

    「ザ・フォーク・クルセダース」は、知りませんでした。スーパー12のクルセイダーズか?、などと思いつつモールの説明に、ふむふむ勉強になるなぁと読み進む。サインが「牛」って、こんなことで決まったりするのねと、ふふっと笑っていたら・・・油断して読んでしまいました!
    うひゃひゃひゃ~、村上さんも、とうとうやってしまいましたね。

    >ウシかった~。……すんません。

    いいえ、どういたしまして(笑)。この程度の「おやぢギャグ」は、私の上司に比べたら、カワイイものです。これでもう、おやぢギャグを書くことにも抵抗がなくなりましたね。これからも、期待しています。

    投稿: サファイヤ | 2005年9月29日 22:33

    白黒ジャージについて、牛は牛でも、ホルスタインの方です。強力モールの数年後には、試合後半になると、ばてて走れなくなり、歩き出すと。「こら、ホルスタイン、芝生を食うな!」というヤジに変わっていました。
    ちなみに、白はラグビーの母国イングランドの白。黒は、坂田監督が留学したNZの黒から来ています。

    投稿: dragon | 2005年9月29日 09:31

     ’89年の大体大のモール強かったですよね。
    白黒のジャージ、牛とは上手く言った物です。
    さてTBしましたが、WC招致まであと50日。
    協会のHPなど見ても特に盛り上げようとする
    動きなどなさそうな気がしますが、手堪えなどは
    どんな感じ何でしょうか?

    投稿: 瑞穂 | 2005年9月29日 06:19

    「お前ら、牛かっ!」

    な、懐かしい・・・

    投稿: マスターK | 2005年9月29日 01:42

    コメントを書く



    (ウェブ上には掲載しません)


    コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



    トラックバック

    この記事のトラックバックURL:
    http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/86642/6164581

    この記事へのトラックバック一覧です: モールのこと:

    » 2011年WC開催地決定まであと 50日+2節「三洋」対「サントリー」 [瑞穂のラグビー好き]
     「2011年WC開催地決定まであと 50日」{/hiyo_do/}  最近WC招致関係のニュース聞かないけど何か進展あったのかな? また、招致組合さんの方は休止状態ですね。協会さんもだけど、自分で 言い出して途中で止めるのは、少々無責任ではないですか?  さて、試合の観戦記、2回戦一番興味のあった組み合わせが、トヨタを 破ったサントリー{/v/}NECを破った三洋の試合でした。予想を違わない 良... [続きを読む]

    受信: 2005年9月29日 06:14

    « フォークと堀越監督 | トップページ | トップリーグ3節プレビュー »