« トンガ戦のジャパン | トップページ | ジャパン完敗 »

記虎敏和さん出版記念講演会

いま、京都です。きのうは涼しかったらしいけど、今日は暑かった。さきほど、龍谷大学にて記虎敏和さん(現・龍谷大学ラグビー部監督、前・啓光学園高校ラグビー部監督)の出版記念講演会を終えたところだ。どれくらいのお客さんが来てくれるのか心配だったのだが、約100名の方が参加してくれて、当日用意された記虎さんの著書も完売した。盛況だった。参加してくださったみなさんありがとうございました。記虎さんもお疲れさまでした。

Kitora1

記虎さんが初めて著した「常勝の理由 紅蓮たれ」(ベースボール・マガジン社発行)は、啓光学園を高校大会4連覇に導いた勝利の哲学が書かれているのだが、技術論よりも教育論に重点が置かれている。花園での勝率が8割を超える名将が何にこだわり、何を許さずに常勝チームを作ったのか。ラグビーの教育的価値とは。興味深いエピソードが素直に語られている本である。ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思う。

僕はこの本を編集した関係で今回の記念講演会に出演させてもらった。午後2時からの第一部は記虎さん単独での講演。ここでは選手の個性を見極めながら、一人一人に違うアプローチで言葉がけをしていく大切さなどが語られた。僕らは記虎さんをラグビーのコーチとして見ているが、この人は教育者なんだとつくづく思う。講演には慣れているのだが、啓光学園の父兄や卒業生など知った顔が多くて、逆に緊張してしまったようだ。けっこう汗をかいていた。教室の後方で聴きながら、ラグマガの田村編集長と「第二部は先生がリラックスできるようにしよう」と小声で話した。

Kitora2

第二部では田村編集長が進行役になり、僕も参加して3人で記虎ラグビー、そして日本のラグビーについて語りあった。こちらは記虎さんも終始リラックス。啓光学園の強さの理由がかいま見えた。話の中身をすべて書くことはできなのだけど、図らずも涙が出そうになった時があった。参加者から「先生が指導者として許さないことは何ですか?」という質問があった時だ。記虎さんは「やれるのにやらないときは許さない」と言った。一度失敗したからと逃げ出す、一度叱られたからやる気をなくす。自分の弱さから逃げ出すようなことは許さない。とにかくやってみる。一歩前に出てみる。やる前から逃げ出すようなことは許さない。いま、ここでやる。いま、やることが大事なのだ。熱い語り口調に感動させられた。30年にわたって指導者として子供達に接し、時には裏切られ、それでも多くの子供達とあきらめずに接してきた人の言葉には力があった。

終了後はサイン会。啓光学園の卒業生のお母さん方がたくさん参加されていた。僕も声をかけていただいたのだが、このお母さんたちが日本ラグビーを支えているんだという気がした。感謝しなければ。そして、これだけの人を集めるのは記虎さんの人徳である。これからも、龍谷大学で学生日本一を目指し、いい選手、いい人間を育ててほしいと、心より願う。この数ヶ月、記虎さんとたくさんのラグビー談義ができて幸せだった。

さあ、明日は日本代表対トンガ代表だ。啓光学園出身の大西将太郎選手がSOである。いいゲームを。

|

  • このエントリーをはてなブックマークに追加


  • « トンガ戦のジャパン | トップページ | ジャパン完敗 »

    「日記」カテゴリの記事




    コメント

     トンガ戦真近ですが、日本には是非共、明日につながる戦いを期待したいものですが、昨今ぴりっとしない日本RUGBYについて一言・・。

    過去、対ウエールズやスコットランド戦などを見て身震いしたものですが、代表よりも学生の方が観客動員数が多い現状に強く疑問を感じます。やはり自国が出場するゲームは他スポーツでも応援したいのが常。

    この団体スポーツは何といっても個人のスキルがウェイトをしめるだけに、やはりスパースターの登場を待つしか術はないものか??かつての釜石の様なプロフェッシヨナルな選手が現代表にはおらず、そこには今のセレクシヨンや監督にも大きな問題がある筈・・。付け加えればそこには根深い協会という存在がある。時たまいい試合はするものの、その後幾度となく改革出来るチャンスがあったにも関わらず一向に変化ナシ。

    日本人特有の我慢強さ、器用さ、すばしっこい長所を生かす術はないものか?後はかつての宿沢の様なカリスマ指導者の投入。気虎、清宮しかないのでは・・。今のトップリーグを見ても所詮南半球の真似事に過ぎず、早稲田が海外と戦うスタイルが世界に通用する唯一の糸口だと感じますが・・。

    松尾雄治が言っていた企業に依存しない完全プロ化が出来るのか。
    昔、日米対抗ローラーゲーム(ふる~)というのが毎週放映されていましたが
    RUGBY版にしたらウケルのに!!

    投稿: ponta1415 | 2006年6月 4日 01:09

    村上さん、今日はお疲れ様でした!
    記虎先生のお話、一言一言にお気持ちが込められているようであっという間に時間が過ぎた気がしました。
    対談の際、名将についての話題が出ましたが僕はみなさん読書家である、というのも共通しているように思いました。記虎先生も歴史書を随分お読みになられたようですし。
    そう考えると村上さんも名将の資質アリ!だと思いますが。
    今日は記虎先生のサイン会の際並びにいったタイミングで村上さんとも少しお話が出来て(愛好日記お休みされず頑張っておられるじゃないですか?という会話をさせてもらった者です)とても充実したひと時を過ごせました。二人の息子を押し付けた妻には悪かったですが・・・。
    明日のトンガ戦のレポートも頑張って下さい。Jスポーツで声援を送りたいと思います。

    投稿: りゅう&りく | 2006年6月 3日 23:26

    村上さんこんにちは。記虎監督の公演は聞きたかったですね。書籍の方も是非読ませていただきます。さて、今日は東芝vs九電のオープン戦を観戦してきました。最後までなかなか白熱した試合でした!!最近の九電はすごいですね。おどろきです。記事には直説関係がない内容ですが、ラグビー愛好者のひとりとして御了承ください。よろしくお願いいたします

    投稿: SANDA | 2006年6月 3日 21:50

    コメントを書く



    (ウェブ上には掲載しません)


    コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



    トラックバック

    この記事のトラックバックURL:
    http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/86642/10376396

    この記事へのトラックバック一覧です: 記虎敏和さん出版記念講演会:

    » オープン戦・東芝府中 VS 九州電力 [SANDA]
    === 東芝府中 VS 九州電力 ===  早稲田・上井草の試合を観にいくか・・・  それとも好調の九電を観にいくか・・・  悩んだ挙句、東芝VS九電を観戦することとした  九電は春のオープン戦でマツダを102−0で完封  昨季の日本選手権王者NECとも24−24で引き分け  そしてリコーとは15−5で勝って好調な雰囲気。  そんな九電を観たくなってしまった小生。  それとも、東芝の相変わらずの強さに屈してしまう九電なのか・・・・    場所は東芝府中グラウンド。天気..... [続きを読む]

    受信: 2006年6月 3日 21:44

    » 坪ゥリィーを探せ! [日新高校ラグビー部奮闘記!]
    6月3日(土)に、坪内先生の指導者としての「師匠」である元啓光学園監督・現龍谷大学監督の記虎先生の出版記念講演会がありまして、奥井コーチともども出席されました。(おそらくこのことについては「坪内の考え」で熱く・詳しく語られると思います・・・と一応プレッシャーをかけておこうっと) その模様がラグビージャーナリストの村上晃一さん(坪内先生の大学の先輩)のブログ「ラグビー愛好日記」6月3日付けで紹介されていま�... [続きを読む]

    受信: 2006年6月 7日 12:56

    « トンガ戦のジャパン | トップページ | ジャパン完敗 »