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2006年8月20日 - 2006年8月26日

スクラムハーフ

「スクラムハーフってなぜ小柄な選手が多いのですか? マクラウドがSHならBKにボールを回さなくても自分で突破できるじゃない? その方が早いじゃない?って思うのですが…」。このコメント、すごくいい疑問だと思います。だから答えちゃいます。

確かに、マクラウドが7人でBKライン作ったら強そうですよね。それにマクラウドにSHをさせて好きに走らせたら面白いラグビーになるかもしれない。最近では南アフリカのユースト・ファンデルヴェストハイゼンとか、長身で力強さもあってスピードもある、桁外れの選手はいるし、大きなSHは珍しくないです。実際に、9人目のFWのように大きな体で突破役をするSHもいます。ただし、FWの周辺は人数が密集していてディフェンスも分厚いから、マクラウドだって簡単には抜けない。でも、いくつかのパスで広いスペースにボールを動かすと、ディフェンスが薄くなります。そこで体も大きく足も速いマクラウドが、スピードをつけて走っていったほうが突破が簡単ですよね。小さな選手に大きな選手をぶつける、または大きいけどスピードが劣る選手に対して、スピードある選手が勝負する。そのほうが前進しやすい。ラグビーという競技は、ボールを動かしながら、そういうミスマッチを作り出して、ディフェンスを突破しようとするわけですね。

さて、本題のSHが小柄な選手が多い件ですが、長いラグビーの歴史の中で、SHは世界中どこに行っても平均的に小さい。つまり、小さい選手に向いているポジションなんです。スクラムにボールを入れて、出てきたボールを素速くSOにパスする。タックルされた選手がダウンボールしたボールを瞬時にさばく。そんな動きに代表されるように、SHは地面に転がっているボールをパスすることが多いポジションです。地面のボールを瞬時にパスするには身長が小さい方が地面までの距離が短いから適しているわけです。大きな選手はなかなか俊敏には動けないですからね。

そして、SHというのは、ボール争奪戦に体を張る選手達を叱咤激励しながらリードし、SOとともにゲームをコントロールしていくポジションです。「猛獣使い」と呼ばれたりするくらい、負けん気が強くて、強気の性格が向いています。これは僕の経験ですが、小さい選手のほうが負けん気が強いことが多いです。加えて、その小さな選手がタックルが強ければ言うこと無し。小さな選手の地を這うタックルは、大型選手には嫌なものらしいです。

ちなみに、SOも比較的小さな選手が多いけど、世界のトップレベルは大型化してますね。それは、最近のラグビーでSOがタックルをする回数が増えていることと、攻撃面でもSOが起点になってコンタクトしなければいけなくなっているからだと思います。

ラグビーのポジションは体型に大きな違いがあります。スクラム最前列のプロップ(PR)、FWの核になりラインアウトではジャンパーになるなど空中戦も担うロック(LO)など、はっきりとした体の特徴がありますよね。もちろん、どんなポジションにも例外はあって、そのチームがどんなプレースタイルを目指すかによって変わってくる面もあります。総じて言えば、ラグビー選手のサイズは年を追うごとに大型化しています。だからこそ、小さな選手の特性も行かせる場所があるはず。たとえば、極端に身長の低いスクラム最前列の選手がいたら、大型選手はすごくスクラムを組みにくいですよね。

なんて、説明しているといつまでも書いてしまいます。ポジションによる身体的特徴には理由があるということです。少しは疑問の解消になったでしょうか。

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お薦めマッチ_0825

金曜日の朝、僕の家のあたりは大雨が降り、その音で目覚めたほどだった。新聞受けに行くと、新聞がべったり濡れていた。去年の夏までは毎年のように門柱に蝉の抜け殻を発見したのだが、ことしはまだ見ていない。どうした、蝉。以前書いた、日焼けさせる財布は着々と変色している。僕の日焼けはついに皮がむけてきて、ほんとうにタコ焼きみたいになってきた。

菅平の夏合宿では、慶大が京産大を35-17と破り、関東学大が明大に勝ち、法大も流通経済大に勝利とのこと。きのうは、大体大が東海大を破っている。夏合宿では、選手の疲れもあるし、メンバー編成も模索中だから結果だけでは力関係が計れないのだが、大学ラグビーの各チームもいよいよ最終準備段階。明日(26日)は、菅平で午後1時半から早大対慶大の注目の一戦がある。

南半球のトライネイションズは、先週、オールブラックスが3年連続8度目の優勝を決めたが、まだ3試合が残されている。しかも、すべて南アフリカで行われるので、ここからは南アも力を出してくるはず。彼らはホームでは強いので。なかなかメンバーの定まらないオールブラックスは、ワラビーズ戦から大幅にメンバー変更。FBマクドナルド、WTBギア、シヴィバトゥとバックスリーを総入れ替え。FW第三列も、マコウ、ソーンの両FLにマソイがNO8に入る。どうやらヘンリー監督は、今回のトライネイションズでは固定メンバーを組む気はなく、秋の遠征から固めていく気のようだ。

一方の南アフリカは、FLで先発予定だったジュアン・スミスの怪我で、ファンニーケルクが復帰。南ア最高のBKと言われるCTBジャン・デヴィリアスも6月のスコットランド戦で怪我をして以来の復帰。これは南アにとって心強い。デヴィリアスとフーリーの両CTBでオールブラックスの防御を崩したいところ。

放送予定は下記の通り。

■放送予定
8月26日(土)南アフリカ代表スプリングボクス対NZ代表オールブラックス(21:45~ J sports ESPN  ※生中継)

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ラグマガ10月号

今朝のスポーツ新聞に「日本NZに逆転負け」の見出し。バスケットボールの世界選手権の話なのだが、そこにハカの写真もあった。ラグビー愛好家は、NZには反応しますよね~。シダの葉にも。僕の場合は、「ラ」という字にも敏感に反応するので、新聞の「ラ・テ欄」くらいでも、つい目が行ってしまったりする。ラグビー好きの人はみんなそうかな。

さて、写真名鑑についてのご質問ありましたが、開幕節には各会場で販売されるはずです。その前に、明日(25日)発売のラグビーマガジン10月号の別冊付録でトップリーグ写真名鑑がついています。会場で販売されるものとほぼ同様のものですが、中身の編集が少しだけ違っていて、ラグマガのほうは下部リーグの上位チームの顔写真も入っています。そして、最後の広告。ちょっとびっくりすると思います。これもラグマガのほうだけかな。

ラグビーマガジン10月号の表紙は、春の日本代表で活躍した、あの選手。今月号は、開幕直前特集なので、トップリーガーのインタビューが満載だ。まずは東芝の大野均選手。藤島大さんによるインタビュー、実直な人柄が出ている。勝利へのどん欲さをリーダーとして、どう植え付けるか? と問われると、「若手が伸びてきても、普段の練習の中で、(自分自身が)負けないという気持ちを持っている。そういうメンタルなところが重要だと思います…」。大友信彦さんによるNECの安藤栄次選手インタビューは、サッカーからラグビーに転向する頃のことなど、自分のプレーについて詳しく語っている。

他にも、トヨタ菊谷崇選手、神戸製鋼の小泉和也選手、クボタの鈴木力選手などなど。小泉選手は経験豊富なこともあるけど、いい話をしてくれている。「簡単に諦める選手がいると、強いチームは作れない」。これはモールなどボール争奪戦での話。小泉選手は、諦めないもんなぁ。大学の情報ももちろんあり。連載『解体心書』は、明治の濱島悠輔選手。U23日本代表にも選出された将来期待のWTB。

ちなみに僕は、8月20日の早稲田と関東学院の練習試合のレポートを書いているのだけど、僕がラグマガにいたころは、20日の試合を25日発売の本に入れるのは無理だった。最近は、ほんとギリギリまで入るようになったなぁって、ちょっとおっさんくさくなってますが、実はこの原稿、高速道路のサービスエリアで書いた。午後8時までに送らないと間に合わないので、菅平高原から構想を練りつつ途中のサービスエリアで急いで書いてメール送信した。電子メールも僕が編集部に入った頃はなかったので、電話で原稿読んで、編集者が原稿用紙に書いたりしていた。世の中、便利になりましたなぁ。

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双眼鏡

きのうの日記へのコメントで「観戦初心者ですが、ライヴで見る時こんなことをしたらとか、こんなものを持っていったらいいよとかがあったら教えて下さい」というものがありました。冬の観戦なら、膝掛け、手袋、座布団(古い?)とか、いろいろ書きたくなりますが、9月初旬じゃあ、そんなものは必要なく、逆に虫除けスプレーかな? あと、可能なら双眼鏡を持って行きたいですね。ゲームを大きく見るのもいいですが、選手名鑑と照らし合わせながら、顔をチェックしたりするのもけっこう楽しいですよ。選手の顔と名前が一致すると、面白さ倍増ですからね。

応援方法は自由だけど、できれば選手の名前を呼んであげてください。選手には、けっこう聞こえます。以前、この日記にも書きましたが、僕が大学3年の時に近畿学生選抜として東海学生選抜と試合した時のこと。近畿のFBだった僕がタッチライン際を走っていると、客席から声がかかりました。

「綾城(あやしろ)~!」

「俺は、村上やっちゅうねん」

心の中で突っ込みながら走りました。同志社の綾城くんは同期だし、ぱっと見て似ている部分もあったからだと思いますが、笑える思い出です。こんな感じで声はよく聞こえるから、ぜひ間違えないように名前呼んであげてください。


お詫びと訂正】昨日、本日と、トップリーグのプレーオフの延長戦導入について書きましたが、準決勝だけ延長戦が行われ、決勝では延長戦が行われないような書き方をしました。これは誤りで、決勝戦も延長戦は行われます。「80分終了時に同点かつトライ数、ゴール数も同じ場合」→「10分ハーフの延長戦を実施」→それでも同点の場合は「準決勝では抽選を実施。決勝では両者優勝」という流れになります。申し訳ありませんでした。

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トップリーグ10日前

月曜日は、トップリーグのプレスカンファレンス/開幕レセプションが行われた。あと10日ほどでトップリーグも開幕だ。なんか、ついこのあいだシーズンが終わった気がしていたのになぁ。しかし、僕は残念ながら出席できなかった。この夏は、自分自身の事も含めて身の回りでいろんなことが起きる。こんな年もあるさ、と現実を受け入れるしかない。

というわけで、カンファレンスの内容は、コチラのサイトを見ていただきたいのだけど、「日本にはトップリーグがある」というキャッチフレーズが発表されて、「トップリーグを頂点としたピラミッドを構築していく」という考え方が示された。あとは、その中身をいかに充実させるか。地域密着を進め、企業スポーツの枠を外すのは難しいけど、大学生も希望者があればチームに入れるような形が作れると、より活発になる気がする。

リーグのシステムを簡単に説明すると、14チームによる総当たりのリーグ戦の末、トップ4によるプレーオフで優勝が決まる。今年の特徴は、毎節、全チームが試合するということ。つまり、チームによって休みの節が違うということをなくすわけだ。たとえば、9月の23日、24日の土・日はすべてのチームがお休みである。試合会場は、30会場にもおよび、全国各地でトップリーグの認知度を高めていこうという姿勢が見える。

プレーオフでは、延長戦が導入される。80分の試合終了後、同点でノーサイドを迎えて、トライ数、ゴール数ともに同じ場合、10分ハーフの延長戦が行われる。それでも同点の場合は抽選。世界ではワールドカップなどでも採用しているが、日本ラグビー界では初めての採用。決勝で同点の場合は両者優勝となる(※決勝戦も延長戦は行われます)。

あと10日かぁ。開幕節は注目カードが並んでいる。9月1日の東芝とNECはもちろん、2日のワールド対セコムや、ヤマハ発動機対クボタ、コカ・コーラ対日本IBM、サニックス対リコーなど順位争いの上では重要な試合ばかり。3日も、神戸製鋼対サントリー、三洋電機対トヨタ自動車と、って、全部やんか。できるだけ、みなさん会場へ行きましょうね。もちろん、JSPORTSも見てください。開幕節は全試合放送されます。

追記◎コメントに、大阪体育大学には、早稲田大学の「荒ぶる」のような勝利の歌があるのですか? という質問がありました。あるんですよ、これが。部歌『押し照るや』、勝利の歌『黒の狩人』。勝利の歌は、関西リーグで優勝したとき、大学選手権での白星で歌われるようです。歌われるようです、と書いたのは僕の現役時代はなかったからです。大学が移転してからできたから、僕らは歌えないんですよ。だから、世代をこえてOBが集まると、最後に微妙な空気が流れます。

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早稲田対関東学院

Wasedakantou

日曜日、朝から菅平に行ってきた。もともと日焼けしていたところに上塗りされたように黒くなった。以前、JSPORTSで一緒に仕事している矢野さんに「タコ焼きの焼きすぎたやつみたいですね」と言われたが、そんな感じに見えるかもな。顔も丸いし。

もちろん、早稲田と関東学院の試合を見てきたのだが、その前にいくつか情報を。まずは、土曜日の三洋電機ワイルドナイツ対神戸製鋼コベルコスティーラーズは、38-12で三洋の勝ち。SOブラウン、CTB榎本、霜村が欠場している中での勝利は三洋にとっては自信になっただろう。オーストラリア遠征中のヤマハ発動機ジュビロの最終戦は、12-60でウエスタンフォース・ゴールドに敗れたとのこと。課題が見つかる試合であればと思う。

土曜日、トライネイションズのNZ代表オールブラックス対オーストラリア代表ワラビーズの試合をJSPORTSで解説した。実は、いろんな事情が重なり合って、今季のトライネイションズは初解説だった。録画を楽しみにしている人もいると思うので、結果は書かないが、いろいろ感じることがあった。オールブラックスのフロントローはスクラム強いし、よく動くし、コリンズ、マコウ、ソーイアロのFW第三列は世界一バランスが取れていると思った。ワラビーズのWTBジェラードは、出場しなかったことでかえってその存在の大きさを示した気がする。CTBモートロックって、ほんといい選手だなぁ。面白い試合だった。お薦めです。

さて、早稲田と関東学院の試合である。結果は、15-5の早稲田勝利。過去5年、春に勝ったチームが夏、冬と勝つ流れは断ち切られたことになる。8月25日発売のラグマガ10月号に速報レポートを書いたので、ぜひ読んでみてください。それにしても、試合前の早稲田の気合いの入れようは公式戦さながらで凄まじかった。悪い流れを断ち切って新たなスタートを切るため、中竹監督が極限まで選手を追い込んだようだ。「きょうは勝つことが大事だった」。これで、やっと中竹ワセダは本領を発揮できるのかな。

内容的には、互いにボール争奪戦で激しくファイトしたことで反則も多く、ぶつ切れの試合になってしまったけど、そこは互いに譲れないところだし、ある程度は仕方ないのかもしれない。今季のレフリングは、攻撃側のボールをスローダウンさせるような動きには早めの笛が吹かれるので、各チーム気をつけたい。

早稲田はSH矢富が大学レベルでは格違いのプレーで2トライ。SO曽我部も桁外れのキック力で何度も大きく陣地を進めた。ただし、BKラインはあまり機能せず、今村、五郎丸も不発だった。もっとも、ここまでブレイクダウンとディフェンスにこだわってきたということだから、仕方ないのかもしれない。僕が思わず感心して声を出したのは、交替出場で登場した小さなFL笠原のセービング。こぼれ球にナイスな反応だった。東条キャプテンがシーズン序盤は出場できそうにないので、FLのポジション争いはより厳しくなった。この日の第三列の先発メンバーは、上田、豊田、林。

関東学院も敗れはしたが、再戦すればどうなるか分からない実力は示した。吉田キャプテンも言っていたが、北川、石田の両LOが成長し、FWはまとまってきている。BKはタレント揃い。この日は重見をSOにしていたけど、藤井も竹内もいるし、CTBも高山、櫻谷ら層は厚い。

ただし、ここ数年の両チームに見られた確固たるスタイルは感じなかった。だからこそ、今後の予想が難しい。全国大会までの戦いをじっくり見ていきたいと思う。

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