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サモア戦結果

パシフィックネーションズカップ(PNC)最終節の日本代表対サモア代表戦。必勝態勢で臨んだ日本代表は序盤に2トライを奪われたものの最後まで粘り強く戦い、残り数分までは31-32で食らいついた。だが、決勝トライを奪われ、最後の反撃も届かずに6点差で敗れた。味方同士の交錯で箕内キャプテンが右目を痛めて前半30分の時点で退場したのだが、片方の目を氷で冷やしながら戦況を見つめるキャプテンの表情が、この試合にかけた思いの強さを表していた気がする。

立ち上がりから前に出るディフェンスでサモアにプレッシャーをかけた日本だが、前半4分、サモアSOサポルの深い位置からのランニングで防御を破られ、FLシティティにトライを奪われると、直後に日本が攻め込んでミスしたボールをサモアに拾われ、連続トライを許す。サモアの選手達は手堅いキック戦法は使わず、ボールを持ってどんどん走り込んで試合の流れをつかんでいった。14点のリードを奪われても、そのまま崩れないのは現在の日本代表の成長だろう。安定したラインアウトから、モールを押し込んでトライを返すと、SOアレジのPGで追加点。前半終了間際には、CTBニコラスのオフロードパスをFBロビンスがインゴールに持ち込み、17-17に追いついて前半を終える。

後半5分、再三力強い突進を見せていたサモアPRテアにトライを奪われ、17-22。14分には、オフロードパスをつながれ、CTBトゥイランギにインゴールに飛び込まれて、17-29。ここから日本代表も反撃し、ゴール前のPKでスクラムを選択。24分、アレジのパスを受けたWTB小野澤が鋭角的なステップでタックラーをかわして、ゴール中央へ。小野澤、相変わらずの絶好調である。その後、サモアFBウィリアムスにPGを加えられたが、後半36分、モールからFL菊谷がトライ。アレジが難しいゴールも決めて31-32と1点差に迫った。終了間際にWTBロアマヌが右コーナーぎりぎりに飛び込むチャンスがあったが実らなかった。

ジョン・カーワンHCのコメント=「最初の20分の2トライ、相手に思うようにやらせてしまった部分、後半の最初のエンジンのかかりが遅かった部分、そこがきょうの試合の明暗を分けた。非常に残念な結果でしたが、我々はPNCの国々と競ったゲームができるようになりました。強化の方向性は間違っていないことが確信できたし、選手達は確実な成長を遂げてくれました。後は、厳しい状況での判断を誤らないこと。そういう細かい部分を成長させなければなりません。このチームはまだまだ若いチームで、これからもっとレベルアップしていける」

箕内拓郎キャプテンのコメント=「最初の20分の2トライが最後まで響いてしまった。それでもチーム一丸となって、最後まで勇気を持って戦ってくれた。確実に強くなっていることを実感できたトーナメントでした。本当にあと少しの差、この差を埋めるために、これらかも国内のリーグを頑張っていきたい」

相馬朋和選手のコメント=「非常に暑くて、タフなゲームでした。結果は残念でしたが、着実にPNCのチームと近づいていると思います。5試合すべてのゲームがほんの少しの部分が勝負の分かれ目になっている。どのチームとも対等に戦えたことは我々の力がついてきたということ。来年は全勝できるように頑張る」

アウェイで格上のサモアを倒すという千載一遇のチャンスだっただけに残念。相手は世界ランク上位であり、アウェイなのだから惜敗は不思議な結果ではないのだが、結局、昨年のPNCと同じ1勝に終わり、目標を達成できなかったことは選手達にとっても悔しいことだろう。着実に力は上がっているが結果が出ない。今は産みの苦しみなのか。日本人、外国人ということは抜きに、トップリーグで代表資格を持つ精鋭を揃えての日本代表強化だが、長い目で見て日本人選手の育成も熟慮しなければいけないことを痛感するPNCの結果だった。

◎PNC最終節結果
日本代表●31-37○サモア代表(前半17-17)

◎早稲田大学対フランス大学選抜結果
早稲田大学●0-27○フランス大学選抜 (前半0-20)

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    コメント

    アレジに疑問。キックは飛ばない、ディフェンスはしない、受身に回ると極端に消極的になる。100%復調していないことを承知の上で、使い続けたJK以下現幹部のセレクション方針に納得がいかない。協会としてはJK任せにして「確実に強くなっている」というだけではなく、選手ひとりひとり、プレーひとつひとつを徹底的に分析した上でJK体制の評価を厳しく行い米国戦、来年以降に備えて欲しい。

    投稿: にし | 2008年7月 9日 10:52

    ・・・日本人プレイヤーが実力不足で代表に選出されないと考えればそれでいいと思います・・・スポーツで上手い人間を排除しなければならない理由は無い(サッカーとか野球とか。日本は壁があるが)。
    また、TLでいい動きを見せたプレイヤーが必ず世界に通用するとも限らない。
    JKとしてはこれから若いプレイヤーを選んで、緩やかに世代交代をさせていくんだと思う。一年間は新ルール(これも問題だか・・・)なので多くのプレイヤーもS−14を参考にして可能性を見せればいい。

    投稿: あの人 | 2008年7月 7日 23:21

    外国人だということがどうしてそれほど問題なのでしょうか?
    「国」ではなく「地域」のラグビー選手の代表という捉え方(英国とか)をフツーにしていれば、何年も日本という地域でラグビーをして、きちんと条件をクリアしている選手に対してまったく抵抗はわきませんが。
    また、このテーマをチームの勝敗や強い弱いの議論に持ち込むのも意味のないことに思います。

    投稿: pen | 2008年7月 7日 21:52

    早稲田がフランス大学選抜に完敗。イエロー2枚にレッドカードまでもらったようです。しかもキャプテンが。
    今季の早稲田には規律が欠けているのでしょうかね。

    投稿: マスター | 2008年7月 7日 17:38

    PNC3勝の目標達成できなかった
    総括をすべきでしょうね。
    それもできるだけ早急に。

    今年のセレクションで、「いい試合
    だった」では言い訳はできません

    太田GMのコメントも聞きたいの
    ですが、ブログが閉鎖状態なのが
    一番の問題なのかもangry

    投稿: 瑞穂 | 2008年7月 7日 16:22

    ラグビー人気復活のため、まずは結果を出すということも大事でしょうが、今の代表編成は、一般の人にどのように受け入れられるのでしょうか。また、若い世代のラグビープレイヤーはどのように見ているのでしょうか。熱心なファンは、それでも何とか応援していくと思いますが、私は、釈然としない気持ちがくすぶっています。カーワン体制の後に何が残せるのか、不安も大きいです。

    投稿: さるぞう | 2008年7月 7日 15:32

    試合、残念でした。

    ローズプレステージさんのいうようにプロ化を進めるのもラグビーに専念できていいでしょうが、
    働きながらラグビーをする、日本特有の企業ラグビーの文化も残してほしい気がします。
    複雑です。

    また、日本代表での外国人選手たちの活躍もそうですが、日本代表にはなれないグレーガンたち大物外国人の移籍・・・
    チームや日本ラグビー界にいい影響も与えると思いますが、「日本人」の若い力がトップリーグ内で活躍する場を奪われるような気もして・・・
    これまた複雑です。

    投稿: ぱぴこ | 2008年7月 7日 09:19

    客観的に見て、SOアレジのプレーに疑問を覚えてならない。現在の日本代表は攻撃に重点を置いているのかディフェンス面の粗さが目立つ。皆さんは覚えているでしょうか?昨年の対サモア戦のスコア 3対13。 取れなかったけど取られなかった。世界で戦うには何が重要かを考えてみませんか・・

    投稿: みづき | 2008年7月 7日 09:08

    あれぐらいの試合をヤマトオノコだけで戦えるようになったら凄い事なんでしょうが、このようなセレクションで戦う以上勝たない事には....
    鹿鳴館時代が長く続くのはあまり歓迎したくありません

    投稿: ナベゾ | 2008年7月 7日 05:51

    残念でしたね。後一歩というところが踏み出せないのは致し方ないところか。もう少し時間がかかりますね。勝ち癖をつけるには経験しかない。外国人ばかりだといわれても彼らの日の丸背負った気合の入った表情見ると応援したくなります。来年が楽しみですね。

    投稿: 深緑郎を探せ! | 2008年7月 7日 05:02

    フィジー、サモア、トンガと互角の勝負が出来るようになったことは評価出来る。しかし、結果は昨年と同じトンガに勝っただけで1勝4敗に終わったことが果たしてJKの2011年迄の続投に繋がるのかと云うと疑問が残る。戦術や選手起用にもっと柔軟性を持たないと勝てる試合も勝てなくなる。あと、もう一つは一刻も早くTLの完全プロ化を実現させること。日曜日に早大が対戦したフランス大学選抜チームも殆んどがプロ選手というのだから、完全に世界におけるラグビー選手のプロ化に乗り遅れている。サントリーにグレーガンが来たくらいで騒がれているようでは、日本のラグビーの前途は険しい。

    投稿: ローズプレステージ | 2008年7月 6日 23:56

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    » 勝ててた試合だったのに・・・!ラグビー日本代表サモアに敗れる!! [IXY-nob]
    前半終了間際のトライ(ゴール)で同点に追いついた。 よくジャパンが相手にやれれるパターン。つまり、今日の相手サモアにとっては、非常にいやな失点だったはずだ。 にもかかわらず、後半開始直後のジャパンはタックルが高く、簡単にトライを許した。 確かに敵はホームゲームであり、格下の日本には絶対に負けられないという強い決意で臨んでおり、見ていても必死さが伝わってきた。 対するジャパンは課題だったラインアウトをほぼ修正し、空中戦は制していた。 そして、その安定したラインアウトを生かして、2本のトライを挙げた。 ... [続きを読む]

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    受信: 2008年7月 8日 18:59

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