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2006年12月10日 - 2006年12月16日

悲喜こもごも

金曜の夜は神戸のホテルに泊まった。土曜日の朝、花園ラグビー場に行ってトップリーグの2試合を観戦。神戸に戻ってラグマガ巻末インタビューの取材をした。きょうはずっと電車に乗っていた気がする。しかも、混んでた。神戸のルミナリエが開催されているためだ。そんなわけで、ただいま夜の10時過ぎ、やっとホテルの部屋で日記を書き始めたところだ。

きょうの花園も熱かった。きのうの東芝対神戸製鋼の試合もそうだったが、トップリーグは、トップ4争い、残留争いともに最終局面。選手達のモチベーションは俄然高まっている。それが観る者の心を揺さぶる。ワールドと日本IBMは、両者一歩も引かない攻防が続いた。前半終了時点で、5-5の同点。後半16分、ワールドはFWでしつこくタテ攻撃を仕掛け、最後はCTB中矢が中央にトライ。しかし、日本IBMも20分過ぎから相手ゴールライン前で5分ほど攻め続け、HO須田がトライ。12-12に追いつく。30分、ワールドFL田中のトライは、ラインアウトのサインプレーでHO本田が抜け出して繋ぎ続けたもの。19-12となったあとはスコアが動かなかったが、終了間際の日本IBMの波状攻撃をワールドが耐え抜き、今季初勝利を飾った。

ゲームキャプテンの本田は「素直に一勝できて嬉しい」と笑顔を見せ、「ヘッドコーチが交代することになり、次のコーチが決まるまで選手だけの期間があった。そこで危機感を持って一つになれたのは確か」とチームが一体になったことを強調していた。ワールドが勝ち点をあげたことで残留争いはますます混沌としてきたが、日本IBMもしぶとく7点差以内の負けに与えられるボーナス点「1」を獲得。これが最後に効いてくるのかもしれない。

第2試合のトヨタ自動車対クボタは、最終スコアだけを見るとトヨタの快勝だが、後半37分までは、31-27のトヨタ4点リードという拮抗した展開だった。クボタは、BKの要であるCTB吉田英之を大腿部の肉離れで欠いていたが、立ち上がりからNO8ケフ、SO伊藤、FBマクイナリを軸にボールを大きく動かし、FL岩上のトライと伊藤のPGで前半21分まで10-0とリードした。トヨタもSO廣瀬の絶妙のタイミングのパスで、LOケートがトライを返し、34分には、HO高山のトライで逆転したが、クボタもしぶとく食らいついた。チームメイトの頑張りに、吉田選手も試合後「感動しました」と語ったほど。後半30分あたりで、クボタがゴール前に攻め込んだのだが、ここでモールを押しきれず、BKに展開してミスが起きたところが勝敗の分岐点だった気がする。

最後は突き放したトヨタだが、後半9分に投入されたWTB遠藤のパワフルなランニングは圧巻だった。終了間際の2トライはいずれも遠藤が導き出したと言ってもいい。タックルを次々にはね飛ばす、ものすごい馬力だった。LOケート、FL中山、難波、赤沼の両CTBらが相変わらずよく働いていたのだが、FB正面のプレーにも驚かされた。前半は、キック処理でもたつくシーンもあったが、後半13分のトライは、ディフェンダー4人ほどに囲まれながら小刻みなステップであっという間に抜き去った。ただならぬ才能を見せつけたシーンだった。

「サントリーに敗れて、4位以内に残るためには負けられない試合だった。5ポイントとれて勝てたことを嬉しく思います」とトヨタ・朽木監督。一方、健闘しながらボーナス点すら獲れなかったクボタは4位以内が難しくなり、鈴木力キャプテンが記者会見のコメント中に絶句する場面も。キャプテンの重責を痛切に感じる姿だった。

◎トップリーグ第10節結果(16日分)
リコーブラックラムズ●7-36 ○ヤマハ発動機ジュビロ(前半0-12)
NECグリーンロケッツ●0-43○サントリーサンゴリアス(前半0-29)
ワールドファイティングブル○19-12●日本IBMビッグブルー(前半5-5)
トヨタヴェルブリッツ○45-27●クボタスピアーズ (前半14-13)

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神戸の結果と涙の理由

金曜夜は神戸にいた。3連覇に向けてひた走る東芝ブレイブルーパスと、「打倒・東芝」を掲げて今季のチームを作ってきた神戸製鋼コベルコスティーラーズの戦い。最後は、壮絶な試合になった。

立ち上がりから、神戸製鋼はFW陣が健闘し、ボールを大きく動かしながら東芝を攻め立てた。しかし、仕留めに入る局面でのパスミスなどを東芝に拾われて逆襲を許し、前半だけで4トライを奪われる。後半8分に東芝マクラウドにトライされた時点では、0-27という大差になった。それでも神戸製鋼はあきらめず、NO8クリブがトライを返すと、足が止まり始めた東芝を崩し始め、大畑大介のチャンスメイクから、WTB小笠原、FB八ツ橋がトライして東芝を追いつめた。一歩及ばなかったが、最後の頑張りは、6,000人を超える大観衆の胸を打った。HO松原は左手甲を、CTB大畑は肩の負傷をおしての強行出場だった。

「選手は東芝を攻めるターゲットをよく理解してやってくれた。勝ちきれなかったのは、東芝の強さ。しかし、昨年より差が縮まったと思う」と増保監督。ただ、ミスが多かったことは間違いなく、個々の弱さを感じたのも確かだった。
最終スコアは、27-21。改めて思うが、東芝は底力がある。神戸のミスを誘う分厚い防御と、一気に攻めに転じてトライを奪う決定力は王者にふさわしいものだった。

そして、東芝の記者会見。冨岡キャプテンの姿がない。薫田監督から説明があった。キャプテンは試合後、すぐに福岡の実家に戻ったという。ここで初めて事情が明かされた。今週の火曜日に、父・吉隆さん心筋梗塞のために亡くなっていたのである(享年57)。告別式などを身内だけで済ませたいという希望があったようで、報道もされていなかった。この試合は東芝の選手達にとっても特別な意味があったわけだ。全員が黒いリストバンドをつけ、キャプテンのために戦った。バイスキャプテンの廣瀬選手は「きょうは冨さんのための日だった。勝利で終えて良かった」と目を潤ませた。吉隆さんが倒れた日曜日、冨岡選手はすぐに帰郷したのだが、常々「キャプテンとしての仕事をまっとうしろ」と言っていた父の言葉に従ってチームに戻り、この試合に備えていた。

僕もこのことは知らなかった。いつもの試合前とはまったく違う鬼気迫る表情、そして試合後、グラウンドで号泣していたことが納得できた。福岡に向かう移動中に電話で報道陣にコメントしてくれたのだが、「平常心で試合に臨みました。チームをまとめるのが自分の仕事です。みんな頑張ってくれて、忘れられない試合になりました。父は、もっとも尊敬する人物でした」と話していた。

冨岡選手にお父さんのことは何度か聞いたことがある。ラグビー選手だったお父さんは、九州代表に選ばれたこともあるNO8で、冨岡選手にとっては福岡工業大学の先輩にあたる。冨岡選手が大学進学時に経済的なことを気遣って就職しようとした時も、「俺がなんとかするから、そんなこと心配するな」と言って大学に行かせてくれたそうだ。最後はそばにいたかったはずだが、キャプテンとしてチームを鼓舞した。試合終盤の苦しい時間帯に、冨岡選手はチームメイトに向かって自分の胸を叩いて叫んでいた。言葉は聞こえなかったけど、「ここだ! ハートの勝負だ!」と言っていたと思う。長男の立派な勝利を、お父さんも喜んでいるだろう。

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ライアン・ニコラス選手

Nikoras

14日は、サントリーサンゴリアスのクラブハウスで、ライアン・ニコラス選手のインタビューをした。ラグビーマガジン2月号(12月25日発売)に掲載されるもので、先日紹介した東芝の立川剛士選手インタビューと同じく、1月6日の府中ダービーに向けての企画である。意外にも、ラグマガがニコラス選手にインタビューするのは初めてなのだとか。

そっかぁ。というわけで、プロフィールから詳しく聞いた。NZ人だけどオーストラリアで生まれたんだ~、オタゴ大学に行ったからオタゴ州代表だったわけね、とか、何度もうなずいた。スーパー12のハイランダーズでは、トニー・ブラウン(現・三洋電機)らと同時期にプレー。ほんとうはキッカーをやりたかったらしいけど、ブラウンとか、日本のワールドでプレーしたウイリー・ウォーカーなど、スーパーキッカーがいたから蹴らしてもらえなかったのだとか。それでも練習を重ねて上達し、サントリーでは正確なプレースキックで今季の快進撃に貢献。9節を終えた時点で、個人得点ランキングで首位を走る。

来日2年目なので今のところ日本代表に選ばれる資格はないが、NZ代表には選出されていないため、日本で3年経過すれば代表入りは可能。本人も日本代表入りを目指している。現在27歳だから、2011年のW杯でも十分にプレーできるだろう。まあ、そんなことは先の話であり、今はトップリーグの終盤戦の試合に集中している。「NECと東芝のトップ2は、今年のターゲットですからね」と気合いを入れていた。

Daigo

こちらは、山下大悟キャプテン。昨季の膝の怪我から復帰が遅れているが、膝の怪我はかなり複雑だったようで、慎重なリハビリが続いている。ただ、足の筋肉はほぼ元通りに戻り、まもなく復活できそうな気配である。「ブログに登場してもらって、いいですか?」と写真を撮ったら、確認して、「もう一回行きましょう」と撮り直した。けっこう、ノリがいいのだ。ご協力、ありがとうございます。

さて、今週末はトップリーグ第10節と大学選手権1回戦がある。年末年始のラグビー三昧の日々が始まる。幸せです。

◆トップリーグ第10節スケジュール(JSPORTS放送予定)
◇12月15日(金)
19:00KO  神戸製鋼コベルコスティーラーズ対東芝ブレイブルーパス(神戸)=18:50~J sports 1  ※生中継
◇12月16日(土)
12:00KO リコーブラックラムズ対ヤマハ発動機ジュビロ(秩父宮)=11:50~J sports 1  ※生中継
14:00KO NECグリーンロケッツ対サントリーサンゴリアス(秩父宮)=13:50~J sports 1  ※生中継
12:00KO ワールドファイティングブル対日本IBMビッグブルー(花園)
14:00KO トヨタ自動車ヴェルブリッツ対クボタスピアーズ(花園)
◇12月17日(日)
13:00KO 三洋電機ワイルドナイツ対コカ・コーラウエストレッドスパークス(前橋)
13:00KO 福岡サニックスブルース対セコムラガッツ(大分)

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次はU19アジア大会

7人制日本代表は13日帰国。チームは解散となったが、佐野監督は19歳以下のアジア大会に参加する日本代表に合流する。第11回U19アジア大会は、12月16日(土)、台湾・高雄で開幕するのだが、今年から7人制の部も新設されたからだ。こちらは、アジア競技会とは違って、ラグビーだけのアジア大会である。ちなみに、15人制は昨年日本が優勝している。

メンバーはすでに発表されているが、高校3年生が主体で大学1年生が主要なポジションを固める。毎度のことながらU19アジア大会の開催時期はメンバー編成が難しい。どうしても、全国高校大会に出場する選手達に配慮した招集になってしまう。大学選手権だってあるわけだが、大学1年生で注目といえば法政大学の1年生SO文字である。パスもキックも非凡だし、身体も張れる好選手。リーグ戦で関東学院を破ったゲームでも活躍していたし、順調に伸びていけば日本代表を狙えると思う。大学選手権の1回戦は出場できないが武村監督は快く送り出した。2回戦にはギリギリ間に合う。

U19日本代表は、12月14日午後、成田空港から台湾へ。大会は16日、7人制の予選プールで開幕。17日=7人制のファイナル、18日=15人制の一回戦、20日=準決勝、22日=決勝戦ほか順位決定戦。大会方式は、参加国をディビジョン1とディビジョン2に分け、それぞれ優勝チームを決めるもの。昨年の大会結果のランキングは、次の通り。 1日本、2韓国、3中華台北、4タイ、5マレーシア、6スリランカ、7香港、8シンガポール。日本は1回戦でシンガポールと対戦。勝てば、タイ対マレーシアの勝者と対戦。最終的には韓国とやることになりそう。7人制のほうは、日本、韓国、中華台北、タイ、マレーシア、総当たり戦で順位を決め、その順位によりファイナルを行う。

最近の日本ラグビーの上昇気流に乗っかって、U19も優勝と行きたいところですね。

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佐野監督、おめでとう。

火曜日はアクセス件数が多かった。これも7人制日本代表の金メダル効果かな。逆転トライをした慶應の山田選手は、やはり何か持ってるなぁ。月曜日、大学選手権の記者会見で慶應の松永監督に話を聞いたのだけど、「山田選手は過去に松永さんが見てきた慶應の選手の中でどれくらいのレベルですか?」と質問したら、「ピカイチでしょう」とひと言。「若林とどちらが凄いかというのは難しいところですけど、何かをやってくれるという意味では一番じゃないですか」と高く評価していた。

まったく個人的な感想を書くと、金メダルのニュースを聞いて、佐野監督、良かったなぁって思った。佐野順監督は、現在三洋電機の宮本勝文監督らが活躍した頃の同志社大学のWTBだった。その後、ヤマハ発動機に入り、ヤマハのコーチを経て豪州留学するなどコーチングの道を歩み始めた。僕は彼のお父さんをよく知っている。佐野克郎さんという元日刊スポーツの記者で、ラグマガに「ハーフタイム」というコラムを持ち、健筆をふるっていた。僕がラグマガ編集部に入って一番最初に原稿取りに行ったのは佐野さんのところだったと記憶している。僕の入社当時はまだファックスすら珍しかった。原稿取りは、新米社員の大事な仕事だった。佐野さんには新橋でよくお酒を飲ましてもらった。息子さんが同志社でプレーしていることを嬉しそうに話されていたのを思い出す。あの順くんが立派になったなぁと、まるでオヤジの気持ちである。これからも頼みまっせ。

日本協会のブログ「ラグビバ」に佐野監督が書いている。「ドーハに入って9日目。一滴のアルコールも口にせず、ただひたすらに金メダルを目指した選手達。晴れ晴れとした気分で選手村に戻った時は、午後11時近くになっていました。(中略)表彰式では当然のことながら金メダルは選手のみに授与されましたが、メダルと共に受け取ったアジア大会のマスコット人形を、私達3名のスタッフにプレゼントしてくれました。よく見るとこの人形にも小さなゴールドのメダルが付いています…」。これだけで泣けるね。

嬉しいニュースといえば、12月8日、9日に南アフリカで行われたIRBセブンズの第2ラウンドで、平林泰三レフリーが、イングランド対ウエールズ、オーストラリア対スコットランド、イングランド対アルゼンチン戦の笛を吹き、翌日は初のカップ決勝を担当したとのこと。どんどん経験を積んで、世界のレフリングを日本のレフリーのみなさんに伝えてほしいなぁ。


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7人制ジャパン、金メダル

7人制日本代表、アジア競技大会で初優勝。金メダル獲得!
慶應の山田選手逆転トライ。情報はコチラから。

決勝  ○27-26● 7人制韓国代表(前半10-14)

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大学選手権記者会見

月曜日は、秩父宮ラグビー場の日本協会会議室にて、大学選手権の記者会見が行われた。会見の臨んだのは、早大・中竹監督、明大・藤田ヘッドコーチ、慶大・松永監督、法大・武村監督、東海大・木村監督、大体大・坂田監督、同大・中尾監督など錚々たる顔ぶれ。諸事情で監督が欠席のチームは、代行でコーチングスタッフの方などが出席し、トーナメント表の左端から順に所信表明が行われた。

はじめにコメントした中竹監督はこう話した。「監督になって初めて選手権を迎えるわけですが、記録のことは意識しません。というのも、きのうのジュニア選手権で関東学院にノートライで負けました。もう一度、原点に立ち返って、一戦一戦大切に戦いたいと思います」。そう謙虚に話したあとは1回戦の相手・関西学院大に触れ、素速く前に出るデフェンスをしてくることなどをあげ、侮れない相手だということを強調していた。

1回戦で慶大と戦う同大の中尾監督は「春には勝ったが、その時より慶応は強くなっている」と警戒。慶大の松永監督も「同志社は実力がある。次のことは考えずにまずは同志社戦を乗り越えることに集中したい。一昨年、長居で敗れたことを覚えている選手も多いので、学生達のモチベーションも高く、いい試合ができると思います」と好試合になると語った。

他大学もそれぞれ力強いコメントをしていたが、明大の藤田ヘッドコーチは、「伝統の『前へ』を1シーズンかけて取り組んできた。明日、リコーとのアタック&ディフェンスをして(1回戦の)メンバーを決めたい」と具体的。対戦する大東大のラトゥー監督は「重いFWとどう戦うか。FW勝負になる」と真っ向勝負を誓っていた。

今季の大学選手権は、例年以上に実力が接近しているように感じる。もちろん、早大と関東学大が2強であることは変わらないが、1回戦から目の離せないカードが多い。それに大学生は一戦一戦強くなる。一つでも多く、強くなれるチャンスをつかめるのはどのチームなのかな。

きょうは、第61回の東西学生対抗試合の候補選手も発表された。日本協会のHPなどでご確認ください。

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10日のTL結果

Kose

日曜日の朝、新宿駅から「スーパーあずさ」に乗って甲府に向かった。小瀬スポーツ公園陸上競技場に到着して、約1年ぶりにグラウンドに入ってみると、バックスタンドとゴールポスト裏のスタンドが増設されていた。ヴァンフォーレ甲府の影響みたいだ。地元テレビ局の解説者で、桂高校監督の梶原宏之さんと、元東芝の日原大介さんが来ていた。日川高校コンビである。この競技場、景色が素晴らしい。写真は、試合終了後30分ほど経過した頃。試合前は17度くらいあったのだが、日がかげってくると気温が下がり冷え込んだ。

この日の観客数は7,254人の発表。サントリーサンゴリアス対トヨタ自動車ヴェルブリッツという注目カードということもあるのだが、トヨタの朽木監督とサントリーの清宮監督が事前に甲府を訪れ、市長に挨拶したり、記者会見を開いたりと準備を整え、地元協会の人たちの努力もあっての観客数だった。みなさん、ご苦労さまです。

Onotti

試合直前、放送ブースにて。モニターにグラウンドに飛び出す前のサントリー小野澤選手が。

試合の1時間ほど前、サントリーの山下大悟キャプテンと言葉をかわした。膝の状態は復帰間近のようだ。「熱い試合がしたい」と言っていたが、それはおそらく積極的にボールを動かし続けて快勝したいということだったと思うが、試合はトヨタの激しくて巧みなディフェンスで白熱した。タックルされても個々の選手がしっかり前に出て連続攻撃をしかけたいサントリーだったが、一人一人がトヨタの強いタックルに一発で倒され、次々にターンオーバーされた。それでも前半は、FL元がトライ。7-3と4点リードで後半へ。

ハーフタイム、清宮監督は「ボールキャリアがチャレンジしろ」と指示したが、後半は防戦一方。トヨタの波状攻撃を懸命のタックルでしのぐ時間が続いた。後半36分には、トヨタSO廣瀬のPGで10-6と迫られたが、逆転狙いで自陣から展開したトヨタのパスが乱れる。このボールをWTB小野澤が拾ってインゴールまで走りきり、勝利を決定づけた。ただ、トヨタも終了間際にWTB久住がブラインドサイドからライン参加し、最後は途中出場のWTB遠藤につないでトライ。7点差以内の負けに与えられるボーナス点「1」は確保した。

「正直、もう少しできると思っていた。トヨタのディフェンスに勢いがあり、それを打破する術をサントリーはまだ持っていないな、と思いました」。強気の清宮監督も、チームが未成熟であること認めざるを得なかった。ただし最後には「相手がいいプレーをすると、自分たちの足りないところが分かるし、コーチングのしがいがある」と、苦戦を前向きに捉えていた。

それにしても、トヨタのディフェンスは素晴らしかった。「今季はサントリー戦を最大のターゲットにしてきました。乗り越えられなかったけど、チームの力になる10か月を過ごすことができた。ある程度プラン通りにできたし、足りなかったところが今は見あたらない。点数が上回れなかっただけです。次の試合に向けて準備したい」(朽木監督)。その言葉通り、サントリーのスクラム、モールを真正面から食い止め、堅実なタックルとラックへのファイトで自由な攻撃を許さなかった。SO廣瀬はじめ、みんな素晴らしかったが、特にCTB難波、FL中山、LOケートが光っていた。ケート、相変わらずいい仕事するなぁ。でも、ターンオーバーからの攻めには課題が残った気がする。

NECグリーンロケッツは、ヤマハ発動機ジュビロに勝利。これで、来週のサントリー対NEC戦が、より楽しみになってきた。トップリーグは9節を終えて、東芝ブレイブルーパスが勝ち点「41」で首位。「40」のサントリーが2位につけている。そして、3位のトヨタ以下は大混戦。7位の三洋電機ワイルドナイツまで、5点差以内にひしめいている。

トップリーグ第9節結果(12月10日分)
NECグリーンロケッツ○36-34●ヤマハ発動機ジュビロ(前半17-17)
トヨタ自動車ヴェルブリッツ●13-17○サントリーサンゴリアス(前半3-7)

以下は、大学選手権1回戦の放送予定。注目の同志社対慶応も録画ですが緊急放送決定です。

全国大学選手権大会 1回戦放送予定
・12月17日(日)
11:50~日体大vs. 関東学大 J sports 1【LIVE】
13:50~早大 vs.関西学院大 J sports 1【LIVE】
11:50~京産大 vs. 帝京大 J sports 2【LIVE】
13:50~大体大 vs. 流経大 J sports 2【LIVE】

25:30~ 同志社大 vs.  慶大 J sports 1【録画】

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9日(土曜日)のTL結果

呉服屋のボンから直々のコメント、おおきに。ボンの元チームメイト、土曜日の秩父宮でよう頑張ってはりました。雨が降ってやりにくそうで、コカ・コーラはんの粘り強い攻守に苦しんではりましたけど、最後は4トライとって、ボーナス点「1」もゲット。「勝ち点5を獲れて、いい形で東芝戦を迎えられます。選手はよく我慢しました。去年のチームだったら、この試合展開では4トライ獲れなかったでしょう。ミスは修正しなければいけませんが、力はつけていると思います」。そう言うて、増保さんも評価してはりました。東京生活が長なって、中途半端な京都弁ですんません。

というわけで、土曜日の昼間は秩父宮ラグビー場にいた。冷たい雨が降りしきっていた。第一試合では、キックで陣地を取り合うタイトな展開になったが、リコーがセコムをノートライに抑えて勝利。雨とはいえ、互いにミスが多く自らチャンスを逸するシーンが続出していた。前半26分、セコムがリコー陣22mラインまで攻め込んだところでミスし、これを奪ったリコーがWTBホールの独走と、WTB齋藤へのつなぎでトライ。これがリコーの勝利を決定づけた。

第2試合は、神戸製鋼とコカ・コーラの対戦。WTB大畑、HO松原、SH後藤を負傷で欠く神戸製鋼だったが、前半10分、FWでしつこく攻めてFL高森がトライ。15分には、モールにコカ・コーラの防御が集中したところで、右ショートサイドを巧みにつき、WTB瓜生がトライ。終始リードを保って逃げ切った。勝敗を分けたのは、後半20分前後の攻防である。19分、コカ・コーラはFBジョーンズがライン参加で抜け出し、防御を引きつけてパスするも、次の選手がノックオン。チャンスを逸した直後、今度は神戸製鋼がコカ・コーラの攻撃を好ディフェンスでターンオーバーし、神戸製鋼ボールのスクラムからNO8クリブが抜けだし、ボールはWTB小笠原へ。このトライで21-13とした神戸製鋼が最後にダメ押しトライを奪って勝利した。

「トライを獲れるところまで(ディフェンスを)崩しているのに、獲れなかった。ラックもテンポ良くボールが出なかった。ここを修正したい」(向井昭吾監督)

秩父宮でワールドが今季初の勝ち点「2」を獲得したことを知った。ここからだ。残り試合、頑張って。

試合後、JR山手線「大崎」駅に移動して、大学選手権のプレイベント「全国大学ラグビートークバトル2006」にコーディネーターとして出演。300名を超えるお客さんを前に、昨年のベスト4チームの指揮官がバトルを繰り広げた。出演は、早大・中竹竜二監督、関東学大・春口廣監督、同志社大・中尾晃監督、法政大・武村秀夫監督。内容は、日本協会のHPでも紹介されるが、中竹監督が最年少ながら大健闘。各チームの得失点差のデータを出した時、僕が「去年までだと、清宮監督に、こんな数字は意味がない、なんて言われましたね~」と話すと、中竹監督が「この数字は非常に意味があります」と切り返すなど、清宮前監督との違いを強調して会場を笑わせていた。春口監督は相変わらずのおとぼけトークで会場を和ませ、武村監督は、ご住職らしく、説得力ある話で雰囲気を引き締めていた。中尾監督は関西3位とあってやや元気がなかったが、大学選手権に向けて着々と準備を進めているようだ。

◎トップリーグ第9節結果(9日分)
セコムラガッツ ●3-15○ リコーブラックラムズ(前半3-15)
コカ・コーラウエストレッドスパークス ●16-28○ 神戸製鋼コベルコスティーラーズ(前半0-14)
クボタスピアーズ ○28-24 ●ワールド ファイティングブル(前半21-12)
東芝ブレイブルーパス ○50-14● 福岡サニックスブルース(前半33-7)
三洋電機ワイルドナイツ ○73-10● 日本IBMビッグブルー(前半24-3)

10日は、NECグリーンロケッツ対ヤマハ発動機ジュビロ(柏の葉 13:00)、トヨタ自動車ヴェルブリッツ対サントリーサンゴリアス(小瀬陸、13:30)が行われます。両試合ともJSPORTSで放送あり。僕は山梨に行って解説です。有賀選手、日本代表でワールドカップアジア予選を突破して、故郷に凱旋ですな。

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