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ラックについて

夜10時頃、アクセス件数をのぞいたら、「?000」というジャストの数字が。なんか縁起いいかも。

さて、ラックについてこんな主旨の質問があった。
【ラックで手を使うことは「ハンド」として反則で、ボールは足でかきださないといけないってことはわかるのですが、近頃よく言うジャッカルとかで手を使ってボールを奪ってるのは「ハンド」にはならないのですか? また、ラックから、相手ボールが出ているのか、出ていなくてオフサイドなのか素人目に見てよくわかりません。なんか選手も出てるのかよくわかんなくてボールにいけず躊躇しているような。見てわかるラックの定義というのを教えてください】

ではできるだけ簡単に書いてみます。ラックというのは、地面にあるボールを、少なくとも一人のプレーヤーが相手側のプレーヤーと身体を密着させてボールを奪い合っている状態です。つまり敵味方2人でラックはできます。でも、そんなシーンはほとんどなくて、普通は、タックルされた選手のところに防御側の選手がボールを奪いに来る。立った状態でボールを取りに来ているのを「ジャッカル」と言います。NECのマーシュ選手が得意のプレーですね。ポイントは両足でしっかり立っていることです。ジャッカルは豪州発のラグビー業界用語。日本のラグビー界では、一般的になりました。

ジャッカルに来た選手がしっかりボールを奪えば、ターンオーバー成功です。でも、まだボールをつかみ切れていないうちに攻撃側の選手もやってきて身体を密着させてしまったら? レフリーが「ラック!」と言います。その瞬間、ジャッカルしようとしている選手は手を離さないといけない。つまり、ラックになる前にボールをしっかりつかめれば、その後ラックのように見えても、そのままプレーは流れます(たださわっているだけではダメ)。ただ、ボールをつかめないうちにラックになってしまった場合、そのまま手を使っていたら「ハンド」です。ラックのボールは足でかき出すのが原則です。

ボールの奪い合いは、必ず立っていなければならず、オフサイドもダメです。ラックのオフサイドラインは、両チーム最後尾の選手の足の線です。ラックには自陣側のオフサイドラインの後ろから参加しなければならない。だから、横から入るのはオフサイドだし、横にうろうろして、そこからディフェンスに飛び出すのもオフサイドです。

では、ラックの終了は? ボールがそこから出たときです。この判断もレフリーがするので、レフリーが「プレーオン」などの声をかけると、防御側が飛び出すシーンをよく見ますよね。また声がかからなくても明らかに出た場合は選手も飛び出します。分かりにくいのは、ボールが最後尾の選手の足下にある時です。出ているのかどうか選手も半信半疑。目安としては、空からラックを見たとして、ボールがラックの外に出ていたらって感じですね。観客席からでは分かりにくいです。

ラックから両チーム意図的ではなくボールが出なかった場合は、直前に前進していたチームのボールでスクラムになり、どちらのチームも前進していなかった場合は、攻撃側ボールのスクラムで再開です。

ラックはほとんどタックル後に起こります。観戦ポイントは、タックラーが倒れた選手を抱え込んでいないか(すぐに退かずに抱え込んでいたら、ノットロールアウェイの反則)、倒された選手がすみやかにボールをパスするか、ボールを置いているか(ボールを放さなければ、ノットリリースザボールという反則)。そして、ボールを奪いに来る選手がしっかり立った状態で味方の後方から入っているか、ということになります。要するに、タックル成立後は、ボールに対してお互いがプレーできるように、倒れた選手はさっさとボールを生かしなさいってことです。ラグビーは倒れた選手はプレーできないことになっていますからね。

タックルした選手の一番いいプレーとされているのは、タックルで倒した後、瞬時に立ち上がってボールを奪うプレーです。これが出たら、大きな拍手を。

ルールを文字で説明すると、どうしても長くなりますね。これくらいの前知識を入れて試合を観戦し、理解を深めていただければと思います。ただし、ここが重要ですが、ラグビーは、レフリーがその時々の場面で臨機応変にルールを適用していきますので、くれぐれも杓子定規に考えないでくださいね。

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    コメント

    はじめまして。
     子供に影響されラグビーにはまりつつある者です。ラグビー観戦は良くするのですが、何らかの形でラグビーに
    関わっていきたいと考えています。ラグビー観戦という趣味だけでいいのではと言われるのは覚悟の上ですが、恥ずかしながら
    今後、子供も離れ、余暇が多くなっていく中で、ラグビーを通して、コーチングまたは審判等の勉強をしていきたいと真剣に考
    えている中年です。何か、妙案があれば助言ください。

    投稿: オヤジラグ | 2006年2月28日 11:02

    タックラーはタックルオフサイドの規定は受けないのですか?
    つまり、タックル成立後タックラーはすぐに立ち上がって、前方からでも後方からでも、ジャッカルすることは認められているのですか?

    投稿: コーチ | 2005年10月29日 23:21

    ラックの説明ありがとうございました。
    私も クラブでプレーしてますが、正直よく分かっておりませんでした。
    勉強になりました。

    投稿: さんぼ | 2005年10月14日 08:11

    村上さん、毎日の更新ありがとうございます。楽しく読ませていただいております。

    とてもわかりやすい説明なのですが、1点だけ気になりましたのでコメントさせていただきます。
    ラックでボールが出なかった場合のスクラムでのボール投入権の判断基準は、
    (1) プレイ停止直前にラックで押していた側
    (2) ラック成立前に前進していた側
    (3) 攻撃側
    の順で判断されますが、最後の「攻撃側」というのは、ルールブック上の「攻撃側」(ハーフウェイラインを超えて敵陣に入っている側)ですので、村上さんがこの文章で用いている意味の「攻撃側」(ボールを保持している側)ではないので注意が必要です。

    よくこういうケースで「ボールを持ち込んだ側のスクラム」という解説などを聞いたことがありますが、この場合のボール投入権はラック成立以前のボール保持とは一切関係がありません。

    ラック(またはスクラム)内のボールは手で扱っちゃダメってのも、スクラムハーフ(あるいはハーフ役のプレイヤ)が最後にボールを取り出すのだけは慣例として認められているようなので、このあたりもラグビーのルール適用のおもしろいところだと思います。

    投稿: アンテナ男 | 2005年10月13日 13:03

    クラブチームレベルですがレフリーを毎週しております。
    わかりやすい解説ですね。

    クラブレベルでも問題になるポイントはラック成立とジャッカル成功タイミングの後先ですよね。

    私が心がけているのは、ペナルティのプリベントのためラックの形成をコールすることと、ノットリリース、ピックアップならば早めに笛を吹いちゃうことです。
    そうしないと、大変もめること多いですね、トップリーグは結構紳士的でルール理解度も高いですが、クラブはチームによっては野蛮でルールの理解度も低いんですよね。

    ルールをさらに理解することで、ラグビーを見ることも、競技することもさらに楽しくなりますね。

    投稿: かずたけ | 2005年10月13日 11:12

    村上さん、ラックの説明よくわかりました。
    ラックで思い出したのですが、この前の三洋電機戦の後半のラックで脱臼して退場した、サントリーサンゴリアスの小野澤宏時選手の具合はどうなのでしょうか。
    日本代表合宿も控えていますし、いつから復帰できるのか心配です。

    投稿: やまけん | 2005年10月13日 09:28

    ラックの説明ありがとうございました。次の試合でタックル後をよく見て玄人目線で楽しんでみます。
    ラグビープラネットもいつも楽しく見てますので、できたらラックとかドライビングモール時とかの反則を試合の映像を流しながら分かりにくいラグビーの反則の説明みたいな企画を今度お願いします。プロデューサーさんにぜひお願いします。
    なんかこういったジャッカルとかの反則とのぎりぎりのプレーが分かると、ただ走って抜けたって喜ぶよりも、こういったタックルされた後にも実は好プレーが隠されてんだとなんかいつもとは違った見方ができそうです。

    投稿: わらびー | 2005年10月13日 00:52

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