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近鉄対ヤマハ結果・追記

23日は花園ラグビー場だった。カミナリで順延となったトップリーグ第3節、近鉄ライナーズ対ヤマハ発動機ジュビロ戦をJsportsで解説するためだ。朝、東京から新幹線で大阪に向かい、キックオフ2時間前の午後1時くらいに会場入りしたのだが、大阪は2日前とは打って変わって快晴。東花園の駅から10分ほど歩いただけで汗が出るほど暑かった。上着は不要だった。

ヤマハは、日曜、月曜と大阪のホテルに延泊し、22日は花園ラグビー場の練習グラウンドで調整練習をしたようだ。昨日、花園の第2グラウンドは芝の種をまいていたため。このあたりは花園がホームの近鉄の選手達に比べてハンディかと思ったが、連敗スタートとあって、この日ばかりは負けられないという気迫がみなぎっていた。

トップリーグ発足年の開幕節から連続出場記録を更新し続けていた大西将太郎選手は、前節のアキレス腱損傷で全治6週間という診断。この日はスタンドからトップリーグ初観戦となり、記録は61試合で途切れた。ただし、トップリーグ発足以来の連続出場は大西選手しかおらず、この記録は抜かれることはない。

午後3時キックオフ。前半6分、近鉄がSO重光のPGで先制も、直後の8分、ヤマハは、敵陣22mのラインアウトからCTBサウが抜けだし、すぐに7-3と逆転する。その3分後にも、ヤマハは、NO8木曽の突進をサポートしたWTB五郎丸が連敗の精神的プレッシャーから解放されるような連続トライで突き放しにかかる。その後も、プレースキック好調の五郎丸が2本のPGを決め、20-3として試合の主導権を握った。

前半は、ヤマハが蹴りこんだボールの処理ミスや、地域挽回のタッチキックが短いなど、近鉄にミスが続き、ヤマハはいい位置でセットプレーを得て好機を得点に結びつけていた。また、ブレイクダウン(ボール争奪局面)でも、しっかりまとまって相手を押し込む場面が多く、結束力もヤマハが上回っていた。

近鉄も前半24分、SO重光が好ステップで防御ラインを突破して追撃のトライを上げるが、直後のキックオフで近鉄がキャッチミス。このあとのスクラムから、CTBマッコイドがパスを受ける前に外側に伸びる好走で抜け出してトライ。30-10とする。完全にヤマハペースかと思われたが、後半は、近鉄が猛反撃。自陣からも簡単にタッチに出さず、ハイパントにプレッシャーをかけてヤマハのミスを誘うなど、チャンスを作ってはボールをつないだ。その連続攻撃は試合後ヤマハの堀川監督が、「うちが目指すボールを動かすラグビーを相手にやられてしまった」とコメントしたほど。攻めにかかった近鉄はミス無くゴール前までボールをつなぎ、HO重枝らのトライで、後半13分、ついに27-30の3点差に迫った。

点の取り合いは最後まで続き、ノーサイド寸前は、43-37のヤマハ6点リードで白熱の攻防となった。最後はヤマハが守りきったが、観客を大いに沸かせる壮絶な試合だった。ヤマハはようやく今季初白星で、勝ち点5を獲得。近鉄も破れはしたが、4トライ以上と、7点差以内の負けのボーナス点2を獲得した。五郎丸は、1トライ、4ゴール、5PGの28得点をあげ、プレースキックは100%の成功率だった。

近鉄のピーター・スローンヘッドコーチは、「前半簡単に14点取られてしまったが、選手達はあきらめなかった。いろんな国でコーチをしてきたが、トンプソンのような素晴らしいリーダーシップは見たことがない。負けたことは残念だが勝ち点2を獲得できたことは、嬉しく思っています」と選手達の健闘に手応えをつかんだ様子だった。

キャプテンのルーク・トンプソンも、「きょうはトップリーグのレベルの試合ができたと思う。集中力が切れて簡単にトライされた時間帯もあったが、よく立て直してくれた」と一定の評価をしていた。

近鉄は4季ぶりのトップリーグ昇格だが、上位陣を脅かす地力のあるところを見せた。ただし、自陣での単純なミスや反則もあり、雑なところも多い。このあたりは接戦を経験するごとにプレーの正確性を高めたいところだ。外国人選手のSOが大活躍する中、SO重光も健闘も光る。パスワークも落ち着いているし、プレースキックも正確で、自らもトライできるタイプ。3節を終えた得点王争いでは、48点で3位につけている。今後も期待できそうだ。

ヤマハの堀川監督は嬉しい勝利ではあるものの表情は厳しかった。「前半はゲームプラン通りでしたが、後半はミスで流れを悪くしました。きょうの反省を生かして、休止期間あけの試合に臨みたいと思います」。相手を突き放すまで得点を畳みかけられないところや、簡単に破られた防御など課題は多い。それでも、この勝利は大きい。まだ2敗である。ここから巻き返す時間は十分にある。

◎トップリーグ第3節結果(23日)
近鉄ライナーズ●37-43○ヤマハ発動機ジュビロ(前半13-30)

トップリーグは、7人制日本代表ワールドカップ・アジア地区最終予選のため、2週間の休止となる。再開は、10月10日(金)の第4節「NECグリーンロケッツ対クボタスピアーズ」(19時30分、秩父宮)より。こちらも注目試合である。

追記◎この試合の終盤、近鉄の攻撃時に、SO重光選手がヤマハの選手の足につまずいて倒れるシーンがあった。足をひっかける行為はケガにつながりやすく、重い反則である。明らかに故意の場合はレッドカードが出ることもある。ここでは、アシスタントレフリーのフラッグインでペナルティとなった。背番号が確認されていなかったのだが、試合後、足をかけたのが五郎丸選手と映像で確認された。トップリーグ表彰懲罰委員会は検証審議を行い、前節にも足をかける行為で厳重注意を受けていた五郎丸選手への処分を決定した。6週間の試合出場停止(9月24日~11月4日)である。相手に抜かれそうになって思わず足が出た行為とはいえ、危険な行為には違いない。五郎丸選手はこの試合でマンオブザマッチに選出されたが、この賞も取り消され、この試合のマンオブザマッチは該当者なしとなった。

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    コメント

     小気味いいヤマハと近鉄の真っ向勝負本当に楽しみにしていました。が、五郎丸のあのプレーでラグビーの緊張感がぶち壊しになったと感じたのは私だけでしょうか。
     小競り合いから相手を殴ることはままあることですが、それよりも普通にプレーしている選手に足をだすという行為のほうがずっと悪質だと思います。そんな悪質な行為を前の試合で行ったことに対する処分が警告であったことがそもそも甘すぎると思います。
     またあの場面アシスタントのフラッグインでペナルティをとっただけでその場で誰と特定(しようとも)せず、試合続行したということは、ヤマハにとっても納得できないはず。それをレフリーに確認もしないところをみればヤマハもわかっていたのでしょう。黙っていればという姿勢ですね。 レフリーの向上も望みたいです。
     処分が降りて丸1日後にHPにお詫び文を載せていましたが、あのプレーを受けた側は怪我もし、またあのプレーがなければ近鉄のトライとなっていたかもしれないのに、わびで済む話かなあと思ってしまいます。
     ちなみに小学生の息子は五郎丸のプレーが見たくて観戦しましたが、もう応援しないと言っています。
     

    投稿: なべ | 2008年9月30日 18:21

    五郎丸選手はああいったプレーをするレベルから早く抜けだし、正々堂々としたハードタックルで相手を仰向けに倒す姿を示してほしい。
    本人はどれほど反省しているのだろうか?
    コメントをぜひ聞いてみたい。

    投稿: ATSU | 2008年9月26日 11:48

    五郎丸選手のラフプレーに対するトップリーグ、日本協会の処分決定を支持します。

    ラグビーにおけるラフプレーが、スポーツマン精神に反し、ラグビーの根源的な規律を著しく毀損するものであることを、今後とも一貫性を持って示し続けるべきでしょう。

    投稿: マスター | 2008年9月25日 10:20

    村上さん、こんばんわ。
    五郎丸選手を次の試合で先発させたことでヤマハには自浄意識はないのかと思っていましたので、トップリーグの処分には素直に納得します。本当はトップリーグが先週出すべき処分だったと思いますが。
    五郎丸選手の才能は素直に認めますが、彼のラフプレイは大学時代から気になっていました。しっかり反省して、復帰後はいいプレイをしてもらいたいです。
    村上さんは前回も今回もスルー!!?と思っていました。とりあえずラグビーを嫌いにならずにすみました。
    ところで、近鉄には期待させられます。残念でしたが後半はわくわくしました。

    投稿: 北ふくろう | 2008年9月25日 00:18

    仕事のためテレビ観戦もできませんでしたが、スコアを聞いてワクワク、村上さんのレポートを読んでドキドキしています。特に近鉄ファンではありませんが、ノーガードな感じがいいですね。録画が楽しみです。

    投稿: ヨカロウモン | 2008年9月24日 20:29

    “夢の超特急”とまではいかないけど、アーバンライナーたる手応えは感じますね
    一先ず停車したけれど、時節以降も電車道の横綱ラグビーを期待します
    ライナーズ,ネクスト!

    投稿: ナベゾ | 2008年9月24日 05:16

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    » 勝ててた試合!とはいえ勝点2は貴重!!いいぞ近鉄ライナーズ!!! [IXY-nob]
    試合開始から一度もリードを取れなかった。 相手の攻撃にあっさりと失点した。 ここぞというときに得点できなかった。 だから、負けた。 でも、勝点「2」。 確かに非常に悔しい。 ポゼッションやボールキープでは圧倒していた。 ラインブレイクの回数も勝っていた。 自陣で悔しいペナルティーはあったが追い詰められてはいなかった。 今日の試合をどう評価すればいいのか? トップリーグの試合に慣れて、「勝ち方」を理解できるようになれれば、今日は勝っていた。 つまり、勝ち方をまだ覚えていないだけなのだろう。 自軍の得点... [続きを読む]

    受信: 2008年9月24日 20:14

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