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壮行試合結果

11月4日、午後1時から行われた日本代表対オーストラリア首相フィフティーンは、61-19で首相フィフティーンが勝利した。秩父宮ラグビー場の観客数は、10,711人。春のテストマッチシリーズと比較すると日本代表への関心は高まったと見ていいのかもしれない。太田・カーワン体制の初陣となったこの試合だが、ともにチームとしての練習時間が短く、組織プレーは未整備。個々の力量差がそのまま得点差になったような試合だったと思う。

日本代表も最初の20分はオーストラリアの勢いに呑み込まれたが、以降は、積極的に仕掛けてチャンスを作った。素速く仕掛け、パスでボールを動かそうという意識は貫かれており、それがいいトライも生んだ。しかし、倒れてからすぐに起きる素早さや、空いたスペースへの反応の速さは、オーストラリアの選手がかなり上だった。これが現実である。ただし、相手はワラビーズ経験者やスーパー14参加チームのエース級の選手達。これくらいの反応の速さが世界で勝つために必要だということを身をもって知った経験は貴重だ。また、個々で上回るのが難しいからこそ、日本は組織的に動かなければいけないことも再認識できたはずである。

試合後の記者会見。日本代表首脳陣の言葉は課題を認識しつつも前向きだった。
「課題のたくさん見えた試合だったが、ポジティブに考えています。一対一のタックル、ラックエリア、ラインアウト、フィットネス、来年に向けてこの4つを改善していければ」(太田GM兼HC)
「前半の入りで受けに回りました。前半なかばからは、いい形も作れたし、攻める気持ちを持ち続けられたのは良かった。ただ、その裏返しで攻めていてターンオーバーされた時にやられることが多かった。課題が見つかった、いいゲームだったと思います」(大畑キャプテン)
「ミスが多かった。ラインアウトも修正したい。一対一のタックルミスと、自らのミスをなくせば、30点は失点が減っている。タックルに関してはシステムを明確にしたい。いまはアジア予選を突破することが大切だが、通過したとして、W杯で2勝するためには、自らのミスを減らす、一対一のタックルの向上させる、ラックのテクニックを伸ばす、この3点が必要だと思います」(カーワン・アドバイザー)

現在の日本代表は、W杯を1年後に控えてヘッドコーチが急遽交代するという非常事態。本来なら、2003年W杯後から2007年に向けての強化は段階的に始められるべきところだから、強化の進み具合は大幅に遅れていると言わざるを得ない。しかし、いまはそんなことは言っていられない。1年で世界と戦えるチームを作っていかなければいけないのだ。ディフェンスラインは、もっと思い切って前に出なければいけないし、攻撃もパスのスピード、精度をもっと高いレベルで求めてほしいと思う。

試合後、記者会見に臨んだオーストラリア首相フィフティーンのドワイヤー監督、チームキャプテンのグレーガン選手、ゲーム・キャプテンのジョン・ロー選手は、日本で印象に残った選手を問われて、スクラムの強さでフロントロー、そしてNo8箕内、SH後藤、FLオライリーの名前をあげていた。後藤選手は、タックルを弾かれる場面もあったが、それだけよく危ういスペースを埋めているということでもあり、運動量は素晴らしかったと思う。FB有賀選手のディフェンダーをかわすランニングスキルも通じていた。途中出場のSO森田選手のパスワークも良かった。

11月10日は、今回のオーストラリア首相フィフティーンよりも、チームとしてはできあがっているレッズが相手である。さらに手強い相手に対し、少しずつでも進歩の見える試合をしてもらいたい。

Karwan

試合後、日本協会創立80周年の記念式典が行われ、日本ラグビーの発展に貢献した方々の表彰式と、過去の日本代表キャップ保持者などが参加しての祝宴が開催された。僕としては過去の名選手達の顔をたくさん見ることができて嬉しかったし、久しぶりに会う旧知のラグビー関係者と言葉を交わせたのも楽しかった。祝宴には、日本代表、オーストラリア首相フィフティーンの選手達も参加し、日本代表のカーワン・アドバイザーも挨拶に立った(写真)。

そういえば、祝宴に参加していた知人が「丁度、80点やったなぁ」と言った。そっか、スコアが合計で80点なんだ。もちろん、日本代表の得点が多かったほうがよかったけど、80周年の記念を兼ねた試合でスコアに細工するなんて、楕円球の神様もやるね。

◎愛好情報
シンガポールクリケットセブンズに参加している7人制日本代表は、11月4日の第一日目、COBRA(マレーシア)に29-0、SINGALIONS(シンガポール)に50-0で勝利。Dubai Harlequins(南アフリカ)には、5-36と敗れたが、カップトーナメント進出を決めた。

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    コメント

     こんにちは。
    先日、コメントしましたトラックバックが不調のためコメントで送信します。
    プログ趣旨に沿わない場合は、削除お願いします。
    いよいよ日韓戦も近づきました。韓国代表を見る事が出来る韓国ラグビー関連資料を頒布します。

    <1>韓国ラグビービデオ(VHSテープまたはDVD-R)
    *今季、韓国の最後の大会となった「第87回全国体育大会」(国体)の試合から。
    *11月アジア予選やアジア大会(7人制)出場する韓国代表メンバーが多数、出場。
    *有力チームのメンバー表付き。
    *TVプロカメラマン撮影です。
    *価格、1本2500円(各種費用、消費税、送料込み)。
    ①三星SDI VS 高麗大学(事実上の決勝戦。前後半ノーカット)
    ②浦項鋼板(ポハン) VS 檀国大学(ダンクック)(前半ノーカット。後半は短縮)
    ③韓国電力 VS 慶熙大学(キョンヒ)(前後半ノーカット)

    <2>韓国チーム名簿
    *韓国有力チーム名簿(写真、身長、体重、主な代表歴、韓国・尚武(サンム・韓国軍体育部隊)は兵役終了年などを掲載)
    *三星SDI、韓国・尚武、浦項鋼板(ポハン)に2006年韓国代表データをプラス。
    *価格2000円(各種費用、消費税、送料込み)

    <3>お申込み方法。
    *下記メールまで、ご希望の品(VHSかDVDか)、お名前、送付先ご住所、電話番号、メールなどを連絡ください。
    折り返し、送金いただく銀行口座を連絡します。ご入金を確認後、品を発送致します。
    *ビデオなどお申込み多い場合は、準備に若干、お時間をいただきます。その旨もご連絡します。
    *ビデオ、名簿などのコピーを固くお断りします。
    *連絡メール
    mimiake@yahoo.co.jp

    投稿: 見明(みあけ) | 2006年11月 6日 06:44

    昨日はお疲れ様でした。高校ラグビーの話ですが、伏見工業が敗れましたね。『全国制覇の翌シーズンは全国大会に出場できない』というジンクスがあると聞いた覚えがあります。悪いジンクスにハマりましたね。

    投稿: はり | 2006年11月 6日 00:19

    村上さん、こんにちは。
    どうしてもグレーガンと一緒に写真を撮りたくてテニスコート横に並んでいました。
    そこへスーツ姿の村上さんが・・・生村上、2日連続です。

    試合の方は点差はひらきましたが随所に良いプレーも見られましたね。
    スクラムを押す場面もありましたが、セットプレーがいつもより安定していて良かったと思います。
    問題はやはりディフェンスですね。
    個人的には来年のW杯までディフェンス重視でチームを作って欲しいと思っています。

    10日のレッズ戦ですが、ベン・チューンはどうやら休養のようですね。
    生ベン・チューンが見られると思っていたのでとても残念です。サイン欲しかったなぁ。

    昨日のワラビーズVSウェールズは同点だったようですが、もし内容がわかったらで教えて下さい。

    10日もジャパンを応援しに国立へ行きます。

    投稿: チロ | 2006年11月 5日 20:54

    前半20分までオーストラリア首ⅩⅤに圧倒されながらも、その後積極的に仕掛けるラグビーを展開できた点は、春の日本代表ではできなかったことですから、明らかに一歩前進ですね。10日のクインズランド・レッズ戦では、試合開始と同時に攻撃的なパフォーマンスが見たいもの。
    カーワン氏が語った、「試合途中からいい形が出せた、その良い面を強化したい」という方向性に賛成です。自信の持てるプレーがあることで、選手たちは試合にポジティブに臨むことができますものね。

    投稿: マスター | 2006年11月 5日 12:59

    昨日はTV観戦でした。
    PM's XV のプレーはさすがに世界のトップレベルでしたね。
    混成チームではありましたが、状況判断やタックルを受けてからのボールの置く位置など、1人1人のプレーがテキストブックだったと思います。
    試合内容以外で残念に思ったのが、ジョージグレーガンのインタビュー通訳です。彼のアクセントは聞きにくいとは思いますが、やはり正確にコメントを日本語に訳してほしかったです。

    投稿: OZ | 2006年11月 5日 10:37

    昨日の様な試合を、もっと多くの日本人が経験出来ないとなかなかレベルの向上は期待出来ないのだろうと思います
    現状において、国内リーグの外国人枠は貿易で言うところの「関税」となってしまっていますからガットに倣って、障壁を取り払う努力をし、日本人選手を黒船来襲の海に晒すべきではないでしょうかねエ
    若しくは、トップリーグに外国人チームを何チームか入れちゃうの
    ファイトマネー無しの優勝賞金のみ、なんて荒くれ者ばかりで編成されたチームが幾つか入っていれば、お上品な日本のラグビーにもスピードとパワー、そして強かさが培われるのでは
    ま、スポンサー探しが大変でしょうが.....

    そんな黒船の本丸で荒波に揉まれた コーセー ・ オノ の本国復帰を是非とも実現して欲しい
    J K ! お願いだから彼を一日も早く日本に連れ戻して!!

    投稿: ナベゾ | 2006年11月 5日 07:58

    総得点「80」って、小生も気がついてブログ「SANDA」にも記しました。村上さんの内容とダブってしまうとは・・・・うれしいやら,なんとやら・・・・多忙なラグビー週間。今日がラストです。がんばってください。ということで記事をTBさせていただきました。よろしくお願いします

    投稿: SANDA | 2006年11月 5日 06:55

    本日は試合前にちょこっとお話させていただきありがとうございました。
    いつもテレビで見てるスーパー14のヘンジャックやペレササの生のすごさにかんどー!!
    紅白のアフロに桜のジャージ着てたのに、周りが「大畑!有賀!」と叫んでるなかひそかに「ヘンジャック!」と心のなかで叫んでました^^;
    これが世界最高峰のアタッキングラグビーですね。特にペレササの抜けた後のトップスピードなのに抜群の飛ばしパスにはしびれました。
    前夜祭次からは3時間前に並びます^^;

    投稿: ターボ | 2006年11月 5日 01:13

    こんばんは。
    ラグビー週間のご多忙な中、お疲れ様です。

    今日の試合、TVで拝見しました。
    試合開始前は画面からも会場での「熱気」が伝わり、安部首相も選手と握手するなど、「格式」も感じました。
    海外のテストマッチ並みに、赤い絨毯があれば、もっと雰囲気は盛り上がったと思います。

    首相フィフティ-ン凄かったです。
    確かに組織面は未整備ですが、
    個人面が凄かった。
    開始後の圧倒的な畳み掛けに「これ80点ゲームや」と思いました(創立80周年は意識せず)。
    様々印象的ですが、個人的には後半に首相フィフティーンがターンオーバー、ペレササ選手が抜けて出た後、ウイングへの長く早いパスに特に驚きました(トライ)。
    体勢を少し崩してのトップスピードのままのあのパスは、凄かった・・・。

    しかし、ジャパンも通用するプレーは沢山ありましたし、選手もいました。
    特にオライリー選手は、勝ってた部分が沢山あったように思います。
    そして、大畑選手の戻りの素晴らしさは、相変わらずですね。

    敗戦にもかかわらず、希望が持てたのは久々です。
    霜村選手の怪我が心配ですが、レッズ戦には正面選手も見てみたいです。
    そして、できれば大阪から国立に観戦に行きたいと思います。

    投稿: ユニオンジャック | 2006年11月 5日 00:26

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