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2007年6月10日 - 2007年6月16日

サモア戦結果

Stadium

土曜日の朝、仙台は快晴だった。仙台駅からスタジアム最寄りの駅に向かう地下鉄のなかで、23番ジャージーを着たサポーターの方に会った。いつも秩父宮のバックスタンドで応援している人だ。以前にお会いしたこともあり、仙台まで来てくれていて嬉しかった。快晴のユアテックスタジアム仙台に、観衆は、7,905人。もともと同日に行われるはずだった東北高校大会を一日ずらして、地元高校生にこの試合を見せる配慮をした宮城県ラグビー協会に敬意を表したい。

試合のほうは、前半から緊迫感ある攻防が続いた。日本代表は、勢いづくと手のつけられないサモアの選手達を背走させるキックを軸に、カーワンHCが「賢く戦いたい」と言っていた狙い通り、サモア陣内で戦う時間を多くすることに成功した。ディフェンス面でも、過去3試合で何度か簡単に破られたラインディフェンスを修正し、中央突破を許さず、辛抱してタックルを続けた。そして、機を見てワイドにボールを展開してチャンスも作った。ただし、概ねプラン通りに運びながら、トライまでは持って行けなかった。もう一つ早いタイミングでボールが出れば、もう少しパスが前に投げられていたら、などなど惜しいシーンが何度もありながら、前半は、SO安藤のPGのみに終わる。

後半に入っても、サモアの激しいコンタクトを受けつつ、高い集中力は持続した。だが、後半29分、PKからの速攻で、サモアWTBロメ・ファアタウにトライを決められる。ほんの一瞬の隙をつかれたのだが、タックルされながらのCTBマプスアのパス、ファアタウが走り込む絶妙のタイミングともに見事なトライだった。この失点より、前半の好機を生かせなかったこと、PG狙いより、タッチキックでゴール前のラインアウトを得た方が良かったのではないか、という場面が数度あったことが悔やまれる。ただし、主力を数名休ませていたサモアとはいえ、世界ランキング10位前後の相手に真っ向勝負し、勝利を目指せる逞しさが日本代表に出てきたのは確か。ベースに確たるものができてきたからこそ課題は明確になる。次は、防御の崩し方、勝機をつかむ攻撃選択のところをさらに突き詰めたい。

「チームを誇りに思います。ディフェンスの押し上げ、ラインアウトも良かった。内容的に、引き分けか日本が勝ってもおかしくなかったと思います」と、カーワンHCは選手を賞賛した。勝てなかったことで表情は厳しかったが、「小さなミスが勝敗を分けるのがテストマッチ。まだまだ日本が伸びる余地はたくさん残されています」と前を向いた。前半38分に膝を痛めて退場した箕内キャプテンの症状の詳細は明かではないが、きょうに関しては、キャプテンが退場した後も、選手が声を出し合って冷静に試合を進めた。

サモアのマイケル・ジョーンズHCは、「我々にこれほどまでにプレッシャーをかけるチームは少ない。ジャパン・デーと呼んだほうがいいくらい、ジャパンが成長を見せた試合だったのではないでしょうか」と、日本を賞賛。実際に試合後は日本代表選手に歩み寄り、円陣でねぎらいと賞賛の言葉を述べていた。

試合後、ラグビー取材が少ない記者の人と話したのだが、「関係者の方が、ほんとうに落ち込んだ顔をされていて、そんなにガッカリすることなのかと思いました」という趣旨の言葉があった。世界ランキングからすれば格上の相手に僅差で負けたのだから、そう落ち込む問題ではないのかもしれないが、それが大事なのだと思う。いったん悔しがらないと次に向かうエネルギーはわいてこないし、サモアに本気で勝ちに行っているから、チーム関係者の顔は悔しさでいっぱいだったのだから。5月20日にフィジー入りしてから、選手、スタッフは一日も家に帰らず、トレーニングと試合に明け暮れている。疲労もあるはずだが、きょうの悔しさをバネにジュニア・オールブラックスに果敢に挑んでほしいと思う。日本代表は明日、次週に向けてのトレーニングのため、福島のJヴィレッジに向かう。

追記◎この試合のマッチレポートを、次号のラグビーマガジンに書きます。そこでもう少し詳しく僕なりの考え方を書きたいと思います。

◆試合結果(6月16日)
パシフィックネーションズカップ
日本代表●3-13○サモア代表(前半3-0)

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サモア戦前日

仙台に前日入りし、サモア代表と日本代表の練習を取材した。ユアテックスタジアム仙台に来るのは2回目だが、駅からも近く、施設も充実している。いいスタジアムだ。朝の新幹線で、長らく封印していた好物のカツサンドを食べてしまった。なんの疑問もなく買って、一口入れたときに気づいて、カツを落としそうになった。あ~、やってもうたである。夏までに痩せるため、何かひとつくらい制限しようと、友人にカツ断ちを誓ったのに…。

午前10時からはサモアの練習。雨がちらつくフィールドで軽くコンビネーションが確認されていた。ヘッドコーチのマイケル・ジョーンズさんも注目選手にあげていた、WTBアレサナ・ツイランギ(愛称・アレックス)の身体のゴツさはインパクトがある。185㎝、113㎏、筋肉のつき方が見事だ。イングランドの王者レスタータイガースの中心選手である。弟のアニテリア(愛称・アンディ)もCTBで出場する。

Leo

マイケル・ジョーンズHCは「ジョン・カーワンHCは、短い期間で非常にいい仕事をしていると思うし、結果も出している」と、日本の戦いぶりを高く評価し、トンガ戦に勝ったゲームを見て日本の力を警戒しているようだった。キャプテンは、FLレオ・ラファイアリ(写真)。かつては、三洋電機に所属し、現在は横河電機に所属している。「日本は強くなっているし、個人的にも尊敬する選手が多い。我々は、サモアの15人でつなぐラグビーを見せたい」と語った。

Sendais

午後は晴れ間がのぞいたユアテックスタジアムで日本代表が練習。軽い調整だったが、「勝利に飢えています。勝ちたい」という箕内拓郎キャプテン(写真)の言葉通り、選手の表情は集中していた。「サモアはフィジカル的に激しいイメージですが、トンガよりも組織化されているし、ボールを持たせると怖い選手がいるので要注意です。プレッシャーをかけ続けたい」。ここまでパシフィックネーションズカップ3試合を経ての課題は?と問うと、「試合の中での修正能力です」と箕内キャプテン。

Miuchi_1

カーワンHCも、「明日のポイントは、賢く戦うこと」と語り、試合中の駆け引きに負けないように求めていた。久しぶりの日本でのテストマッチであることを問われると、「非常に重要な試合です。選手にはすべてを出し切ってほしい。死んでも力を出し切るという気持ちが大切です。そんな気持ちが見ている皆さんに伝わるような試合がしたい」と、力を込めた。

試合は、16日(土曜日)、午後2時キックオフ。観戦可能の方はぜひユアテックスタジアム仙台へ。勝利に飢えた日本代表の戦いを見届けてください。

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日本対サモア戦予定メンバー

木曜日の夕方である。雨が落ちてきた。ある知人の一家は雨が降るとみんなで窓の外を眺めるのだという。雨にもいろんな表情があるということな。そんな感性を持っていたいものだ。

土曜日のパシフィックネーションズカップ(PNC)の日本代表対サモア代表戦出場予定メンバーが発表になった。PNC3試合を経て、日本は現状のベストメンバーでの必勝態勢である。サモアは、LOレヴィ、NO8シティティ、WTBファアタウら先週の南アフリカ戦のメンバーをリザーブに置くなど少し休ませているようだ。それでも多くはイングランドのプレミアシップでプレーする選手達で強力メンバーであることには変わりない。

◎日本代表予定メンバー
1西浦達吉、2松原裕司、3相馬朋和、4大野均、5ルーク・トンプソン、6ハレ・マキリ、7 グレン・マーシュ、8 箕内拓郎(主将)、9吉田朋生、10安藤栄次、11遠藤幸佑、12大西将太郎、13今村雄太、14クリスチャン・ロアマヌ、15ブライス・ロビンス、16山本貢、17山村亮、18熊谷皇紀、19渡邉泰憲、20矢富勇毅、21平浩二、22有賀剛

◎サモア代表予定メンバー
1ジャスティン・ヴァア、2ムリウフィ・サラノア、3センサス・ジョンストン、4ダニエル・レオ、5ジョー・テコリ、6レオ・ラファイアリ(主将)、7ジャスティン・パーディー、8アルフィ・トーアラ、9ジュニア・ポル、10エルビス・セベアリ、11アレサナ・ツイランギ、12セイララ・マプスア、13アネテリア・ツイランギ、14デヴィッド・レミ、15ロキ・クライトン、16タマト・レウポル、17ドナルド・カスレイク、18フィリポ・レヴィ、19セモ・シティティ、20スティーブン・ソーイアロ、21ジョッシュ・カイル、22ロメ・ファアタウ

サモアのヘッドコーチは、日本のジョン・カーワンHCとともにオールブラックスで活躍した伝説的FLマイケル・ジョーンズ氏。1987年のW杯優勝メンバーでもある。この2人が指導者として対決するというのは、オールドファンには感慨深いものがあるだろう。

追記◎クラシック・オールブラックス来日試合で負傷した日本代表のジェームズ・アレジ選手が退院。怪我の経過など、月曜日に大阪で記者会見する。

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20年前のラグビー

9月7日に開幕するワールドカップに向かう日本代表の壮行試合は、8月10日、午後7時30分キックオフ(秩父宮ラグビー場)。対するのはアジアバーバリアンズ(アジア諸国の選手で編成)。チケットは、6月24日から全国発売されるとのこと。今回は、メインの中央席以外は、すべて自由席になるようだ。アジアバーバリアンズのメンバーはまだ決まっていないようだが、普通に考えれば、香港と韓国の選手が軸になる。できれば、日本人選手達も入れてほしい気がする。アジアの代表をみんなで送り出す日だから、日本のチームで活躍する外国人選手が入ってもいいんじゃないかな。そんなことを考えていたら、デイリースポーツで、神戸製鋼の新外国人選手ジョシュ・ブラッキー初練習の記事が。彼など壮行試合に出てくれると嬉しいけど。

きょうは朝からデスクワークの日だったが、オーストラリアに行っている間に録画していた映像をついチラチラ見てしまった。まずは、オールブラックス対フランスのテストマッチ。オールブラックスが大勝したわけだが、とにかくFW戦でプレッシャーをかけないかぎり、今のオールブラックスの攻撃力は手がつけられない。ロコゾコ、シヴィバトゥの決定力は言うに及ばず、FBマクドナルドも好調だ。アリ・ウィリアムスがアゴを骨折する場面もあったけど、しばらくはプレーしようと動いているところが凄まじい。

そのあと、JSPORTSの特別企画である「ラグビーワールドカップ名勝負24選」のフランス対フィジー戦(1987年大会)を見る。20年前のオークランドのイーデンパークが懐かしい。お客さんも満員ではないけど、フィジーの選手がボールを持つと身を乗り出すような雰囲気が伝わってくる。これ、めちゃくちゃ面白い試合として僕も印象深いのだが、フィジーの選手の自由奔放さは、ほんとに楽しい。ボールをもらいたくて仕方ないからサポートに行っている感じ。システマティックになった現代ラグビーを見慣れた身には、懐かしいラグビーの味わいである。SHは、日本の7人制ラグビーに多大な影響を与えたパウロ・ナワルさん。上手い! SOコロデュアデュアのパスも見事。CTBカマ、いい選手だなぁ。

試合前、フランス代表が小さく固まって国歌を聴いているシーンが新鮮だった。そうだ、あの頃、整列していなかった。ラインアウトは、ジャンパーを持ち上げないから、ごちゃごちゃしていてどっちにボールが行くが分からない。レフリーのクライブ・ノーリングさんの腹も思いっきり出ている。そうだった。それが印象的だったんだ。フランスの両CTBはメネルとセラ。メネルは、僕が見てきたラグビー選手の中で最高の男前。あかん、仕事が手につかなくなっている。いや、これも仕事か。20年前のラグビー、いいね。これから、他のワールドカップの試合もいろいろ放送がある。僕もいくつか解説するけど、楽しみだ。

視聴可能の方は、ぜひご覧ください。いい試合をセレクトしてあるので、けっこう楽しめますよ。

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サモア戦まであと4日

火曜日は仕事で都内で動いていた。それにしても、タウンズビルやコフスハーバーが懐かしくなるくらい東京は暑い。きょうは特別かな。日本代表は仙台で土曜日の試合に備えているが、サモアは明日の練習を、当初の午前、午後の2回から、午前だけに変更した。

6月16日の日本代表対サモア代表(14:00キックオフ)が行われるユアテックスタジアム仙台では、当日、さまざまなイベントが行われる。ハーフタイムには、在日サモア人会のみなさんによる、サモアのダンスも披露されるとか。また、試合前、12:30~13:30の予定で日本代表選手によるサイン会も行われる。メイン回廊南側(予定)。

先週、オールブラックスはフランスに大勝したが、LOアリ・ウイリアムスがアゴを骨折。キース・ロビンソンもふくらはぎの怪我。その前に膝を痛めたジェームズ・ライアン、ジェイソン・イートンもワールドカップ(W杯)は絶望で、ここにきてLO陣が崩壊状態である。NZの友人からも現状を憂うメールが着たけれど、オールブラックスのスタッフは、ジュニア・オールブラックスから、ロス・フィリポとグレッグ・ローリンソンを引き上げ、トライネイションズに臨むことになる。ウィリアムスとロビンソンについてはW杯には間に合いそうだ。しかし、トライネイションズでは、破壊力抜群の南アフリカと戦わなければならず、これ以上負傷者が出なければいいのだが。日本代表も怪我には泣かされているが、どんなに身体を鍛えて注意しても、運が悪ければ負傷者は出てしまう。それがラグビーだといえばそれまでなのだが、4年に一度の世界大会を目前に、選手の無事を祈るばかりだ。

昨日、韓国ラグビーに詳しい見明からメールが着ていた(うわ~、読み直したら呼び捨てにしてますね。すみません、「さん」が抜けてました。ごめんなさい。見明さん)。6月9、10日に日本各地で韓国人選手が出場したラグビー・オープン戦があったことを伝えてくれている。 

<6月9日>
ワールド49-21リコー=ワールドSH李明根(イ・ミョングン)、三洋28-42クボタ=三洋PR金光模(キム・グァンモ)、明治大対専修大A=明大SO呉基烈(オ・キリョル、2年、東京朝鮮高)、明治大対専修大B=明大CTB金喆華(キム・チョルファ、2年、大阪朝鮮高)
<6月10日>
ホンダ40-33トヨタ=ホンダSH梁永勲(ヤン・ヨンフン)、ヤマハ24-21早稲田大=ヤマハWTB徐吉嶺(ソ・キリョン、朝鮮大)

以下のような記事があったことも見明さんが教えてくれた。
<東亜日報記事の抜粋>
「不人気ラグビー、夢を育てる! シム・チョル大心通商社長」
 10数年間ラグビーをプレーしたが、所属チーム(大学卒業後や尚武・サンム=韓国軍体育部隊で兵役終了後)を求めることができなくて迷う選手たちにシム・チョル大心通商社長は希望をつなぐ ‘飛び石’だった。
 シム・チョル大心通商社長(43) 。彼は 2005年から社会人チームに入団することができなかったラグビー選手たちを主力にチームを作り大会に出場している。
 ラグビーをあきらめる危機に面した有望な若者たちの ‘第2の跳躍’のために仮橋の役目をしているのだ。
 ラグビーは国内では代表的な不人気種目。新生チーム創立は何年間ない。既存 3チーム(三星SDI、韓国電力、浦項鋼板・ポハン)も親会社の経営事情が厳しくてチームの解体を悩むほどだ。
 学生時代、ラグビーマニアになった社長は、こんな劣悪な状況で少しでも選手たちに役に立つために 2005年から有望選手 3人を後援し始めた。宿舎を提供して練習する機会を与えた。その噂を聞いて尋ねて来た選手が 10人となり 2006年には 30人にのぼった。それ以来、7人制と 15人制の大会に出場している。
 シム社長は「来る選手は拒まない。出て行くのは止めない。他のチームや海外チームで進出するためにしばらくとどまる場の役目をするのが目的だ」と話した。
 2007年現在、テシム選手は主将イム・デフンを含み24人。4人が韓国代表だ。この中 で10人は正社員として毎日午前 6時から午後 6時まで 12時間仕事をして、夜間に練習している。残り 14人は最低賃金を受けて練習している。1年間の予算は約 7億ウォン(約5800万円)。
 このような努力の結果、10人余りが国内外で新しいプレーする場所を得た。特にSH梁永勲(ヤン・ヨンフン、ホンダ)とSH李明根(イ・ミョングン、ワールド) の2人は日本に進出した。 李は2002 釜山アジア競技大会ラグビー 7人制と 15人制で韓国が 2冠王を占めた当時の主役。香港のチームを経て 2005年に帰国したが受け入れる所属チームが無く、その年末にテシムで練習する機会をつかんだ。その後、技術を磨き三星SDIを経て今年4月日本に進出した。
 一方、シム社長は再挑戦をあきらめたラグビー選手たちには、営業能力と対人関係を育てることができる学校に行かせて社会進出準備をさせた後、新しい働き口を用意するなどラグビー選手たちの後援者の役目をしている。

10月から始まるトップリーグでは、各チームにアジア選手枠が「1」できるので、韓国選手の活躍はさらに増える。アジアのラグビーの発展を引っ張るのも日本の役目だと思う。

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7人制日本代表健闘

 月曜日の早朝、東京に戻った。タウンズビルより暑い。先週の出発日に修理に出したプリンターが、きょう、絶妙のタイミングで戻ってきて、「仕事しろ」と言われているようである。今回の旅は短かったこともあって深緑郎さんとの笑える話は特筆すべきものはなかった。5月に行ったときは、カンタス航空のビデオライブラリーに、ワラビーズの特集があって、1996年以降のワラビーズのスーパープレーを楽しんだのだが、6月に入って編成が変わっていたので帰りは残念ながら見られず。ベン・チューンや、ティム・ホランの全盛時のスピードは改めて驚かされたし、もう一度見たかったんだけどなぁ。

 さて、7人制日本代表については、ナイロビの美土路昭一さんからのレポートでご紹介してきたが、サファリセブンズ最終日のレポートも届いたので紹介しておきたい。7人制日本代表は健闘し、カップトーナメントの準決勝まで進出。ケニアの人々の心をつかんだようだ。美土路さん、連日、ありがとうございました。

《各プール上位2チームによるカップトーナメントに出場した日本は、初戦の準々決勝で南アフリカのムプマランガ州チームを逆転で下して4強入りしましたが、準決勝で南アのエマージング・スプリングボクスに敗れて決勝進出はなりませんでした。決勝では、エマージング・ボクスが準決勝で地元ケニアを破ったジンバブエに快勝して2連覇を達成しました。
 ムプマランガは予選プールでケニア代表のBチーム「シュジャー」を破って1位通過してきたチーム。日本は前半に2トライを連取されましたが、相手陣深くでしぶとく防御を続けるとロコツイ・シュウペリ選手のビッグタックルでボールを奪い、横山健一選手が走り抜けて追い上げます。後半開始直後、中盤で大きく左オープンに回し、再び横山健一選手がスピードとステップで一気に走りきって同点トライ。吉田大樹選手のゴールが決まって逆転しました。さらに正面健司選手がトライを追加して突き放しました。
 エマージング・ボクス戦は前半開始直後に鮮やかなクロスで先制トライを奪われ、この試合も追いかける展開。日本は4分にロコツイ・シュウペリ選手がパワフルな突進でトライ(吉田大樹選手ゴール)を挙げて一度は同点に追いつきました。しかし、相手のプレッシャーで攻撃のリズムをつかめない日本は防御も甘くなり、反撃もここまで。7-26で敗れました。
 初参加のサファリセブンズでの戦いぶりについて、佐野監督は「若い選手とベテランがうまくかみ合い、選手は確実に1試合1試合階段を上って行った。手応えを感じた大会。武者修行にもってこいで、選手を成長させてくれた」と話していました。
 この2日間で、日本はケニア代表に次ぐ人気チームになりました。準決勝のメンバー紹介では、アナウンサーが選手の名前を1人呼ぶ度に観客がそれに応えるという、ケニア代表と同じ特別扱い。準決勝を終わるとすぐにトーナメント・ディレクターが佐野監督のところに来て「来年も招待するから、絶対来てくれ」と言ったそうです。「選手のプレーが観客の心をつかんだのだと思う。国際交流という面からも、我々が来たことは大きな意義がある」と佐野監督は振り返っていました。
 最後に、サファリセブンズは南アがIRBセブンズを戦う7人制ボクスのバックアップメンバー(エマージング・ボクス)の修行の舞台に選ぶだけに競技レベルももちろん高いのですが、同時に雰囲気も非常に楽しい大会でした。やたら明るい地元の観客はケニア代表に熱狂的な応援を送る一方、他国チームにも温かい声援を欠かしません。さらに、ピッチの横の2面分以上の広さのある敷地にフードコートや売店、ステージなどが設営され、競技終了後はコンサートも。会場は朝から夕方までラグビーを楽しむ雰囲気で満ちていました。ケニアはサファリセブンズを12年かけてこれだけの大会に育ててきました。そして今、7人制のケニア代表は世界の舞台で活躍しています》

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ナイロビと北京より

Hill2

日曜日の朝も快晴です。日本代表は仙台で行われるサモア戦(16日)に向け、タウンズビルを後にした。僕もまもなく出発である。サモアは、敵地で南アフリカに敗れたものの、スコアは、8-35。フィジーがオーストラリアに0-49、フランスがNZに10-61で完敗した中で、サモアの健闘が光る。そのチームが仙台にやってくるのだから、心してかからねばならない。日本代表に関して言えば、3戦連続の先発がWTB遠藤、FBロビンスのみというメンバー編成でも、オーストラリアAに対して局面局面では戦えている部分が多く、どの選手を出しても遜色ないポジションも出てきた。チーム全体の底上げは進んでいると感じた。パシフィックネーションズカップは、あと2試合。ホームでさらなる進歩の実感できる試合を見せてもらいたい。

さて、ナイロビと北京からメールが届いたので紹介します。

まずは、ナイロビにいる美土路さんから、サファリセブンズ第1日のレポートが送られてきた。夕方から雨になり、最後の日本-ケニア戦では雷も鳴る悪天候に。美土路さんもびしょぬれになってしまったみたいだ。レポート、ありがとうございます。

《7人制日本代表が初参加しているサファリセブンズは9日に予選プールが行われ、日本は2勝1敗でプールC2位となり、10日の最終日はカップトーナメントに出場することになりました。
 初戦の相手はモロッコ。前半は動きが固く1トライにとどまりましたが、後半は4トライを奪って31-0で快勝しました。続くザンビア戦はタックルが高くて再三相手に突破を許し、前半を12-21とリードされる苦戦。しかし、後半は頼れる主将の山本英児選手が意地の2トライを挙げて24-21と逆転勝ちしました。
 この大会がセブンズの国際試合デビューとなる横山兄弟は、モロッコ戦で健一選手が日本チームの大会初トライを含む3トライ、伸一選手も1トライと2人で日本の5トライ中4トライを量産しました。
 プールCの最終戦は地元のケニアが相手。極東の地からはるばるやってきた初参加チームに好意と好奇心から暖かい声援を送ってきた観客も、この試合ばかりは別。競技場全体を敵に回した中で、日本チームが地元ファンを驚かせました。前半1分、佐藤貴志選手がいきなり先制トライ。その後、連続トライで逆転を許しましたが、後半3分、横山健一選手が自分のチップキックを拾ってトライ。吉田大樹選手のゴールも決まって、12-12の同点に追いつきます。日本は低いタックルでケニアのミスを誘い、IRBセブンズのレギュラーチームを最後まで苦しめましたが、終了直前に勝ち越しトライを許し、さらに逆転を狙ったサイレン後の1プレーでインターセプトからだめ押しのトライを奪われ、結局、12-22で敗れました。
 山本主将は「みんな気持ちが入っていた。下へ入るタックルをしようと言って、それができた。次につながる」、佐野監督は「悔しいの一言。選手は完全アウエーの中で力を出してくれた。終わった後の悔しがり方から、明日もやってくれると思う」と話していました。10日のカップトーナメント準々決勝ではケニアのBチーム「シュジャー」と対戦します(※情報が二転三転しましたが、結局準々決勝の相手は南アのムプマランガでした)》

 続いて北京から、平林泰三レフリーのメッセージ。

《9日、午後4時キックオフで、中国対マレーシア戦の笛を吹きました。結果は、52-23で中国の快勝。でも内容は、後半20分くらいにマレーシアが追いつき始めて、ボールがワイドにどんどん展開するスーパー14のような試合でした(本当に)。ペナルティ数も、トータルで「16」とアジアのテストレベルではかなり少ない試合になりました。また、スクラムリセットもゼロ! 僕のレフリー人生でこのレベルでのリセットゼロは初めてでした。
 実は、この試合、中国ラグビーが1997年にIRB(国際ラグビーボード)から認められて10周年の記念試合で、政府関係者も観戦しに来られて、中国ラグビーにとっては歴史的意味のある試合となりました。この機会にレフリーを担当できて光栄でした。
 パシフィックネーションズカップとは、競技レベルは違いますが、オーストラリアで僕が笛を吹いた2試合と比べると、選手たちが純粋にラグビーをエンジョイしており、ノーサイド後の互いの健闘の称え方は、こちらの気持ちすら洗い流してくれるもので、ラグビーらしい在り方だと感じました。プロフェッショナルとして、常にアンダープレッシャーな環境で活動していると、忘れてはいけないこと気づく余裕がなくなってしまうので、ラグビーの原点に立ち戻る事は、とても大事だとつくづく感じました。明日の午後、帰路につきます》

 平林さん、メッセージ、ありがとうございました。

 タウンズビルでも、こちらに留学してプレーしている日本人選手に会った。いろんな場所で頑張っている人たちの話を聞くと元気になってくる。山ほど仕事がたまっている日本に帰る勇気が出てきた。明日も頑張るぞ~(汗)。  

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オーストラリアA戦結果

Pnc

太陽が沈み、2003年W杯時より明るくなったナイター照明が、デイリーファーマーズスタジアムの芝生を輝かせていた。「夜は冷え込む」と言われていたが、カーディガンを羽織っていれば大丈夫な程度だった。観客は、4,745人。前日に地元の人が予想していた通りの数字である。まずまずといったところだろう。

午後6時のキックオフ。立ち上がりは日本代表が健闘する。好タックルを連発し、FL佐々木が相手ボールに絡んでペナルティを誘うなど、オーストラリアAの攻撃を寸断し、CTBクロスに先制トライを奪われたが、SO小野のPGで追撃。12分には(※時間はすべて僕のストップウォッチでのもの)、小野が抜け出しWTB遠藤が大きくゲインしてゴールラインに迫る。しかし、マイボールラインアウトが確保できず、トライには至らず。18分、FBに入ったブライス・ロビンスが相手キックをチャージ。「ボールを拾ったら前に誰もいなかった」と40mを走りきってダイビングトライ。10-7と逆転する。オーストラリアAのスーパーキッカーWTBシフコフスキーに同点PGを決められたが、25分までは拮抗した試合展開だった。しかし、27分にラインアウトからCTBクロスの突破を簡単に許すと、30分に、FBヒューアットの個人技で防御を破られ、36分には、SOバーンズがタックルされながら背中越しにパスし、CTBペレササが抜け出し、最後はSHホームズがトライ。この3連続トライで勝敗は決した。いずれも、SOとインサイドCTB周辺を抜かれており、カバーディフェンスが難しい位置ばかりだった。

オーストラリアAは、対応能力の高さを発揮し、ゲーム途中からワイドな展開で日本の防御の弱点をついてきた。後半立ち上がりにもトライを追加。日本も粘り強いディフェンスで辛抱したが、残り10分でまたしても突き放された。日本は、プラン通りボールをできるだけ保持して攻撃を試みたが、「ボールを回そうとしても、いつも相手が2枚ほど余っている状況だった」と、途中出場のFB有賀も語っていた通り、手詰まり状態で逆にボールを奪われて失点する悪い流れに陥った。両チームの実力差を考えれば、ある程度の失点は予想されたとはいえ、一次攻撃で簡単に突破されることが多く、粘っている時間がもったいなく感じるトライばかりだった。

いつもは前向きなコメントで始めることが多いカーワンHCも、さすがに表情は厳しかった。「結果は非常に残念です。最初の20分間は、我々がやろうとしていることが充分に出来た。しかし、セットピースのディフェンスでミスがあった。このレベルで犯してはいけないミスです。W杯には2チームで臨む構想を持っています。若手選手がこのレベルで戦うことに慣れる必要がありました。どこまでやれるか見えた試合でもあります。我々がやろうとしていることを勇気を持ってやっていかなくてはいけない。勇気を持てなければW杯の成功もありません」

戦後の日本代表で最年少キャプテンを務めた佐々木隆道も険しい表情だった。
「今日の試合の良かった点は、前に出てしっかりタックルして仕留めたプレーがいくつかあったことです。でも、前で止めてもターンオーバーまではできないし、悪い内容だったと思います。最後まで集中力が切れなかったのが唯一の収穫でしょう。オーストラリアA代表は、パススピードの速さとランニングコースの深さが我々と違っていました。トライの獲られ方がすごく悪かったし、大事なところでミスも多かった。リードされてからは、キックマネージメントを使える状況ではなくなりました。勝つためにチャレンジして攻めたからこそ、この点差になってしまったと思います。スコアを整えるより、チャレンジしたことは良かったのですが、結果がついてきませんでした。今の力が足りないということでしょう」

数名の選手に話を聞いたが、「何もさせてもらえなかった」という言葉が多かった。FL木曽は、ラインアウトについて、「オーストラリアAは、試合中に修正してきて、やりにくかった」と、対応能力の高さを語っている。実際に間近で試合を見ていて、オーストラリアAの強さは印象的だった。タックルも堅実で重い。グラウンドを全体に見ても、ディフェンスの穴はまったく見つからなかった。LOキャンベルがほとんど一人で日本のモールを食い止めているのには驚かされた。カーワンHCの言うとおり、2チームでW杯に臨むためには必要な経験だったし、試練の場ということなのだろう。このオーストラリアAはW杯で対戦するカナダやフィジーより強いと思われるが、実力差はあまりに大きく、W杯での勝利の難しさを再認識させられる試合内容だった。会場で発表されたマン・オブ・ザ・マッチは、オーストラリアA代表FLポーコック。

カーワンHCは、「日本での2試合は経験豊富な選手を軸に臨む」と言っていた。まずは仙台でのサモア代表戦でいい結果を残したい。

◆PNC結果
オーストラリアA代表○71-10●日本代表(前半36-10)

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