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大学準決勝結果

2日の国立競技場は寒かった。第一試合の試合前は10度だったピッチ上の気温も、雨が降り始めて5度まで下がった。午前10時半、JSPORTSで試合前に流される春口監督と中尾監督のインタビューをした。同志社の中尾監督は、ブレイクダウン(ボール争奪局面)の激しさ、しつこさを関東勢と関西勢の違いと認識し、そこにこだわって強化にあたってきた。この日も「FW戦がカギ」と話していた。BKの決定力には自信がある。ボール争奪戦さえ互角に戦えればという気持ちだたろう。春口監督にキーマンは? と問いかけると、「有賀です」と言い切った。

結論から言えば、同志社はよく戦ったと思う。防御ラインと接近した位置でピンポイントのパスもつないだし、関東学院の大黒柱であるFB有賀の攻撃も大半は止めることができた。ただし、スクラム、ラインアウトのセットプレーは常に劣勢に立たされた。簡単なPGを外したのも痛かったけど、セットの不安定は最後まで同志社を苦しめていた気がする。ひたむきなFWと、才能あふれるBK、惜しいチームだ。僕は第二試合の解説だったので、記者会見に出られなかったのだが、同志社の中村キャプテンは、潔く完敗を認めていたらしい。

関東学院は、相手のミスを確実に得点に結びつけた。WTB北川、FB有賀は頼りになる。FL北川もボールによく絡んで目立っていた。これで9年連続の決勝進出である。春口監督のチームを仕上げるノウハウは揺るぎない。

◎関東学院大学○31-15●同志社大学

第二試合は、早稲田大学0Bで日本代表FWコーチの永田隆憲さんと解説だった。僕が社会人一年目、ラグマガ編集部に入った87年度に日本選手権で東芝府中を破って日本一になった早稲田のキャプテンである。僕にとっては嬉しい時間だった。試合のほうは、一方的になり、終わってみれば9トライで早稲田の大勝。法政はスピードあるBKを擁しながら力を出せず終い。セットプレーの劣勢に加え、タックルで倒れた選手へのサポート、ボールへの働きかけでも早稲田に遅れをとっていたのが最後まで改善できなかった。もっと素早くボールを動かしたかったはずだが、それをさせてくれないのが早稲田の強さということなのだろう。接点の攻防は完全に早稲田が上回った。

早稲田は前半31分、スクラムを猛然と押し込んで清宮監督が「早稲田の試合で記憶にない」というスクラムトライを奪った。僕が取材を始めてからの試合でも記憶にないから、もし、過去にあったとしても数十年前のことだろう。要するに早稲田のラグビーには、過去に「スクラムトライ」という選択肢はなかったわけだ。

清宮監督は楽しそうに振り返った。
「今季は、(スクラムが)強い強いと言われながらスクラムトライはなかった。きょうは雨という条件もあるし、ゴーサインを出しました。フロントローの選手達の表情がすべてを物語っています。トライをとって堂々と帰ってくる表情は、楽しく、ユーモラスでした」

僕が印象に残ったのは、最後の勝田選手のトライ。バウンドしたパスにうまく合わせ、瞬時の加速でタックラーを振り切った。お見事でした。

◎早稲田大学○61-5●法政大学

これで8日の大学選手権決勝は、5年連続で早稲田対関東学院ということになった。有賀キャプテンを軸に一戦一戦逞しく成長した関東学院がどんなチャレンジを見せてくれるのか。関東学院もブレイクダウンは強い。僅差勝負になる気がする。佐々木キャプテンは言った。「早稲田が目指すラグビーには、まだ8割くらいです。ディフェンスラインの裏に出られるなど甘さがある。決勝ではこれまでやってきたことを、しっかりやってきたい」

ここ4年は「清宮対春口」という監督対決が話題をさらったが、今季は「佐々木対有賀」というキャプテン対決で語りたいような気がする。好ゲームになるよ、きっと。

追記◎のぞみで京都に戻る途中に、これを書いている。両隣には、深緑郎さんと藤島さんが。明日は高校の準々決勝だ!

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    コメント

    準決勝の1試合目同志社対関東学院は、内容のある
    いい試合だったと思います。
    ただ残念だったのが、関東学院のトライ後のパフォーマンス。
    学生ラグビーにおいてあの行為には眉を顰めてします
    のですが、私の頭が古いのでしょうか?

    投稿: 瑞穂 | 2006年1月 3日 19:12

     新年から、お忙しそうですね。同志社の元監督、岡さんのことが書かれていて、懐かしく、またうれしかったです。

     大学選手権の準決勝を見ていて思いましたし、トップリーグを見ていてもそうですが、強いチームというのは、試合運びが上手ですね。自陣に攻め込まれても、慌てず騒がず、少ないチャンスをいかして、反撃してますね。弱いチームは、長い時間をかけて、攻め込むのに、目の前でチャンスを逃してしまう、そんな感じがしました。

    投稿: ルーシー | 2006年1月 3日 16:49

    あちこちで早稲田のFW重視ラグビーは世界で所詮通用しないとかかれてますね。確かに体格を考えれば、世界と戦うときには力比べではない技術が必要かもしれませんが、せめて国内で圧倒できるぐらいのフィットネスを身につけていかないと、その戦術すら取らせてもらえないと、東芝、早稲田などの指導者たちが考えているのだろうといつも思っています。NZが南アフリカあたりと戦うときと村上さんが放送でおっしゃってましたが、NZよりさらに小さいのです。
    大きい選手を見つけて、育ててくれている・・・ありがたいなぁ、すごいなぁといつも思ってみています。
    ところで早稲田が選手を集めすぎといつも批判されていますが、豊田君、五郎丸君、今村君すべての学年のときにもっと花園で騒がれていた選手たちが他大学にたくさんいますよね。

    投稿: ラグビー好き | 2006年1月 3日 10:35

    負け惜しみたっぷりに言わせてもらうならば、同志社のラグビーはカントーのそれよりも上手く、完成されていて何よりも熱かった。確かにミスにつけこむプレッシャーや有賀の個人技はすばらしく、フォワードの体力も含めた総合力でカントーが上回ったのだろうが、ただ同志社のラインアウトが下手だっただけのような気がする。ラインアウトさえ取れていればミスにつけこまれることなく、攻め続けるラグビーを最後までやり通せたと思う。それくらい今年の同志社はラックが完成されていたしパスやハンドリングのスキルはすばらしかった。特にゴール前これでもかと小さなフォワードで攻め続けディフェンスを集めておいてからオープンに回して正面のライン参加で取ったトライは本当に胸を熱くさせてくれた。ラグビーの醍醐味を見た瞬間だった。ブレイクダウンの所で同志社は決して負けていなかった。それはカントーの選手と監督が実感したはずだ。雨中のコンディションで大味になった第2試合に比べてミスも少なく闘志あふれるパフォーマンスを見せてくれた両チームに感謝したい。それにしてもラインアウトのスキルは難しい。神鋼やNZでさえ肝心なところでミスするから。でも昔からカントーはラインアウトが上手かった。早稲田もそこでやられるような気がしてきた。

    投稿: パスワード | 2006年1月 3日 09:29

    神戸製鋼ホラが事件を初詣客を殴り事件を起こして処分されましたね。
    正月早々、ラグビー界にとり悲しい話題です。
    東芝府中は、正月も練習というように厳しく、この1週間を過ごしているのに。神戸は何をしているのでしょうか?

    投稿: 見明(みあけ) | 2006年1月 3日 08:10

    今シーズン2度目の国立観戦。2日とも雨だったのは珍しかったですね。寒かった!!毎度の如くTBさせていただきました。

    投稿: SANDA | 2006年1月 3日 05:39

    小学一年の甥がラグビーを始め、試合でトライをしたらしく、嬉しそうに話をしてくれました。ラグビーの魅力にはまったようです。なんか新年早々、私も嬉しくなりました。
    法政は春の状態を考えたらベスト4まで残ったのですから、よくやったんじゃないかと思います。それに6年連続ベスト4は立派です。でも、5年連続ベスト4での敗退は物足りないですね。来年こそは決勝戦まで頑張って欲しいです。

    投稿: さちこ | 2006年1月 3日 00:34

    初めまして、Glamorgan Wanderers の佐久間隆です。私が開設したブログにちらほら、村上さんのブログで紹介されたと聞き嬉しく思ってす。花園は盛り上がってきたみたいですね。懐かしいです。ご連絡お待ちしています。ありがとうございました。

    投稿: 佐久間隆 | 2006年1月 2日 23:28

    初めまして。いつも楽しく拝読させて頂いています。明日花園にいこうかと思っているのですが今年は急行も止まるんですか?いつもは準急に乗ってたのでもし止まるのでしたら便利になりましたね。

    投稿: ミム | 2006年1月 2日 23:06

    本命と言われて決勝戦を行う早稲田と関東学院。他のチームをうんぬんよりその努力に拍手です。両チームの各選手の未来も期待ですが、まずは決勝戦で熱くなりたいものです。

    投稿: R☆C | 2006年1月 2日 21:56

    同志社のスクラムは、以前よりも強くなり関西リーグでは、他を押さえこみ勝利を不動のものにしてきたのに、関東の強豪校は、ここに来てスクラムを非常に強化しているのが印象的です。
    同志社も数年前は、スクラムを組む気があるのかというほど軟弱だったのに。また、以前の早稲田は、スクラムを押すことよりも、押される前にダイレクトフッキングをしてボールをBKに供給するということを、他校とのスクラム練習の時に平気で練習してましたからね。
    関東にしても、決勝の常連になってもスクラムは、弱かった。それを克服するノウハウがあった。
    スクラム重視という傾向は正しいと思う反面、セットピース以外の独創的な展開ラグビーの衰退には日本ラグビーとしての危機感を持っても良いのではと感じます。というのも、どうあがいても世界相手にFW戦で圧倒できませんからね。
    劣勢下での展開力こそ必要かと。紹介の三校には、その独創的な日本ラグビーの下地となるラグビーを期待しています。その能力が充分にある。

    投稿: dragon | 2006年1月 2日 21:22

     関西人として同志社には期待していたのですが残念でした。前半終わり際のほぼ正面のPGを外したのもかなり痛かったですけど、ラインアウトがあれだけ乱れては厳しいですね。第2試合も含めてスクラム・ラインアウトのセットプレーがいかに大切か改めて思い知らされました。
     なんだかんだ言ってトップリーグもそうですけどFWの強いチームが勝つんですよね。ジャパンもFWをどうやって強くするか考えないと。

    投稿: 神戸ファン | 2006年1月 2日 20:29

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