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2006年9月10日 - 2006年9月16日

お薦めマッチ_0916

土曜日の朝である。東京は快晴です。トップリーグ第3節が始まる。まずは、秩父宮ラグビー場でサントリーサンゴリアスと日本IBMビッグブルーが対戦する(午後3時キックオフ)。サントリーはSO菅藤が先発。野村がCTBに入る。控えのジャック・タラントのランニングスキルは必見。IBMとしては、一対一で果敢に勝負してくるサントリーの各選手をいかに前進させないかが課題。FB高忠伸は充実している。NO8カスプロウィックスは、元豪州7人制代表。注目です。

昨日も紹介したヤマハ発動機ジュビロは、木曽キャプテンが「この試合が大事だと思っています。昨年も3節で負けた。ここでいい試合をすることで、4節、5節につながっていく」と話していた。ヤマハスタジアムにて午後6時キックオフ。相手はコカ・コーラウエストレッドスパークス。CTBマーク・ランビー、WTB築城昌拓など新戦力も好選手揃い。

長野県の松本平では、午後4時からセコムラガッツとNECグリーンロケッツが対戦。セコムのリチャード・アパヌイ、NECのヤコ・ファンデルヴェストハイゼンのSO対決は興味深い。カウチとマーシュのジャッカル合戦も見もの。午後6時からは、クボタスピアーズ対三洋電機ワイルドナイツ。昨年のこの対戦は、新潟で行われ、クボタのFWが三洋FWに圧力をかけて好ゲームになった。面白い試合になりそう。三洋WTB北川は、速いよ~。

17日(日曜日)は西京極で神戸製鋼コベルコスティーラーズとリコーブラックラムズが対戦(午後5時キックオフ)。神戸のCTB高倉は、2節までの個人タックル数1位。両チームともFWに外国人選手を2人先発させる。神戸NO8クリッブ、好調のようだ。第2試合は、ワールドファイティングブル対東芝ブレイブルーパス。東芝SO吉田大樹は今回も先発。FB立川もそろそろブレイクか? ワールドは先週サニックスに敗れたが、巻き返しを期す。京都の2試合は、JSPORTSで放送あり。瑞穂で6時キックオフは、トヨタ自動車ヴェルブリッツ対福岡サニックスブルース。 トヨタはパワフルランナーWTB遠藤が出てくる。FB正面のやわらかなランニングスキルとあいまって、より効果的にBKが機能するかも。サニックスもFWはパワフル。激しい肉弾戦になるかな。

また、日曜日は、日英大学ラグビー対抗戦の最終戦。早稲田大学対オックスフォード大学が秩父宮ラグビー場で行われる(午後2時キックオフ)。

◎愛好的観劇日記【敦atushi 山月記・名人伝】観ました。世田谷パブリックシアターにて。原作=中島敦、構成・演出=野村萬斎、出演=野村萬斎、野村万作、野村万之介、石田幸雄ほか。太鼓=亀井広忠、尺八=藤原道山。山月記は能のように、名人伝は狂言のように作られていた。野村萬斎さんによる、分かりやすい見せ方に感銘を受けた。名人伝、かなり笑える。萬斎さんは姿がいい。背筋がぴんと伸びて威厳がある。あれ? 年下やんかと、妙に感心した。「人生は何事をも為さぬにはあまりに長いが、何事かを為すには余りに短い」。中島敦の世界にしみじみ。僕はなんのために生まれてきたんだろう。

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木曽&田井中

Kisotainaka

金曜日の朝は、ヤマハ発動機ジュビロの取材で磐田に行ってきた。キャプテンの木曽一(きそ・はじめ)選手とスクラムハーフ田井中亮範(たいなか・あきのり)選手のインタビューのためだ。この記事は、9月25日発売のラグビーマガジン11月号に掲載される。

トップリーグ第2節のハイライトは、なんといってもサントリーサンゴリアスを終了間際の逆転でくだしたヤマハの頑張りだった。トップリーグ初年度から、3位、2位と上位に定着しながら、昨季は7位に低迷。しかし今季は、大西将太郎選手やイポリト・フェヌキタウ選手という即戦力の選手が移籍してきたことや、CTB三角公志選手ら有望新人の加入で、選手層が厚くなっている。試合を見ていても、昨季に比べて魅力的な攻撃が多くなっている。開幕からの連勝で勝ち点は「8」。現在単独で3位につけている。プレーオフ進出に向けて、トップ4を巡る争いはほんとうに予想がつきにくいのだが、ヤマハが注目チームに躍り出てきた。

そんなわけで行われたインタビュー。2人は仲がいいようで、終始なごやかムード。写真もいい顔してくれました。木曽選手は、サントリー戦で終了間際にトライしたのだが、この時の状況を詳しく聞いた。ヤマハボールのスクラムで、しっかりボールをキープできず、サントリーボールになったところから逆転トライが生まれるのだから、勝負の綾っていうのは、面白いなぁ。そして、この試合でトップリーグ初先発を果たした田井中選手には、一言では語り尽くせない思いがあった。トップリーグ初年度は、試合途中に攻撃のリズムを変えるため起用されることが多く、2年目にバイスキャプテンとなり、先発SHの座も射止めたところで夏に膝の大怪我。長いリハビリ期間を経てこの夏、ようやく復帰を果たした。そしてサントリー戦での初先発である。実にチーム入りして7年目のシーズンだ。怪我のこと、リハビリのこと、いろいろ聞きました。いかん、またすべて書きそうになっている。ということで、ラグマガ11月号をお楽しみに。ちなみに、11月号には大学の写真名鑑が付いています。

ヤマハ発動機ジュビロは、土曜日(16日)、ヤマハスタジアムでコカ・コーラウエストレッドスパークスと対戦する(18:00キックオフ)。お近くの方、ぜひ観戦に。両選手とも先発です!

下の写真は、合宿所の最寄り駅で可愛かったので撮影したもの。あんまり綺麗じゃないか?

Hanahanahana

愛好情報◎僕も一緒に仕事する機会が多い、藤島大さんの講座のお知らせです。僕もトークライブをやっている文鳥舎さんの企画で【藤島大の楕円球塾Ⅱ~スポーツライターとラグビーを語り尽くす~】が以下の要領で行われます。藤島さんとラグビー語り合ってみませんか? 

講師:藤島大(ふじしま・だい)
*時間割:第1、3水曜日午後7時~8時半
(全5回 10/4、18、11/1、15、12/6)
*受講料:15,750円
*入会金:2,100円

※申し込みは随時。来舎、電話、FAX、メールbunchou@parkcity.ne.jpで。
詳しくは文鳥舎HP        
http://www12.plala.or.jp/bunchousha/

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壮行試合

11月4日、秩父宮ラグビー場にてワールドカップ2007アジア地区最終予選壮行試合として、日本代表対オーストラリア首相XV(フィフティーン)が行われることが発表になった。また、同日は「日本協会80周年記念パーティー」も開催される。

詳しくはコチラをご覧いただきたい。オーストラリア首相XVとは、オーストラリアのジョン・ハワード首相による選抜チームで、第2回ワールドカップ優勝監督のボブ・ドワイヤー氏が監督を務めるもの。メンバーは、元オーストラリア代表選手と、有望な若手選手で構成されるという。本来なら、非常に楽しみな企画であり、「11月4日は秩父宮へ!」と盛り上げたいところなのだが、現在、日本代表ヘッドコーチ問題があって、素直に喜べないのが残念。この時期に発表しなければいけなかった担当者のことを思うと胸が痛む。

水曜日夜のオックスフォード大学対関東学院大学の試合会場で、日本協会の真下副会長を報道陣が囲み取材する機会があった。日本代表ヘッドコーチ問題については、「まだ詳細が明らかでない」として、太田GMの帰国を待って「世界八強会議」で今後のことを検討し、人事の問題に発展すれば緊急理事会の招集もある、とのこと。手順を踏むということなのだが、いまこの問題には迅速な対応が求められている。一刻も早く、良識ある毅然とした決断を下してもらいたい。もし、なんの解決策もとらなければ、壮行試合も80周年も、本来ならその開催を最も喜ぶべきファンのみなさんの支持を得ない、寂しいものになるだろう。日本代表をサポートする人達がひとつになれるような再スタートの場にしてもらいたい。もし、ラグビー協会関係者で、この問題について僕が書いた日記を読んでいない方がいたら、『最近の記事』の「ジャパンのこと」「ジャパンのこと2」をお読みください。

連日、原稿の締切に追われていて、やっとこさで先週末のトライネイションズの最終戦をじっくり観た。遅っ。南アフリカ代表スプリングボクスが、ジョハネスバーグにオーストラリア代表ワラビーズを迎え撃った試合は、拮抗した展開。前半は3-3。ワラビーズが連続攻撃を仕掛けて、南アがディフェンスで粘るという、この両者の戦いではいつものパターン。南アのSOプレトリアスは前節に続いてキックを軸にしたゲームコントロールで勝利を導いた。後半12分にはドロップゴールで12-10と逆転し、SHデュプレアがPKからの速攻で点差を広げた。FLスピースは速い。初キャップのFBピーターセンも柔らかい走りでチャンスを作り、ポールセのトライにつなげていた。ワラビーズNO8パルーも攻撃面では迫力があった。これでトライネイションズは終了。秋のテストマッチシリーズを楽しみに待とう。

◆トライネイションズ最終戦(9月9日 ジョハネスバーグ エリスパーク)
南アフリカ代表スプリングボクス○24-16●オーストラリア代表ワラビーズ

【愛好情報】15日朝の東京中日スポーツで、大学ラグビー特集があるようです。

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関東学大、快勝

水曜日の朝は東芝のグラウンドに行ってきた。スポーツヤア!(9月21日発売)の『裏方さん奮闘日記』で、東芝ブレイブルーパスの運営・広報担当の東健一さんを取材するためだ。裏方さんの仕事を少し垣間見られて面白かった。試合用ジャージーは、それぞれの背番号で幅広くサイズが揃っているようだ。確かに、最近のぴちぴちジャージーでは、適当なサイズってわけにはいかないもんなぁ。

膝の靱帯を痛めてリハビリ中の大野選手に会った。復帰には、もう少しかかるみたいだ。でも今月末には出てくるかな? 手前味噌ながら、大野選手に「うちのおばあちゃんが、村上さんの解説は分かりやすいって言ってましたよ」と嬉しいことを言われた。光栄である。JSPORTS見てくれているなんて嬉しいなぁ。僕は「超」がつく、おばあちゃん子だった。ゆっくり、分かりやすくしゃべるのは得意だ。ん~、ちょっと意味が違うか。

夜はオックスフォード大学来日シリーズ第2戦、対関東学大戦を江戸川陸上競技場で見てきた。関東学大、快勝である。降りしきる雨の中、観客は少なかったかったけど、熱心な関東学大サポーターが盛んに声援を送っていた。僕が座っていた記者席の周辺でよく聞こえたのが、オ大のジョー・ロフへの声援である。鈴木力キャプテンや、吉田英之選手など、クボタスピアーズの面々が、昨季までのチームメイトの応援に来ていたのだ。ロフは後半9分、0-12の苦況を打開するために登場し、PKから速攻を仕掛けるなど、なんとかオ大の流れをつかもうとしたが、ふりしきる雨の悪条件もあってミスが多く、逆転には至らなかった。

両チームともに雨を意識してキックが多い展開となったが、オ大の巨漢FWに対して関東学大のコンタクトレーは力強く、何度もジャッカルしてボールを奪っていた。ブレイクダウンでの強さはやはり大学レベルでは図抜けている。関東学大の布陣は興味深かった。ブライドWTB竹山、CTB草下は、本来はFW第三列の選手だ。この起用について、春口監督は「これは変則ではない。彼らの能力を引き出すためにやっている」と説明。竹山、草下をBKに並べることで、CTB櫻谷、WTB中園、FB山下をさらに成長させようという考えのようだ。中園の俊足は何度もタッチライン際を快走、櫻谷もよくゲインラインを切っていた。1年生SO木村も及第点の働き。後半は4年生の藤井が登場したが、怪我から復帰後、ゲーム経験が足りないようで、ベストのパフォーマンスにはまだ遠いようだ。FWのフィットネスが最後まで持ったことにも春口監督は一定の評価をしたが、ディフェンス面では綻びも見えた。課題は多い。

もっとも、関東学院としてはこの試合が春・夏の締めくくりで、これからがスターという位置づけ。記者会見の最後は、いつもの春口節でシーズンへの手応えを聞きたがる報道陣をはぐらかした。
「リーグ戦の各チームは評判がいいでしょう? 23日の立正大が気になっているんですよねぇ。うちの選手には、立正大の選手が見に来ていたら要注意だと言っていたんだけど。堀越さん(監督)が見に来ていたでしょう。ちょっと心配なんですよ」

◎試合結果(9月13日)
日英大学ラグビー対抗戦第2戦
関東学院大学 ○17-7 ●オックスフォード大学(前半12-0)

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ラグビーの入口

8月下旬から昨年に勝る勢いで上昇しはじめたアクセス件数を見つつ、「愛好日記も浸透してきたで~」なんて悦に入っていたのだが、日本代表ヘッドコーチ問題が起きるとさらに多くなり、先週の金曜日に過去最多を記録。月曜日にはそれを上回り、火曜日もほぼ同じ件数を記録した。う~ん、ちょっと複雑である。そうは言っても、著名人の方々の人気ブログとは桁が違う。アクセス件数のことはあまり気にせず、これからもラグビー愛好家予備軍のみなさんの入口になるような日記を書いて、少しでもラグビーの魅力を伝えていきたい。そう、愛好日記は入口でありたいと思います。

火曜日はデスクワークをしていたのだが、仕事の電話をしていても、どうしても話題は日本代表ヘッドコーチ問題になってしまう。フランス語の堪能な友人に、バイヨンヌのスポーツマネージャー就任について、フランスでの報道をいくつか訳してもらった。エリサルド氏のコメントを聞くたび脱力感である。「私はプロだから、ワールドカップ後のことを考えないといけない」、「バイヨンヌはパートタイムなので(日本代表と)両方の仕事ができて効率的だ」などなど。彼にもいろいろ事情はあるのかもしれないし、どうやら悪意はない。でも日本ラグビーに対する敬意もない。代表ヘッドコーチとしての責任感がなさすぎる。太田GMの渡仏は契約解除のためだと信じたい。GMの渡仏も現地のメディアでは話題になっているようだ。いったい日本では何が起こっているの? という思いだろう。今後の成り行きを注視したい。

水曜日の夜は、オックスフォード大学来日第2戦が江戸川陸上競技場で行われる。ジョー・ロフのことばかり書いてきたけど、WTBトム・トンブレソンも強さとスピードを兼ね備えた選手。関東学院では、SOで1年生の木村恵輔(東農大二)が出場予定。第1戦でオ大と対戦した同志社大の大橋選手が「関東学院のほうが当たりは強いです」と言っていた。勝利が期待できるかな? キックオフは、午後7時です。

【お答えします】コメントにありました、ラインアウトのスロワーがタッチラインを踏んでいるのは、おかしいのでは? というご質問にお答えします。もちろん、「足裏健康法」ではありませんよ。競技規則には、次のように書いてあります。『ボールを投入するプレーヤーは、正しい位置に立って、また、フィールドオブプレーに足を踏み入れずに投げ入れなければならない』。この「足を踏み入れずに」というところがポイントです。ラグビーはタッチライン上は「外」ですから、ラインを踏んで投げることは容認されます。足全体が完全に中に入った状態で投げるとレフリーが注意をしたり、反則になることもありますが、踏んでいるだけなら反則にはならないようです。

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ノットロールアウェイ

金曜日の夜から月曜日にかけて、多くのアクセスがあり、いま起こっている問題に対するみなさんの関心の高さ、日本代表に対する真剣な思いを知って勇気づけられました。僕の意見は、「ジャパンのこと」、「ジャパンのこと2」に書いた通りです。問題はまだ続いているので、事態の推移を見つつ、この件は書いていきたいと思います。

さて、きょうのプレスリリースでは、9月16日(土)の神宮球場でサントリーサンゴリアスの清宮克幸監督が始球式を行うことが発表になった。18時20分プレイボールの、東京ヤクルトスワローズ対広島東洋カープ戦である。この始球式は、青山スポーツまつりの一環で行われるとのこと。清宮監督は小学生まで野球少年。ヤクルトの古田監督とも親交があり、夢のバッテリーが実現しそうだ。清宮さん、ズバっとストライクでお願いします。

トップリーグは第2節を終えたところで、勝ち点「9」のトヨタ自動車ヴェルブリッツが首位。同じく「9」の東芝ブレイブルーパスが続く。サントリーを破ったヤマハ発動機ジュビロは3位につけた。トライランキングは、NECグリーンロケッツの窪田幸一郎が3トライでトップ。得点ランキングは、ヤマハ発動機ジュビロのネイサン・ウイリアムスが「36」でトップに立っている。開幕節は、順位の接近したもの同士の対戦だったので接戦が相次いだが、これからは力の差がある試合もでてくる。3節は、秩父宮ラグビー場はじめ、5か所で試合が行われる。土曜日の試合は、JSPORTSでも放送がない。さあ、どれを見に行くかなぁ。なんて、実は決めているのですが。

コメントにもあった「ノットロールアウェイ」について書きたい。トップレフリーの方に聞いたところでは、今年は、日本協会の競技力向上委員会の要望で防御側が攻撃側のボールを殺すようなプレーに厳しく反則をとるという申し合わせがある。これは夏から各チームにも伝えられていることで、その件については浸透しているはずなのだが、実際に試合を見ているとやはりノットロールアウェイの反則が多い。これは競技力向上委員会が、世界の標準に合わせるように要望したものなので、これまでの日本のレフリングがボールを殺すプレーに少し甘かったという見解があるようだ。それがボールのダイナミックな動きを殺しているという見方である。

一番分かりやすいのは、タックルした選手がボールごと相手選手を抱え込んでボールを出させないようにする動きなのだが、「笛が早すぎるのではないか」、「それは立てないだろう」、というものがある。トッププレーヤーには、タックルしてすぐに立ち上がることが要求されるから、大学や高校のプレーヤーより高い水準を要求されているのかもしれない。それでも見ていて可愛そうなものがある。タックルした勢いで相手に乗っかってしまった時、次に来た相手選手に押しつぶされて立てなくなるような場合もある。人間は軽く押さえられるだけでもバランスを崩して立てなくなったりするものだ。このあたり、少し立ち上がるまでの時間を与えてあげたり、相手が押さえつけているのが原因ならスクラムにするなど、微妙なさじ加減がレフリーのみなさんには求められるわけだ。

僕は、ラグビーの中ではネガティブなプレーが反則になるものだと解釈している。相手のボールをわざとはたいたり、ディフェンスに飛び出そうとする選手のジャージーを引っ張ったりと、ポジティブに試合に参加するのではなく、邪魔だけして発展性のない動きは反則になるわけだ。大事なのはこの観点で、あまり杓子定規に反則をとるのではなく、ポジティブにプレーに参加しようとして思わずラックに横から入るような動きは、危険だったり、相手との正当なコンテストを阻害するものでないかぎり、流していってもいいはず。そのほうがダイナミックにボールが動く面白いゲームになるはずだ。

レフリーのみなさんが苦労されているのは分かっているつもりです。今後も日本ラグビー発展のため、よろしくお願いします。

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大橋選手と神鋼勝利

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日曜日の朝は、同志社大学ラグビー部のグラウンドに行った。ラグマガ11月号(9月25日発売)での大学特集で大橋由和選手のインタビューをするためだ。大橋選手といえば、パワフルなタックルと粘り腰での突進が魅力のCTBだ。高校日本代表、U19日本代表にも選ばれ、将来を嘱望されている。今シーズンへの意気込みを語ってもらったのだが、面白かったのは、勝ちたいチームは? と問いかけると「早稲田と関東学院と言うべきですか?」とか、憧れの選手は?「ここは、元木さんと答えるべきですか?」など、受けのいい答えを逆質問してくることだった。サービス精神旺盛なのだ。

大橋選手は、大阪の楠葉(くずは)中学出身なのだが、けっこう体格の大きかった大橋選手にCTBをやらせた監督の名前を確認したら、「田中先生です」ときた。うん? それって田中ひろしさん? うわ、僕の大学2年の時のキャプテンや。え? そうなんですか。てな会話で盛り上がった。このほか、今年の同大の目指すラグビーなど、詳細は、ラグマガ11月号をお楽しみに。大橋選手、ありがとう。

取材後、同志社大学の最寄り駅「新田辺」から、神戸ウイングスタジアムに向かった。午後6時キックオフ、神戸製鋼コベルコスティーラーズ対クボタスピアーズ戦をJSPORTSで解説するためだ。

神戸製鋼は、前日にCTBジョエル・ウィルソンが負傷し、急遽ピエーレ・ホラが13番で先発。松原、大畑、元木といった主力選手もまだ怪我は癒えず、クボタも大黒柱のNO8ケフが肩を痛めて休養し、成長著しいWTB小堀も膝を痛めて欠場と、互いに主力を欠いての試合だった。

前半は、クボタが反則やミスでボールを失ったのに対し、神戸製鋼はSH後藤の好判断や、WTB瓜生の力強いランニングなどで3トライ。このまま後半も圧倒するかと思われたのだが、クボタのFWがアグレッシブに前進し始め、自陣で戦うことが多くなった神戸製鋼は、次第にリズムが悪くなる。後半13分には、クボタがSO伊藤の防御背後へのキックをCTB吉田がキャッチしてそのままトライ。19分にもドライビングモールからトライし、12-19と猛追。ここからは、どちらに勝敗が転んでもおかしくない時間帯が続いた。ここで神戸製鋼は、SH後藤に代えてベテラン苑田を投入。一進一退の攻防のなかでこのスコアを守りきって勝利した。

この交代は疑問符がついた人も多かったはずだが増保監督はこう語った。「後藤の判断が悪くなっていた。防戦一方でFWが消耗するなかで、もっと敵陣での戦い方が必要だったのだが、その判断が甘かった。苑田でゲームを落ち着かせたかった」。なるほど、ゲーム運びを重視する神戸製鋼ならではの説明である。7点差での終盤、PGチャンスも攻めたことについては、キャプテン代行の林選手が「勝ち点5を狙って攻めた」と4トライを狙って前向きな気持ちでチームがひとつになっていたことを明かした。それにしてもNO8伊藤、LOウイリスなど、経験豊富な選手の活躍は見事だ。このベテラン勢の上手さを若い選手達が一緒に戦いつつ覚えていくことが必要なのだろう。

クボタは実に惜しい試合だった。しかし、7点差に追いついたことで勝ち点「1」をゲット。山神監督もこの点については評価した。

アフターマッチファンクションに向かう伊藤剛臣選手とすれ違った。
なんか、試合中、気持ち悪かったの?
「いえ。別に」
テレビのマイクにオエ~って声が入ってたよ。
「えっ、ばれてました? ちょっと、えづいちゃって(笑)」
かなり、きつい試合だったようだ。それだけ全力で走り回ったということだろう。

暑い中、第2節も選手のみなさん、お疲れさまでした。

◆9月10日の試合結果
神戸製鋼コベルコスティーラーズ○19-12●クボタスピアーズ(前半19-0)

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土曜日の京都

日本代表ヘッドコーチの問題は、「ジャパンのこと」、「ジャパンのこと2」に意見を書いています。ここでは、土曜日の試合のことを書きます。

土曜日の京都は暑かった。西京極陸上競技場の記者席は日陰になっているのに、座っているだけで汗が出てくる。午後7時からの試合を終えたNECの浅野キャプテンが、「開幕戦より暑かったです。走っていないのに息があがって、体温があがっていく感じでした」と言うのだから、その前に試合した選手達は大変だっただろう。きょうは伝えたい出来事がたくさんあった。トライネイションズのことは、録画で見る方もいると思うので、数日後に書きますね。

午後3時から行われた第1試合は、日英大学ラグビー対抗戦2006の第1戦、地元・同志社大学対オックスフォード大学の対戦だった。オ大の大型FWの波状攻撃を同大がなんとか食い止め、CTB大橋、WTB宇薄らを軸に大きく展開して接戦に持ち込んだ。しかし、オ大CTBジョー・ロフの3トライもあって、追いつけなかった。ロフは、練習量が少ないようで、かなりバテ気味だったのだが、勝負どころでは強さとスピードでディフェンダーを振り切って突進。オ大での初試合を勝利で飾った。

トップリーグ第2節の注目カード、サントリーサンゴリアス対ヤマハ発動機ジュビロは大接戦。サントリーCTBニコラスと、ヤマハFBウィリアムスがPGを決め合って、前半は6-3でサントリーがリード。後半開始早々、サントリーはハーフウェイライン付近で相手ボールを奪い、WTB小野澤が2人、3人とタックルを外して防御を突破し、最後は途中出場のトンプソンが左コーナーぎりぎりに飛び込んだ。

開幕節の神戸製鋼戦同様、これでサントリーが調子に乗るかと思われたが、ヤマハの粘り強いディフェンスの前に思うように前進できず。後半だけで12のペナルティをとられて攻めあぐんだ。それでも、後半33分には、ヤマハFBウィリアムスの自陣ゴール前からのキックをサントリーSH澤木がチャージし、PR池谷がトライ。21-15とリードした。

しかし、この日のヤマハは、負傷から2年ぶりに復帰し、7年目のシーズンではじめて先発した田井中の存在で、いつも以上に気合いが入っていた。最後は猛攻を仕掛けて、サントリーをゴールラインに釘付けにし、後半40分には、ゴール前5mでマイボールスクラムを得た。チャンスだったが、うまく前列と後列のコンビネーションがあわずに回ってしまって相手ボールに。サントリーはタッチに出せば、ピンチ脱出というところだった。ところが、スクラムが少し曲がったことで、SH澤木にプレッシャーがかかり、蹴ったボールはゴールラインの真上に上がった。「来た~って感じで、獲るだけでした」とNO8木曽キャプテン。195㎝の長身でこれをキャッチするとそのままトライ。難しい位置からのFBウィリアムスのコンバージョンも決まって劇的逆転勝利となった。

ウィリアムスは、プレースキックだけでなく、トライを防ぐタックルや、カウンターアタック、ロングタッチキックなど、フットボーラーとして卓越した能力を発揮していた。簡単なPGも外していたけど、勝利の立役者である。

「全勝でぶっちぎりで優勝したかったのですが、そんなに甘くはないということ。いい負けが経験できたので、さらに強いチームが作りたいです」(サントリー・清宮克幸監督)

試合後、村田亙選手に会った。脳しんとうからの復帰は4節からになりそうだ。「きょうは田井中を応援しました。でも、これからは競争ですね」と、まだまだレギュラー争いで頑張ると話していた。それが田井中選手がずっと望んできたことでもあるし、この競争にも注目しよう。あっ、そうそう、大田尾選手も良かったよ~。試合後「村上さん、ブログに書いてね」と言われたので。次回もいいプレーを。

午後7時キックオフの日本IBMビッグブルー対NECグリーンロケッツの試合は、FW戦で優位に立ったNECが、終始ゲームを支配して快勝した。NECは、SH辻、SOヤコ・ファンデルヴェストハイゼンのHB団が、素速いボールさばきでゲームのリズムを作っていた。辻は、ほんとうにどんなボールでもさばく。見事だった。

「完敗です。思っていたより基礎的なところで負けました。いい経験をさせてもらいました」と、IBM・大西一平ヘッドコーチ。ただし、NECの高岩監督は、「締まらない試合をしてしまった。ミスが多いのは修正したい」と辛めの評価だった。

試合後、ヤコ選手が、20分くらいかな。一人でずっとプレースキックの練習をしていた。過酷な条件の中、フルタイムで戦った後である。あとで話を聞くと、キックのインパクトの感覚が今ひとつだったことと、クールダウンも兼ねてのようだった。ナイター照明に照らされた芝生の上でプレースキックを蹴る姿は、かっこよかったなぁ。

◎9日の試合結果
◆日英大学ラグビー対抗戦2006
同志社大学 ●28-34○ オックスフォード大学(前半14-12)
◆トップリーグ2006-2007
リコーブラックラムズ ●10-40 ○トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半10-14)
三洋電機ワイルドナイツ ○41-27● セコムラガッツ(前半24-8)
サントリーサンゴリアス ●21-22○ ヤマハ発動機ジュビロ(前半6-3)
日本IBMビッグブルー ●8-34○ NECグリーンロケッツ(前半3-17)
福岡サニックスブルース ○35-19● ワールド ファイティングブル(前半13-0)
コカ・コーラウエストレッドスパークス ●13-31○ 東芝ブレイブルーパス(前半6-21)

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ジャパンのこと 2

週末の試合の件と、日本代表のエリサルドヘッドコーチの問題は別に書こうと思います。ここで書くのはエリサルド氏に関することです。9日の試合のことは次の日記「土曜日の京都」に書きますね。

ヨーロッパのスポーツ事情に詳しい知人から連絡をもらった。あるフランス人のラグビーコーチが憤慨しているという。「フランス人コーチというのは、こんな非常識なことをするのだと日本の人たちに思われるのは心外」という怒りだ。ナショナルチームのヘッドコーチが、クラブチームのマネージャーに就任するというのは、フランス人のコーチから見ても非常識極まりないことらしい。本人がどう申し開きしようと、「マネージャー」と肩書がつく以上、コンサルタント的なアドバイザーということはありえない。日本でいえば、GM、または監督に相当する首脳陣と考えるべきだ。

日本協会は、現在「事実関係を確認中」とのことだが、週1度くらいグラウンドに顔を出すマネージャーであれば容認するとでもいうのだろうか。これは契約書の中に兼業禁止の項目がないから仕方がないという問題ではない。1年後にW杯本大会を控え、最終予選に万全の体制で臨まなければいけないこの時期に、クラブと契約してしまう行動を許してはいけないのだ。W杯出場国にそんな代表ヘッドコーチは存在しない。これを容認すれば、日本ラグビーは世界のラグビー界から嘲笑を買うことになる。日本代表コーチは自国のクラブと兼務できるという悪しき前例を作ってしまうことにもなる。

今回の問題は、エディ・ジョーンズ氏が、オーストラリア代表監督をしながらサントリーのアドバイザーをしていたことと同列に語ることはできない。ジョーンズ氏は代表監督になる前からサントリーのスタッフに名をつらねていた。代表監督就任後もスタッフに名を残したが、1年のほとんどをオーストラリアに住んで代表強化に専念し、トライネイションズが終わった直後などに短期間来日してサントリーの指導にあたっていた。代表監督が任期中に、しかもW杯予選を目前に控えた大事な時期に、新しくクラブと契約をするのとは事情が異なる。加えて、エリサルド氏は基本的にフランスに住んでいる。トップリーグの開幕節こそ来日したが、今はフランスにいるし、現在のところ3節、4節も来日の予定はないようだ。もちろん、それを許している日本協会、そして強化担当者に最大の問題はある。多くの批判をあびてまで、ヘッドコーチを擁護する理由はないはずだ。今一度よく考えてもらいたい。

きのうの日記「ジャパンのこと」にも書いたのだが、重視すべきなのは期待感のもてる強化の過程である。ただ結果だけ出ればいいというものではない。ファンのみなさんが心からサポートし、一緒になって戦えるジャパンを形作っていかなければいけないのだ。ラグビー協会の関係者、強化に携わる人たちが、未来の日本ラグビーのことを考えて、その方向性を示さなければ。今回の問題をいい機会ととらえて、責任感をもって立ち上がってもらいたいと思う。

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