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2006年10月8日 - 2006年10月14日

TL6節、土曜の結果

土曜日は快晴の秩父宮ラグビー場で、日本IBMビッグブルー対リコーブラックラムズの試合をJSPORTSで解説した。現在9位と13位の対戦だが、勝ち点差はたったの「4」。13位、14位が自動降格になるため、下位グループの順位争いは熾烈を極める。自動降格圏外に早めに脱出するためには、互いに負けられない試合だった。そして、その危機感は、リコーに強かったように見えた。

リコーは立ち上がりから日本IBMに徹底的にプレッシャーをかけると、前半11分、今季初先発のSO武川がIBMの防御ライン裏に抜け出し、CTB河野が縦に走り込んでパスを受け、好ステップでタックラーをかわして中央へトライ。IBMの猛攻をしのいだ33分には、再び武川がディフェンダーを引きつけたところに河野が走り込んでトライ。14-3とリードを広げた。この日のIBMは、敵陣に入ったチャンスでのラインアウトをミスしたり、攻め込んだところでのラインアウトからのモールでトライをとりきれないなど、もどかしい展開が多かった。最後は攻撃も単調になった印象である。

ただし、リコーのディフェンスでの粘りは凄まじかった。相、伊藤の両FL、LO遠藤も目立ったが、NO8スコット・ロバートソンは元NZ代表の勝負魂を存分に見せつけた。後半10分くらいだったと思うが、IBMがインゴールに飛び込もうとした瞬間、相手の身体の下に手を差し込んでボールをグラウンディングさせない執念を見せたほか、IBMがチャンスをつかみそうな攻撃時には必ずロバートソンが現れて激しいタックルを繰り出していた。倒れていても目はボールから離れていない。素速く起きあがり目の前に走り込んでくる相手に渾身のタックルを見舞い続けた。本日の活躍には脱帽である。SO武川は、正確なプレースキックでも勝利に貢献。先発起用の期待に応えていた。

第2試合は、クボタスピアーズ対東芝ブレイブルーパス。こちらは、クボタがSO伊藤のPGで先制。前半31分には、ラインアウトからモールを押し込み、NO8ケフのサイドアタックでさらに前進して左オープンへ。最後はWTB本吉がタックラー2人を振り切ってトライ。一時は16-7とリードした。前半34分には、この日WTBに入っていた大野がプロフェッショナルファウルでシンビンになり、CTBマクラウドも前半に腰を痛めて退場と、東芝には苦しい展開。しかし、後半は得意ドライビングモールで流れを作り、最終的には、5トライを奪って33-24で勝利した。

「立川、松田が怪我で、大野をWTBで使わざるをえなかった。次はもっと横のスペースを使って攻めたい」と薫田監督も、やや力任せになった攻めには不満そうだった。しかし、東芝は見ていて負けるような気がしない。立川、松田、冨岡を怪我で欠きながらも、SO吉田、CTB仙波、FB廣瀬ら若い選手の活躍と、FL渡邉などベテランのいぶし銀の働きで揺るぎないゲーム運びを見せる。WTBオトの献身的な動きには感心させられた。タックルして、ボールを奪って、突進してと休むことなく働き続けていた。冨岡キャプテンは次節には復帰予定。立川は肉離れに加えて昨季からの怪我も影響もあり、薫田監督も「無理はさせない」とのこと。

◎トップリーグ第5節試合結果(14日)
日本IBMビッグブルー●15-24○リコーブラックラムズ(前半10-17)
クボタスピアーズ●24-33○東芝ブレイブルーパス(前半16-14)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ○45-26 ●セコムラガッツ(前半17-5)

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お薦めマッチ_1014

知人から【マッチベスト】のCDをもらった。17曲収録されているのだが、最初に流れる『ケジメなさい』を、いい歌だ~、と再評価。正月に買った【マッチ箱】以来、しばらくマッチを聴いていなかったのだが、またハマって、口ずさんでいる。だから…、そういうコーナーじゃないっつうの。なんて、たまにはマッチネタも。

というわけで、今週末はトップリーグ第6節である。予定メンバーの表を眺めつつ、あれこれ考える。土曜日の秩父宮は、日本IBM対リコー、クボタ対東芝の2試合。現在9位の日本IBMと13位リコーとの対戦は、下位チームの順位争いの上で重要な試合。僅差になりそう。クボタは東芝へのチャレンジ。東芝は大野がWTBで登場。俊足ぶりを発揮できるか。花園では神戸製鋼がセコムの挑戦を受ける。神戸は怪我をしていたジョエル・ウィルソンがリザーブで復帰。立正大から加入のマパカイトロがNO8で出てくる。セコムは、前節FBで登場して好プレーを見せたジェームズ・リチャーズをSOで起用。このアイディアがどうでるか。

日曜日の瑞穂は2試合。いまだ勝ち点のないワールドが地力のあるNECと戦う。NECはFB武井が怪我から復帰。だとすると、前節ディフェンス時にFBに入っていたヤコ・ファンデルヴェストハイゼンはSO固定か。トヨタ自動車とヤマハ発動機は注目の対決。ヤマハはここで勝てば、再びトップ4入りの有力候補に浮上できる。そして、前橋では三洋電機対サントリーという今節もっとも注目される大一番。サントリーは開幕節で手を骨折したWTB藤原が復帰。有賀、小野澤と強力なバックスリーを形成する。三洋の三宅、北川、吉田も負けていない。トライ合戦を期待。もうひとつ、博多でのサニックス対コカ・コーラ戦も見逃せない。「サニックスには10年間勝っていないみたいなので、ぜひ勝ちたい」(ニールソン武蓮傳)。コカ・コーラは、キャプテンのNO8山口を怪我で失ったが、オーモンドがNO8に入り必勝を期す。

◆トップリーグ第6節試合予定
・10月14日
12:00KO 日本IBMビッグブルー対リコーブラックラムズ(秩父宮 11:50~ Jsports2  ※生中継)
14:00KO クボタスピアーズ対東芝ブレイブルーパス(秩父宮 13:50~ Jsports2  ※生中継)
13:00KO 神戸製鋼コベルコスティーラーズ対セコムラガッツ(花園)
・10月15日
12:00KO ワールドファイティングブル対NECグリーンロケッツ(瑞穂 11:50~ Jsports1 ※生中継)
14:00KO トヨタ自動車ヴェルブリッツ対ヤマハ発動機ジュビロ(瑞穂 13:50~ Jsports 1  ※生中継)
13:00KO 三洋電機ワイルドナイツ対サントリーサンゴリアス(前橋 12:50~ Jsports ESPN ※生中継)
14:00KO 福岡サニックスブルース対コカ・コーラウエストレッドスパークス(博多 13:50~ Jsports Plus ※生中継)

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数字のこと

トップリーグデータ事務局から、第5節のデータが発表になった。タックル数ではトヨタ自動車のフランカー(FL)遠藤正俊選手が、47回でトップに立っている。FLのタックル数が多いのは当然のような気もするのだが、2位・大田尾竜彦選手(ヤマハ発動機ジュビロ)、3位・加瀬隆之選手(日本IBMビッグブルー)と、スタンドオフ(SO)の選手が並んでいるのは興味深い。4位のナタニエラ・オト選手も、WTBだがディフェンス時はSOの位置に入っている。もちろん、本人が積極的にタックルしている証なのだけど、現代ラグビーではSOがタックルする機会が多いという表れでもあると思う。SOにタックルの強い選手がいると、チームとして楽だもんなぁ。

チーム別ランキングでは、5節は日本IBMが東芝ブレイブルーパスに対して「111」回のタックルを繰り出してトップ。累計でもトップになった。苦戦しているということでもあるのだけど、IBMの試合にどこか心を打たれるものがある理由でもあるだろう。神戸製鋼も相変わらず多い。トヨタ自動車に勝ちはしたものの、タックル数は「107」。普通は、守る時間が長くなると負けるのだが、勝つところが神戸製鋼の強さ。サントリーサンゴリアスは、5節までで累計が唯一300を切る「286」回。チームカラーが表れている。もちろん、ラグビーは数字ですべてを語れるものではないけれど、選手のモチベーションをアップさせるのには役立つだろうし、見る側にとっても、一つの楽しみだ。

ラインアウトを見ると、NECグリーンロケッツが「27」で、対戦相手のコカ・コーラウエストレッドスパークスが「22」、合計49回。おっ、僕のカウントで合ってた~、と無邪気に喜んでしまった。ラインアウトなどのカウントは、解説しながらでは無理だし、試合の流れや気づいたことをメモしながら観戦していると難しい。今回も知り合いと話をしながら見ていたのだが、僕なりにいい方法を見つけたかも。しかし、やはり49回は多いなぁ。ちなみに、神戸製鋼対トヨタ自動車戦は「28」、トニー・ブラウンが好タッチキックを連発した三洋電機対サニックス戦でも「36」である。

と、数字のことばかり書いたが、本当は、ぼーっとラグビーを眺めるのが好きである。ぼんやり見ているのに、熱みたいなのが伝わってきて、いつのまにか引き込まれるような試合が好きなのだ。仕事上なかなか難しいが、ときどき観客席に座って、そういう見方を楽しもう。

◎愛好的観劇日記【奇跡の人】観ました。青山劇場にて。原作=ウィリアム・ギブソン、翻訳=常田景子、演出=鈴木裕美、出演=石原さとみ(ヘレン・ケラー)、田畑智子(アニー・サリヴァン)、小島聖(ケイト)、梨本謙次郎(ケラー)ほか。舞台は、実在した三重苦の少女ヘレン・ケラーと家庭教師アニー・サリヴァン、その2人を取り巻く家族の葛藤を描く。見えない、聞こえない、話せない、そんな少女が物には名前があるということに気づいたとき、彼女の中で何かがはじける。ふと思い出しては感動に浸っている。初舞台の石原さとみさんが好演。キラキラ輝いていた。演出の鈴木裕美さんがパンフレットの中で劇中の人々の「孤独の深さ」を感じたと言っている。だからこの物語は、世界中でずっと愛されているのだろう。

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インフォメーション10.11

火曜日は終日部屋にこもって原稿を書いていた。これくらい根を詰めて勉強したことないなぁ、なんて思いつつ、ひたすらパソコンに向かっていた。夜、テレビをつけっぱなしにしていたら、サスケの完全制覇。なんだか感動して腕立て伏せを始めた。というわけで、きょうは情報のみにて。

11日のプレスリリースでは、第6節の三洋電機ワイルドナイツ対サントリーサンゴリアス(10月15日)のイベント告知があった。群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場で行われるこの試合。「勝敗、スコアを当てて、豪華賞品をゲットしよう! 」ということで、スタジアムの入場口で配布されるクイズのチラシに勝利チームとスコアを予想して記入し、回収ボックスに投函すると、正解者の中から抽選で1名に、三洋のデジタルムービーカメラ、またはサントリー ザ・プレミアムモルツ1年分が当たるという。

また、14日に神戸製鋼コベルコスティーラーズと対戦するセコムラガッツは、翌15日、新狭山「すかいロード祭り」に出演する。題して「セコムラガッツだよ、全員集合。」~ラグビーってこんなに面白い! ~ 西武新宿線新狭山駅の駅前通り、新狭山北口商店街にて(11:00~16:00予定)、ラグビーボールを使ったストラックアウトや、ガツンとコンタクト初体験、ガチンコ腕相撲などのアトラクションで、市民のみなさん、ラグビーファンのみなさんと交流を図る。セコムトレーナー陣のマッサージコーナーもあるのだとか。セコムラガッツ、ラグビー普及に一生懸命です。お時間のある方、ぜひ新狭山駅へ。


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山場を迎えるTL

火曜日は都内を仕事のミーティングなどでうろうろしていた。昼間、六本木から青山通りのあたりを歩きながら、ここ2か月くらいで次々に新しくできた店などに驚いてばかりいた。サイクル早いなぁ。

トップリーグ第5節を終えたところで、首位は唯一全勝の東芝ブレイブルーパス。勝ち点は「24」。これを「21」のサントリーサンゴリアスが追い、「20」のトヨタ自動車ヴェルブリッツ、NECグリーンロケッツが続く。得点だけを見ると、サントリーが220点と、ただ1チーム5試合で200点を超えており、得点力の高さを見せつけている。トライ数は東芝の「31」と同じだから、得点王争いを独走するライアン・ニコラスの正確なプレースキックも貢献度が高い。廣瀬の3年連続得点王達成を脅かす勢いだ。

調子を上げてきた6位の三洋電機ワイルドナイツは、第6節でサントリーと、第7節では、神戸製鋼コベルコスティーラーズと対戦。この2試合は、トップ4争いに重要な意味合いを持つ。7位のヤマハ発動機ジュビロも、トヨタ自動車、東芝との連戦。これもトップ4争いの今後を占う上で見逃せない。ここから2節がトップリーグ前半戦の山場だ。

土、日、月と、トップリーグばかり見ていたのだが、大学ラグビーも行われていて、早稲田、関東学院、同志社などが順当に勝ち進んでいる。関東学院のWTB中園選手は、中央大戦の前半に4トライ。関東学院は次々に決定力ある俊足WTBを生み出すなぁ。

第61回国民体育大会は、9日、成年男子、少年男子の決勝戦が行われ、成年では地元・兵庫が、少年は長崎を破った大阪が優勝している。8日の長崎かきどまりでの試合のときも話題になっていたのだが、長崎ラグビーの強さというのは特筆すべきものがある。少年だけでなく、成年もベスト4に進出。長崎出身のトップリーガーも多い。その強さについて、いつかじっくり取材してみたいと思う。


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TL5節、月曜の結果

Matsuyama2

月曜日は松山でNECグリーンロケッツ対コカ・コーラウエストレッドスパークス戦を見てきた。前日、長崎から博多へ移動し、朝、福岡空港より松山空港へ。松山市内を散歩していたら、NECの辻選手に出会った。その後、次々に両チームの関係者に出会う。どうやら、道を隔てた2つのホテルで対峙するように宿泊していたようだ。

Matsuyama1

松山も快晴。気温は前日の長崎よりも暑く感じた。愛媛県総合運動公園にて午後2時キックオフ。良く言えば、強豪国同士のテストマッチにも似た、タイトなしぶ~いゲーム。悪く言えば、決め手に欠けるもどかしいゲームだった。互いにディフェンスが堅く、NECのSOヤコ・ファンデルヴェストハイゼンとコカ・コーラのSO淵上宗志がロングキックで陣地を取り合う展開。メモをとりながらの僕のカウントだが、ラインアウトは全部で49回。この数字は最近のゲームではかなり多い。しかし、このキック合戦はなかなか見応えがあった。22mライン内からのロングタッチキックも多かったが、タッチラインぎりぎりに転がすコントロールされた技ありのキックも多く、南アフリカ代表のヤコ・ファンデルヴェストハイゼンと真っ向キックを蹴り合う淵上の非凡さは印象に残った。

コカ・コーラは、前半6分、キャプテンのNO8山口が膝を負傷して退場。ラインアウト・リーダーを失って以降、ラインアウトでのボール確保に苦しむ。それでも、ランビー、ニールソンの両CTBを軸にNECのBKにゲインを許さず、前半はNEC得意のモールからマーシュと横山にトライを奪われたものの、後半はそのモールも止めきり、失点を最小限に食い止めた。

「点を取るところはもっと勉強しなければいけないが、うちはディフェンスが特徴のチーム。それをやり切る気持ちの強さは見せられた」と、向井昭吾監督。悔しさをにじませながらも昨季の日本選手権で完敗した相手を後半0点に抑えたことには手応えを感じているようだった。コカ・コーラは次節、サニックスとの九州ダービーに臨む。

NECは、ディフェンス時にヤコをFBの位置に下げ、的確なポジショニングからのカウンターアタックと、ロングキックで何度も大きく陣地を挽回した。前半の2トライも、PKからの正確なタッチキックでゴール前のラインアウトを得たもの。ただ、後半トライが獲りきれなかったことについては、浅野キャプテンが「粘りが足りなかった」と反省していたようにどこか淡泊だった。

「チームとしては初めての愛媛での試合で、いいゲームを見せたかったが、堅いゲームになって残念です。ここまでの試合でトライをとられすぎていたので、ディフェンスを整備した成果は出ました。ただアタックは…」。高岩映善監督の言葉通り、NECの選手達にとってはフラストレーションのたまる試合だったろう。それでも負けないのだから、NECは地力がある。箕内は相変わらずの激しいタックルを連発。マーシュも反応よく相手のミスボールを奪っていた。ヤコのFBは上手い。相手キックに対する読みの良さにうならされた。

3日連続でトップリーグ5試合を生観戦。さすがにちょっと疲れたけど、各チームの今の空気を感じられて有意義だった。もっとも心を揺さぶられたのは長崎での神戸製鋼対トヨタ自動車戦。きのうも書いたとおり、いろんな意味で凄いゲームでした。

◆トップリーグ第5節結果(月曜日開催分)
NECグリーンロケッツ○12-3●コカ・コーラウエストレッドスパークス(前半12-3)

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TL5節、日曜の結果

Nagasakieki

日曜日の長崎は快晴だった。前日、秩父宮でのトップリーグ2試合を見たあと、羽田から長崎へ。「皿うどん」など食べつつ長崎の夜を過ごし、翌朝、かきどまり陸上競技場へ。長崎駅前から車で約20分、広大な長崎市総合運動公園の中にある競技場の外観は写真の通り。お客さんは2試合目で3400人の発表だが、もっと入っているように感じた。気温は体感で30度近い。日差しが強く、風も強かった。いま、博多に向かう「特急かもめ」の中でこれを書いている。最近、移動中はいつも日記書いてるなぁ(最初の写真は、特急に乗る前の長崎駅です)。

Kakidomari1

Kakidomari2

2試合ともに興味深いものだったのだが、めったに見られないシーンにも出くわした。第1試合の神戸製鋼とトヨタ自動車の試合である。前半は連続攻撃を仕掛けつつ反則やミスでトライがとれないトヨタに対し、神戸製鋼はCTB元木の2トライなど効率よく得点して24-10とリード。後半9分にもラインアウトのロングスローからLO小泉がトライして31-10と引き離す。しかし、トヨタは12分、CTB難波のトライで14点差とすると、決定力あるWTBセコベを投入。連続トライを決めて31-31の同点に追いついた。後半22分のセコベのトライはゴール左隅で、このコンバージョンをSO廣瀬が見事に決めての同点劇だった。

ここからはトヨタが圧倒的に攻め込む。32分、途中出場のWTB水野が抜け出し、トライかと思われたが、スローフォワードの判定。以降も、トヨタの攻勢が続き、防戦一方の神戸製鋼は次々にペナルティーを犯してしまう。当然、トヨタの選択は廣瀬のPGだ。ところが、ここから4本連続で廣瀬がPGを外すという、本人も「記憶にない」事態が発生。簡単な位置もあり、観客席がどよめくシーンが続いた。インジュリータイムも攻め続けたトヨタだが、試合終了間際に神戸製鋼がインターセプト。SH後藤が防御背後にパントをあげ、カウンターアタックを仕掛けたWTB水野に後藤が好タックル。ボールを奪い、最後はWTB小笠原が決勝トライをあげた。

廣瀬の不調あり、惜しいラストパスありで、トヨタには不運な面もあったが、少ないチャンスを確実にものにする神戸製鋼の集中力を賞賛したい。トヨタの攻めを読み切って好タックルを決めたベテランCTB元木の働きは見事。4トライ以上の勝利で勝ち点「5」を獲得したが、前節のサニックス戦の後半あたりから、神戸製鋼にスイッチが入った気がする。トップ4争いがますます面白くなってきた。一方のトヨタも、7点差以内の負けと、4トライ以上のボーナス点計「2」を確保し、敗戦のダメージを最小限にとどめた。もったいない反則もあり、課題は多いが「こんな日もあるさ」と割り切るしかないような試合だった気がする。廣瀬選手が過去に記憶のない事態が起きたのだから。

第2試合は、立ち上がり10分、2トライを奪うなどサニックスがアグレッシブに攻め続けた。「いまのトップリーグのレベルでは、下位チームでも圧倒的に攻めてくれば止めるのは難しい」(三洋電機・宮本監督)。この勢いを寸断したのは、三洋SOブラウンだった。正確で伸びのあるロングキックで何度も陣地を押し戻し、いつのまにかサニックスから勢いを奪ってしまった。前半こそ19-10と苦しんだが、後半に入って三洋の流れになると、今度はゲームを切らずに攻撃を継続。サニックスを防戦一方に追い込むなど、ほぼ完璧なゲームメイクを披露した。宮本監督は「もっとボールを動かしたかった」と話したが、ブラウンの勝ちゲームの作り方には感心していた。CTB霜村、山内もいいタックルを連発。チーム状態は上向きである。次週からサントリー、神戸製鋼との2連戦。前半戦の山場を迎える。

サニックスは前節の神戸製鋼戦より、パフォーマンスが落ちていた気がする。攻めてもミスが多く、無駄な反則もあり、大事なラインアウトでもミスがあった。終盤の攻撃も単調。このあたり修正して、次週のコカ・コーラウエストレッドスパークス戦に臨みたい。

◆トップリーグ第5節結果(日曜日開催分)
神戸製鋼コベルコスティーラーズ○38-31●トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半24-10)
福岡サニックスブルース●15-52○三洋電機ワイルドナイツ(前半10-19)


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TL5節、土曜の結果

土曜日は秩父宮ラグビー場にいた。きょうはポロシャツだけで十分の暖かさ。選手は暑かったかも。昨年から酷評されてきたグラウンドの状態は上々。サントリーの清宮監督があえて賞賛するほど、選手達にも走りやすかったようだ。冬芝が成長してきたのと、いつもよりいくぶん芝生が長めに刈ってあったことが、いい状態を作り出したようだ。

サントリーとセコムの試合は、予想通り互いに積極的に攻め合っていた。セコムの予定メンバーはSOアパヌイだったのだけど、肩を痛めたようで急きょSOは長井。アパヌイに代わって外国人枠で先発したのは、南アフリカからやってきたFBジェームズ・リチャーズ。再三、力強いカウンターアタックを見せてくれた。前半はセコムが何度もゴールラインに迫ったが「突破力が不足していた」というウェイン・ラヴHC(ヘッドコーチ)の言葉通り、判で押したようになかなかトライを決められない。逆にサントリーは、LO早野が50mの独走トライを決めるなど、セコムのミスを得点に結びつけ、次第に点差を広げた。後半は、サントリーの独壇場で、WTB小野澤、タラント、交代出場のCTB平らがやすやすとトライラインを駆け抜けた。

得点力の高さについて、サントリーの清宮監督は「キーになる選手がそれなりの動きをしている。きょうは、外国人BK2選手もよく機能しました」と語った。試合後、HOの青木選手(23歳)と、この日はメンバー入りしていなかったベテランPR長谷川選手(34歳)に話を聞く機会があったのだが、この2人、干支でいうとひとまわり違い。青木選手は長谷川選手からさまざまなアドバイスを受け、「サントリーに入って良かった」と言うほど刺激的な日々だとか。長谷川選手はまだまだ現役を続けそうだが、一緒にプレーしているうちにどんどんそのノウハウを吸収して、青木選手には大きく育ってもらいたいと思う。

第2試合は、日本IBMが前半大健闘。SH塩谷、NO8フィリピーネのトライなどで12-17と王者に食い下がった。「後半はもたなかった」と大西一平HC。LO侍バツベイや、交代出場のCTB仙波らに次々にトライを決められたが、最後はFB高キャプテンが4トライ目を奪って、4トライ以上のボーナス点「1」をゲット。「選手が自発的に的を射た練習をするようになっている。同じ負けでも実感があるのではないですか」と、大西HCらしい言葉でチームの成長を語った。

一方、薫田監督は大勝にも「フラストレーションがたまる試合」と、なかなかリズム良く攻めることができないチームに不満げ。力強いランニングを何度も見せたWTB廣瀬も「ゲームデザインができていないし、4トライを奪われる集中力のなさも出た」と厳しいコメントだった。ただし、それでも大勝できる強さは底力の証。このチームにどうやったら勝てるか、考え込んでしまうほど崩しにくいチームである。

◆トップリーグ第5節結果(10月7日 土曜日)
サントリーサンゴリアス○57-7●セコムラガッツ(前半19-0)
東芝ブレイブルーパス○55-25日本IBMビッグブルー(前半17-12)
リコーブラックラムズ●18-27クボタスピアーズ(前半8-10)
ヤマハ発動機ジュビロ○40-22●ワールド ファイティングブル(前半20-19)

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