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ジャパンのこと 2

週末の試合の件と、日本代表のエリサルドヘッドコーチの問題は別に書こうと思います。ここで書くのはエリサルド氏に関することです。9日の試合のことは次の日記「土曜日の京都」に書きますね。

ヨーロッパのスポーツ事情に詳しい知人から連絡をもらった。あるフランス人のラグビーコーチが憤慨しているという。「フランス人コーチというのは、こんな非常識なことをするのだと日本の人たちに思われるのは心外」という怒りだ。ナショナルチームのヘッドコーチが、クラブチームのマネージャーに就任するというのは、フランス人のコーチから見ても非常識極まりないことらしい。本人がどう申し開きしようと、「マネージャー」と肩書がつく以上、コンサルタント的なアドバイザーということはありえない。日本でいえば、GM、または監督に相当する首脳陣と考えるべきだ。

日本協会は、現在「事実関係を確認中」とのことだが、週1度くらいグラウンドに顔を出すマネージャーであれば容認するとでもいうのだろうか。これは契約書の中に兼業禁止の項目がないから仕方がないという問題ではない。1年後にW杯本大会を控え、最終予選に万全の体制で臨まなければいけないこの時期に、クラブと契約してしまう行動を許してはいけないのだ。W杯出場国にそんな代表ヘッドコーチは存在しない。これを容認すれば、日本ラグビーは世界のラグビー界から嘲笑を買うことになる。日本代表コーチは自国のクラブと兼務できるという悪しき前例を作ってしまうことにもなる。

今回の問題は、エディ・ジョーンズ氏が、オーストラリア代表監督をしながらサントリーのアドバイザーをしていたことと同列に語ることはできない。ジョーンズ氏は代表監督になる前からサントリーのスタッフに名をつらねていた。代表監督就任後もスタッフに名を残したが、1年のほとんどをオーストラリアに住んで代表強化に専念し、トライネイションズが終わった直後などに短期間来日してサントリーの指導にあたっていた。代表監督が任期中に、しかもW杯予選を目前に控えた大事な時期に、新しくクラブと契約をするのとは事情が異なる。加えて、エリサルド氏は基本的にフランスに住んでいる。トップリーグの開幕節こそ来日したが、今はフランスにいるし、現在のところ3節、4節も来日の予定はないようだ。もちろん、それを許している日本協会、そして強化担当者に最大の問題はある。多くの批判をあびてまで、ヘッドコーチを擁護する理由はないはずだ。今一度よく考えてもらいたい。

きのうの日記「ジャパンのこと」にも書いたのだが、重視すべきなのは期待感のもてる強化の過程である。ただ結果だけ出ればいいというものではない。ファンのみなさんが心からサポートし、一緒になって戦えるジャパンを形作っていかなければいけないのだ。ラグビー協会の関係者、強化に携わる人たちが、未来の日本ラグビーのことを考えて、その方向性を示さなければ。今回の問題をいい機会ととらえて、責任感をもって立ち上がってもらいたいと思う。

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    コメント

    以前から、エリサルド氏のヘッドコーチ就任に関する日本協会との契約内容には不審なものを感じています。彼のバイヨンヌ・スポーツマネージャー就任の件について、「日本協会の契約責任者」から公の場での説明を要望したいと思うのですが、同時に、エリサルド氏との契約内容こそ暴き出す必要があると思うのです。事実は何なのか?日本協会には、本件が「釈明」だけでは済まされない重大事であることを身に沁みて感じさせ、大鉈を振るわざるを得ないほど組織の病が進行していることに気付かせなければさせなければ!

    投稿: マスター | 2006年9月11日 11:49

     GMは、「バイヨンヌからオファーがあったことは聞いておりました」そうです。なぜ止められなかったのでしょうか。そんな話、聞いた時点で「絶対に受けるな」と伝えれば済む話だったのではないでしょうか。
     調査中であるところの「事実関係」がどうあれ、このことが報道された時点で、日本ラグビーの誇りと、ファンの気持ちは傷つけられたのです。(それはこちらのブログやGMのブログを見ても明らかです)
     問題は、今後起こるのではない。報道された時点で既に「不祥事」なのです。協会の問題意識は低すぎる気がします。今既に、大きく後手を踏んでいることを認識してほしい。

    投稿: のびた | 2006年9月10日 23:10

    今月末あたり、秩父宮でエリサルド解任要求集会やりませんか。協会の前でシュプレヒコールとか。メトロ外苑前駅やJR千駄ヶ谷駅までの解任要求デモとか。マスコミも取り上げてもらう、フランスのマスコミもレキップとか読んで。仏社会でもニュースが流れればエリ氏も焦るかも。

    投稿: 赤ペン先生 | 2006年9月10日 20:17

    かねがね感じていたことですが、日本人はスポーツ(特にFootball)に向いていない民族なのではないでしょうか。ラグビーしかりサッカーしかりです。昔、大西鐵之祐さんが監督をなさっていたときにかすかに世界に通用するかという時期があったような気もしますがいまは誰がやってもおそらく駄目でしょう。エルサルドのやることもひどいが、それだけ見透かされてているということ。たとえ清宮がやっても世界に通用する時代は永遠にやってこないと思いますよ、残念だけど。

    投稿: Swing | 2006年9月10日 19:13

    村上さん、僕は悲しいです。
    これから自分の将来を高校ラグビーに捧げようと思っているのに。
    悲しくて涙がでます。
    底辺でラグビーを活性化させようと頑張っている人達の心を踏みにじっています。
    ジャパンのラグビーを心底愛する人が日本のラグビーを引っ張っていってもらいたいです。
    村上さん、吠えてくれてありがとうございます。どうか頑張ってください。
    ラグビーファンとして、村上さんと心は一緒です。

    投稿: i-450 | 2006年9月10日 13:37

    村上さんに同感!

    さらに、GMブログ曰く「正式な回答を本人から直接報告を受けておりません。来週中に渡仏してエルサルド本人とバイヨンヌ関係者に直接ヒアリングし」って・・・。
    渡仏なんかしないで解任するか、エリサルドを来日させ説明させるか、どっちかでないとねぇ。

    こんなことやっているといつまでもなめられるし、刻一刻と最終予選は近づいてくるんだってわかってないのかなぁ。

    「本人は更迭希望なんでは?」って考えてあげるのが本当の【アダプタビリテ】ってやつなのかなぁ

    投稿: はやひで | 2006年9月10日 13:22

    ジャパンにはW杯2勝という目標があります。今のままでは確実に無理です。
    W杯で初勝利をあげた故宿沢氏の教え子である大田GM。故宿沢氏も天国であきれ返っていると思いますよ。
    英断を・・・強いジャパン復活を・・・

    投稿: ホルスタイン | 2006年9月10日 12:33

    ジャパンが形骸化して久しいですが、今回の件はとどめを刺すような事態です。このままでは済まないでしょうし、済ませるならば日本ラグビーは死にます。

    ジャパンは日本ラグビーの頂点にあり、それに相応しい存在でなければなりません。ジャパンを無視してトップリーグや大学・高校ラグビーなどジャパンに連なるカテゴリーが盛り上がるのでしょうか?

    「この選手はいずれジャパンに入る」「こういう試合ができればジャパンも強くなる」「いつかジャパンに入る!」というように現場・ファンはジャパンが頂点にあるという前提で熱くなれるはず。

    ジャパンがお荷物ならば、現場もファンも目先の目標を達成して満足してしまうでしょう。日本ラグビー全体のモチベーションを失わせるでしょう。「全国優勝できたからラグビーは辞める!」と言って学生ラグビーの貴重な人材がピッチから去り、社会人に進んでも『あの人は今』になる逸材も多い。ジャパンがしっかりしないと!

    投稿: サンサン | 2006年9月10日 11:02

    村上さん。よくぞ書いて下さった。私のような草の根ファンが何をわめこうと協会は「のれんに腕押し」「糠に釘」。貴殿のようにラグビーを心から愛し、協会内部の力関係、利害関係に囚われる必要がない方の力が是非とも必要です。頑張って下さい。

    投稿: にし | 2006年9月10日 10:22

    おはようございます。

    村上さんのご意見、もうその通りであります。
    エリサルド氏と日本協会の契約内容云々以前に、氏の「考え方」の問題に尽きると想います。
    もちろん、契約内容に「兼務」を許すような条項があれば、お話にはなりませんが・・・。

    日本協会の体質には、本当に呆れます。
    今回も開いた口がふさがらないですが。
    「ここまで鈍いのか」と。
    ただ、協会側も、まさかエリサルド氏がこんな大事な時期に、こんな事するとは予想していなかったのではないでしょうか。
    太田GMも「オファーの話は聞いていた」とのことですが、まさか本当に契約するとは思ってなかったのかもしれません(性善説的見地からいくと)。

    村上さんもお書きのように、フランス人のコーチですら、今回の件には憤慨しているとの事。
    とどのつまり、エリサルド氏の「見識」が、一般常識とはかけ離れてすぎていると言う事でしょう。

    村上さんの「怒りをこらえながら」の冷静なご高見と、ここに書かれた皆様の本当に熱い想い。
    私は読みながら、涙しました。
    小林深緑郎さんや藤島大さんも、怒りに震えているに違いありません。

    しかし、エリサルド氏、いずれにしてもいずれ来日するのでしょうけれど、
    一体どういう心境で来日するのでしょうか・・・。

    投稿: ユニオンジャック | 2006年9月10日 09:28

    全く同感です。
    どういう形にせよ協会が共に戦えと謳っている以上、共に戦える組織・監督を作ってもらいたいです。正直、協会には失望しました。秩父宮の大雪を一生懸命片付けていた石塚さん、ラグビー普及に全国を回っている大八木さん、それ以外でも陰日向無く普及に務めている人達に申し訳立ちません。

    投稿: はり | 2006年9月10日 07:04

    今日のご意見にも、異論は1ミリも、ございません。

    ネ申 。あなたはネ申。

    的確で、鋭く、燃えるようにラグビー日本代表を愛している人ならではの意見だと痛感しました。

    この問題、決着がつくまで、大所高所から、ご発言を続けて下さい。お願いします!

    投稿: ラグビー愛 | 2006年9月10日 03:45

    協会って、どうしてこんなに鈍感なんでしょうね。こんなことを許したら、選手やファンがどんな反応をするかってことぐらい、想像がつかなかったのでしょうか。理解に苦しみます。
    ここまで舐められた日本ラグビー。協会のマネジメント能力のお粗末さには、呆れるやら情けないやらです。

    投稿: サファイヤ | 2006年9月10日 01:51

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