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2006年6月18日 - 2006年6月24日

ジュニア戦結果

Kiku

試合後のキャリスブルック競技場のピッチには、日本人サポーターだけでなく、現地のファンにもサインを求められる日本代表選手たちの姿があった。ジュニア・オールブラックスの選手達と並んでのファンサービスである。バックスタンドへの挨拶の時には盛大な拍手があった。スコア上は完敗であったにせよ、日本代表選手の健闘はラグビー王国の観衆にも響いたということだろう。必死でタックルする選手、チームが認められるのは万国共通である。僕も正直なところ、もっと点数は開くかもしれないと思っていたし、反応良くディフェンスに散り、アグレッシブにボールに働きかける選手達の動きは、いい意味での驚きだった。

ジュニア・オールブラックスの出来も今ひとつだったが、それでもスーパー14の主力選手達である。少しでも集中力を切らせば大敗の可能性はあった。前半にマイボールのラインアウトの獲得率が低かったことは、多くのチャンスを逃したが、狭いスペースで素速くボールを動かして防御を破るプレーも功を奏して、WTB遠藤らがよくゲインできた。サモア戦では、ディフェンスのプレッシャーの前にボールを横に動かしすぎて下がってしまっていたが、きょうはディフェンスに対してよく向かっていっていた。キャプテン大野の身体を張ったプレーや、FLオライリーのボールへの絡み、吉田、守屋の両CTBの早いプレッシャーも印象に残る。そして、課題だったスクラムは、低く構えて先に強くヒットすることもできて、ここ数試合では最高の出来だった。健闘は称えたい。でも、安堵してはいけない。最終スコアは、38-8である。トンガ戦、サモア戦に比べれば進歩なのだが、簡単にトライを獲られてしまった甘い防御や、ラインアウトの不安定、トライが獲れない攻撃面など、厳しい目で修正してもらいたい。

以下は試合後のコメントの抜粋です。

「今までの結果が悪かったので、今大会の中ではいいゲームといえるでしょう。しかし、3トライは獲られなくてもいいものだったし、日本ももう一つ獲れました。それができればいい試合でした。きょうはスクラムも改善され、ディフェンスのポジショニング、ボールと相手選手に対するアグレッシブさも良かった」(エリサルドHC)

僕的にマンオブザマッチをあげたい大野キャプテンは次のように語った。
「思ったよりやれましたが、獲られなくてもいいトライがあったのは悔やまれます。ただ、しつこいディフェンスができるようになったのは、今までやってきたことの成果です。特に、接点でのファイト、ディフェンスラインを早く整える、という点については、動き出しが上手くできました。(フィジー戦に向けては)しつこいディフェンスができたことを残して、トライを獲れるチームになっていきたいと思います」

菊谷選手のコメントはこうだ。「ここ数試合で強いコンタクトに慣れたこともあり、それほどプレッシャーを感じなかったです。サモアやトンガより、ジュニアは組織的なのでディフェンスがしやすかったかもしれません」

唯一のトライをあげた三宅選手にも、インゴールに飛び込んだときの気持ちを聞いてみた。
「逆サイドに走り込んだのは、サインプレーだったのですが、ちょっと崩れてしまって、(防御の)裏が空いていたので蹴りました。バウンドについては、戻ってこいという祈りが届いたと思います」

日本代表は明日オークランドに移動して、月曜日に日本に戻り、大阪でのフィジー戦に向けての準備に入る。さらにいい試合を見せてほしい。

キャリスブルックから帰ろうとしたら、オタゴ協会の入り口に、かっこいいポスターを発見。ハイランダーズのスケジュール入りのものだった。

Otago

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ジュニア戦前日

Rugbybus

金曜日のダニーデンは快晴である。街にはこんなバスも走っている。午前10時、ジュニア・オールブラックスは試合会場のキャリスブルックで最後の調整練習を行った。HOのコリー・フリン主将を筆頭にウォーミングアップのあと、コンビネーションの確認など軽く30分の練習だった。

Junio1

クルセーダーズのWTBカレブ・ラルフ、ブルーズのNO8ニック・ウィリアムスなどスーパー14ではおなじみの顔ばかり。練習後、フリン主将の話を聞こうとしたら、明日はリザーブのFBアネシが笑顔でやってきて、「僕がキャプテンです」と報道陣と握手をしていった。ジュニアの練習は溌剌としていて、みんな明るかった。このあたりは正代表のオールブラックスに比べると少しプレッシャーも軽いということなのかもしれない。僕が過去に見た印象では、オールブラックスのほうがもっと張りつめた雰囲気がある。さすがに、フリン主将は厳しい表情で「日本は勇気あるチーム」など、気を引き締めるコメントをしていた。

Junio2

ほぼ同時刻に日本代表は別のグラウンドで攻守の確認練習を行った。そして、試合時間に合わせた午後2時30分には、キャリスブルックにチーム全員でやってきて、グラウンドの感触を確かめていた。FBの三宅選手に聞いてみると、「グラウンドはスパイクもしっかりひっかかるし、走りやすいです」とのこと。今ツアーでは、グラウンドが滑りやすいと感じる選手が多かったようだが、キャリスブルックの状態はいいようだ。SHの池田選手は「ジュニアに対して、どこまで点が取れるか。積極的に自分たちのプレーを仕掛けていきたい」とアグレッシブな姿勢で戦うことを強調した。他の選手もそういう声が多い。なんとか、先にトライを獲ってジュニアの戦いを手堅いものにしたい。

Japan1

下は明日の試合のチラシ。こちらの協会関係者の話では、おそらく4,000人程度の観客になりそうだが、天気が良ければ、各学校の生徒達が多数詰めかけるとのことで、その場合の観客は読めないようだ。街で日本からのサポーターの方にも会った。ダニーデンには日本からの留学生も多く、この試合を心待ちにしている人もいる。クライストチャーチあたりから駆けつける人もいるようだ。そんな人たちの期待に応えるような試合を、ぜひ。また、急逝した宿沢さんへの弔意を表し、明日の試合前には両チームで黙祷が捧げられる予定。日本代表は腕に黒いテープを巻いて戦う。

Chirashi


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ダニーデンより

木曜日の早朝、クライストチャーチは雪が降っていた。ホテルの窓から薄暗い街を眺めた。市街地の中心部にある教会前の風景は幻想的だった。気温は0度。テレビのニュースでは、北島のウエリントンでも雪が降っていることを伝えている。朝8時台の便でクライストチャーチよりさらに南のダニーデンに向かった。NZは南へ行くほど寒くなっていく。悪天候が心配だったが、30分遅れただけで無事到着した。

Da

さっそく日本代表の練習場に向かった。ダニーデンの空港はNZの大都市の空港としては街から最も遠く、市の中心部までタクシーで40分ほどかかる。土曜日の試合会場であるキャリスブルック競技場至近の練習グラウンドに到着するまでは、農場が続き、たくさんの羊、牛などを見ることができた。写真、ちょっと遠すぎたかな。広大なグラウンドだったが、地面はたっぷり水分を含んで走りにくそうだ。クライストチャーチであれこれ考えていると、日本代表に対してネガティブになっていくのだが、こうして選手が一生懸命練習しているところを見ると頑張ってほしいと思うし、力を出し切れるように祈りたくなってくる。

練習後、土曜日のメンバーが発表された。
1山本、2松原、3山村、4大野、5谷口、6菊谷、7オライリー、8木曽、9池田、10大西、11オト、12吉田、13守屋、14遠藤、15三宅、16山岡、17久富、18北川、19マキリ、20伊藤、21安藤、22水野

「相手はこれまでで一番強い。いつも通り全力を尽くし、自分のパフォーマンスに集中してほしい」とエリサルドHC。HCは、ここまでの日本代表の戦いの中で、左プロップと右ロックについて満足できていないらしく、ここをじっくり見たい、とも話していた。ジュニア・オールブラックスの先発予定メンバーは、以下の通り。タアウソ、トゥイタバキなど、スピード抜群でランニングスキルの素晴らしい選手が揃っており、相手の攻撃時間が長ければ止めきるのは難しい。カウンターアタックを許すようなキックを避け、いかに日本が攻撃時間を多くできるかが大事になってくるだろう。

1シュワルガー、2フリン、3アフォア、4ボリック、5アップトンorドネリー、6バイツ、7ブラッキー、8ウィリアムズ、9ナットブラウン、10ドナルド、11ラルフ、12マッキンタイア、13タアウソ、14トゥイタバキ、15アティガ、16タウモエペアウ、17クロケット、18マクドナルド、19リオオ、20ケヴィン・シニオ、21エリソン、22アネシ

ジュニアの共同監督であるコリン・クーパーは、日本代表が1968年にオールブラックス・ジュニアに勝ったことを引き合いに出し、「これは真のインターナショナルマッチであり、それにふさわしく戦う」という主旨のコメントをしている。

Oliver

ジャパンの練習後、ホテルにチェックイン。ロビーに、病に苦しむ子供達に対する募金箱が。募金を呼びかけるのは、オタゴ・ラグビーのスーパースターであるアントン・オリバーだ。

Dun2

午後、街の中心部を散策した。「南太平洋のエジンバラ」と呼ばれているように、スコットランド文化が色濃いのだが、近代的な建物もある。オタゴ大学で多くの学生が学んでいることもあって、アカデミックな雰囲気が漂う。坂が多いのも特徴。

Dun3

Dun4

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ジェイドスタジアム

Union

まだクライストチャーチにいます。明日からダニーデン入りの予定。ダニーデンは基本的に晴れていたらしい。ジャパンは午前午後の2部練習で、激しいコンタクトプレーをともなったものだったようだ。クライストチャーチも寒いのだけど、ダニーデンの寒さはさらに厳しい。今回のクライストチャーチ滞在では、カンタベリー協会にも行ってきた。下の写真は、玄関に飾ってあった「ランファリーシールド」。伝統の盾争奪戦の勝者が保持するものだ。現在、カンタベリー州代表がこの盾を保持している。他地区はカンタベリーのホームで勝たなければこの盾を奪うことができない。あまりに無造作に置いてあったので、「これ、本物ですか?」と協会の人に聞いてしまった。

Shield

ユニオンの事務所はジェイドスタジアムに隣接している。ジェイドの中も見せてもらった。エレベーターで4階まで上がる最上階のスタンドから見たグラウンドが下の写真。現在は、ここがメインスタンドなのだが、これを残した形で、反対側の旧メインスタンドなどを2008年までに建て直すらしい。2011年W杯の準備である。現在の40,000人弱のキャパシティでは小さいということなのだ。ユニオンの事務所も場所を移すようだ。ここまで高いところにある客席でも、いたるところに車椅子の人が観戦するスペースが確保されている。日本のラグビー場も見習いたい点だと思う。

Jade1

このスタジアムは、元々ランカスターパークと呼ばれたが、現在はジェイドという会社の持ち物で、ホスピタリティールームなども会社が販売しているという。ラグビーの試合は年間15試合ほどしか行われない。よく見ると、スーパー14のクルセーダーズ戦前にピッチを回る馬の蹄の跡がいたるところに残っていた。

Robbie

メインスタンドの下の柱には、カンタベリー地区の伝説的選手の写真とプロフィールが掲げられている。これが一つ掲げられるたびにお披露目のパーティーがあるらしい。こちらは、現在クルセーダーズのヘッドコーチ、ロビー・ディーンズの現役時代の写真だ。ほとんどの柱に写真が飾られていた。NZに来るたびに代表に選ばれた選手に対する敬意を感じる。今もクルセーダーズのメンバーになれば、スタンドに家族の席が割り当てられるなど、代表選手としての特典がたくさんある。厳しい競争を勝ち抜いた選手が誇りを保てるようなシステムが出来上がっているのだ。だからこそ、子供達もカンタベリー代表、クルセーダーズ、NZ代表を夢見る。日本でも、金銭的な報酬とは別に代表選手達が誇りを持てるシステム作りを急ぎたい。どうしてもチームの強化策が先行してしまうけど、こういうことも大切にしたい。


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アンガス

アンガスこと、アンドリュー・マコーミックさんに会った。カンタベリー州代表で80試合以上出場の名CTBであり、来日してからも東芝府中のCTBとして活躍。99年W杯では日本代表のキャプテンも務めた。代表選手としてのプライドを何より大切にして熱いプレーを見せてくれた選手だ。現在は、クライストチャーチでツアー会社を経営し、仕事の合間を縫って、コーチングにもあたっている。

Angus

写真は、ご子息も通うキャセドラル・グラマースクールの8歳以下の子供達を指導する一コマ。練習場所は、学校近くの公園である。マコーミックさんの左は長男のトーマスくん。元気いっぱいに走り回っていた。クライストチャーチでは、年齢別にそれぞれのリーグ戦があり、8歳以下の中でも4つのセクションに分かれている。ラグビーの裾野の広さを感じる話だ。マコーミックさんは、スーパー14のクルセーダーズの若手を育てるアカデミーのCTB部門のコーチでもある。そういうコーチが小学校の8歳以下を当然のように指導している。「プロフェッショナルより、教えるのが難しいよ。言うこと聞かないからね」(アンガス)。いい選手、いいコーチがカンタベリー地区から次々に輩出されるわけだ。

もちろん、マコーミックさんも日本代表の試合はテレビで見ていてくれた。「ジャパンは何色? 色がないとダメだよ」と、戦い方の指針がはっきりしないチームに苦言を呈していた。当然の感想だろう。急逝した宿沢さんは「日本代表は特殊なことをしないと勝てない」と話していた。また、「W杯というのは勝敗だけでなく、その国がどんなラグビーをするのかを評価される場所だ」とも言っていた。つまり、日本代表には見るべきものがある、他の国にはないものがある、ということが大事であり、それを世界の人々は見ているということだ。日本のオリジナリティである。そして、それを作るのはコーチの仕事だということを確認して、土曜日の試合を見たい。今の日本代表の契約選手制度を推進したのも宿沢さんだった。すべては日本代表が強くなるための布石だった。3月下旬から7月初旬まで。これほど長く集まれる代表チームは世界のなかでも日本代表だけだ。日本代表は恵まれているのである。それを生かさなくてどうする。日本代表は、日本ラグビーの未来を背負っているのだから。

追記◎クライストチャーチのとある場所からの景色。雪化粧した山が壮観だった。

Yama

◎インフォメーション
愛好日記トークライブの第1回のゲストとしても登場してくれたスポーツジャーナリスト藤島大さんが、単独のトークライブと「楕円球塾」と題してスポーツライターとスポーツを語ります。以下の要項になります。ぜひご参加ください。

◆藤島大 楕円球トークライヴvol.1
【人間とコーチング】
藤島大さんが約10年の高校・大学ラグビーでのコーチ体験とスポーツ報道の現場で知った名指導者の方法をつきあわせ「人間にとってのコーチング」を考えます。指導者必見。

日時 8月5日(土) 午後5時開演(4時半開場)~7時 
場所 『文鳥舎』三鷹市下連雀3-32-3 グリーンパルコB1
Tel:0422-79-3777  Fax:0422-79-3777  
bunchou@parkcity.ne.jp         
http://www12.plala.or.jp/bunchousha/
入場料 2,500円 定員約50名
懇親会 3,000円 定員約30名(終演後、1時間半程度立食パーティー)
※ご予約は、6月28日午後3時以降、メール、FAX、電話で。HPで座席の確認ができます。

◆文鳥舎寺小屋
【藤島大の楕円球塾~スポーツライターとスポーツを語る~】 
講師:藤島大(ふじしまだい)
時間割:第1、3水曜日午後7時~8時半
(全6回 7/5、19、8/2、6、9/6、20)
受講料:18,900円
入会金:5,250円

スポーツライターがスポーツを語る機会はたくさんあります。ここではみなさんがスポーツライターと語ってください。ライター藤島大さんが毎回さまざまな話題をとりあげます。

※お申し込みは随時 来舎、電話、FAX、メールbunchou@parkcity.ne.jpで。詳しくは文鳥舎HPをどうぞ。http://www12.plala.or.jp/bunchousha/

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クライストチャーチより

Charchi

日本代表は、きょうの夕方ダニーデンに入る。僕は、いくつか取材したいことがあってクライストチャーチにいる。こちらでの天気も雨が降ったり止んだりで、すっきりしない。冷たい空気は日本の真冬のようだ。数日前には街中でも雪が降ったとのこと。僕は8回ほどクライストチャーチに来ているのだけど街中で雪が降っているのは見たことがない。雪で学校も休みになったそうだ。ダニーデンはさらに寒いらしい。

テレビでは、SKY SPORTSだけでなく、日本のNHKにあたるTV ONEなどでも盛んにサッカーのワールドカップが放送されているので、日本の試合も見ることができる。コマーシャルにオールブラックスの選手やOBがしきりに登場するのはさすがラグビー王国だが。パシフィックファイブネイションズの放送告知も何度もあり、土曜日のジュニア・オールブラックス対日本代表の放送時間が宣伝されている。新聞に目を通すと、フィジーがイタリアに勝ち、アルゼンチンがウエールズに連勝、また、NZマオリ(先住民族マオリの血を引く選手で構成されるNZ代表)がスコットランドAに快勝して、カナダ、アメリカ、アイルランドA、イングランド・サクソンズ(A代表に相当)が参加して行われていたチャーチルカップで優勝を飾った。こうした実力の接近した大会、試合を奨励するIRB(国際ラグビーボード)の方針によって、各国の強化は急ピッチで進んでいる。日本もW杯で2勝、世界トップ10入りを目指すなら、ついていかなければ。パシフィックファイブネイションズ、チャーチルカップあたりの仲間に入っていないと、今後のレベルアップは難しくなる。強化策の検証も、このレベルと互角に戦えることを念頭にしてもらいたいと思う。

Umi3

少し時間ができたので、ニューブライトンという海辺の街に行ってみた。最近は、この桟橋が名物になっているようだ。砂浜は果てしなく続いている。NZの主要な都市はほとんど海に面しているのだが、こうしてビーチを眺めていると夏にもNZに来てみたくなってくる。僕は、1986年に大阪体育大学のNZ遠征に参加したとき、この街で試合をしたことがある。迎えてくれたチームのみなさんが優しくて感動した。クライストチャーチに来ると、あのころのことをたくさん思い出す。あれから20年かぁ。

Umi2

そして今、この素晴らしい景色を一緒に見ているのは小林深緑郎さんである。今回のNZでは、最初から最後まで深緑郎さんとべったり一緒だ。実は、このブログでもご紹介したJSPORTSのNZツアーは、最少催行人数に満たずに成立しなかった。参加を希望していただいた方、申し訳ありませんでした。ということで、今回はツアーの仕事ではなく、2人旅ということになった。NZでは、ゆったりと時間が流れているので、ついのんびりしてしまうが、日本代表以外にも、この国のラグビーのことを取材して、解説などに生かしたいと思っている。

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ニュープリマスの朝

Umi

今朝のニュープリマスは、曇り空から少し青空がのぞいている。ホテルからは、こんな感じで海が見える。昨夜、ホテルのパブで、元サモア代表プロップのファティアロファさんと話していた。1990年W杯予選の秩父宮ラグビー場でのことを話していたら、宿沢広朗さんの訃報が入ってきた。宿沢さんはその時、監督だった。トンガ、韓国を破ってのW杯出場。中島、梶原、ラトゥのFW第三列のタックルが次々に突き刺さり、平尾、朽木の両CTBが防御に接近してパスを放つ。フィニッシャーは、WTB吉田義人。あのチームはまとまっていた。宿沢さんは日本ラグビー界にとって大切な人だった。思い出は尽きない。ご冥福をお祈りします。

きのうは試合のあと、パブで、オールブラックス対アイルランド、オーストラリア対イングランド、最後は自分の部屋で南アフリカ対スコットランドを連続して観戦した。北半球の各国が南半球勢に挑んだわけだが、オーストラリアとイングランド戦以外は、かなり拮抗した内容になっていた。特にアイルランドの地力には感心さられた。最終的には27-17だったが、勝ちそうな雰囲気が出ている時間帯もあったし、堂々たる戦いだった。

日本の試合を見てから各国の試合を見ると、防御網の分厚さ、各選手の守備範囲の広さ、攻撃面でのパスの長さ、速さ、スペースに走り込むスピードなど、違いが明らかになる。一番気になるのは、日本の攻撃にはスピードの緩急がないことだ。スコットランドもアイルランドも、相手の激しいプレッシャーのなかで、すれ違いざまのプレーで防御を突破していく。ボール保持者と周囲の選手の動きでスペースを作り、走り込む選手のスピードで抜くのだ。日本の試合でいえば、2003年W杯フランス戦で、難波選手のパスを受けたコニア選手のトライみたいなプレーが連続する。接近プレーは日本の得意技だったはずなのだが、今や世界のどの国もやっている。スピード、運動量、スキルレベル、すべてが急速に進化している。

この状況の中で日本人の特徴を生かして、いかにトライをとるかを考えるのはコーチの仕事だと思う。日本代表がフランス人コーチを招聘したのは、スペースを巧みに突く戦いを学びたかったからで、一対一の強さやディフェンス面の整備に主眼が置かれる現状は、かなり遅れていると言わざるをえない。きのうも書いたが、パシフィックファイブネイションズに入れた幸運をなんとしても生かしてほしい。カナダやアメリカは「なぜ、日本なんだ」と不満のようだ。かつてシックスネイションズでお荷物と言われていたイタリアがここまで強くなったのだから、日本もこの機会を生かして強くならなければ。相手が強いからこそ分かることは多いのだ。

ニュープリマスの海を見つつ。

追記◎昨日の試合が行われたヤロー・スタジアムの、ヤローは、パンのメーカーらしい。この競技場の元々の名前は「ラグビーパーク」。趣のあるスタジアムだった。
Yarow


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