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ノーサイド

先日、コメントでノーサイドについてのご質問があった。現在、発売されているラグビーマガジンのなかで、ジョナ・ロムー氏、エディ・ジョーンズ氏、サントリーサンゴリアスのジョージ・グレーガン選手、清宮克幸監督が座談会をしている。その中で、清宮監督以外が、日本でよく言われる「ノーサイド精神」について知らなかった件で、日本でしか使わない言葉なのか? というご質問である。

僕がラグビーマガジンの編集長をしていた頃、この言葉について「ラグビーフットボール大事典」という欄で紹介したことがあるのだが、イングランドのパブリックスクールでの生活を描いた「トム・ブラウンの学校生活」の訳で、「ノーサイド」=「勝負なし」、「試合終わり」と訳された例が書かれている。試合の終わりを意味するノーサイドという言葉は、確かに使われている時代があった。ラグビー博士の小林深緑郎さんは、1970年代のイギリスの新聞記事で「ノーサイド」の記述を憶えているという。ただし、今はほとんど使われていない。試合終了は「フルタイム」が一般的である。

ノーサイドという言葉を日本では拡大解釈したということなのだが、試合が終わったあとに両者が交歓する文化は世界のラグビー共通のものだ。僕はこの精神を守ってきた日本ラグビーの先人達には敬意を表する。今となっては、世界に向けて日本がこの言葉を積極的に発信してもいいのではないかとさえ思うほどだ。ただし、海外のラグビー関係者に、「僕はノーサイドの精神が大好きです」と言っても通じないので、ご注意を。

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    「日記」カテゴリの記事




    コメント

    「ラグビーフットボール大事典」

    単行本にして欲しかったんですがねぇ。
    秋山陽一さんのサイトで読めたのだが、消滅してしまい残念です。

    投稿: ノックオンはなぜ反則か? | 2009年10月 9日 00:16

    ノーサイド精神はラグビーファンになって最初に教えてもらった心でした。
    日本の拡大解釈から育った子たちが桜の心として自慢できることだと思います。

    投稿: イチロー | 2008年12月 2日 16:31

    no-sideをオーストラリアの辞書で調べたところ、「イギリスのラグビー用語」として "the end of the period of play" との説明がありました。試合終了というより、前後半それぞれの終わりを意味するようです。
    「イギリスのラグビー用語」ということなので、おそらく南半球では使われず、一方イギリスの用語を直輸入した日本では広くなじまれているのではないでしょうか。「スタンド・オフ」もイギリスで使われている用語で、世界的に用語を統一した際に「フライ・ハーフ」が採用された記憶があります(オーストラリアではファイブ・エイス、NZではファースト・ファイブ・エイスがよく使われています)。

    投稿: Hiro | 2008年12月 2日 12:26

    どうもありがとうございました。
    本国で使われていた言葉が日本に根付き拡大解釈されていたなんて、村上さんがおっしゃる通り日本ラグビーの先人達に感謝したいですね。
    知らず知らずに自分もその精神をおぼろげながら受け継いでいるのだと思うと感動を覚えます。ゾクッときた。
    ぜひ日本から世界へ発信したいですね。

    投稿: 群馬の愛好者 | 2008年12月 2日 09:23

    村上さん、日本発信の世界共通語にしましょう。GGもエディも言葉は知らなかったけどスピリッツはすぐに理解し、共感していました。
    公式採用も良いですが、GGはじめ日本にいる外国人選手が話題にしたら口コミでもすぐに浸透しそう・・・・・

    投稿: ヨカロウモン | 2008年12月 2日 06:30

    まったりとした日曜の午後、ニッポン放送が時折「フルタイムコレクション」なる企画で間を持たせていることがありクスッとします
    「ユーミン・フルタイムコレクション」はちょっとどうっかなあ?と思ったり

    投稿: ナベゾ | 2008年12月 2日 05:13

    トンガ・カナダなら確実に2勝を取れるように!!

    それにしても一度でいいからスプリングボクスとテストマッチしたい・・・。

    投稿: タロ | 2008年12月 2日 02:38

    最初にスコットランドが来日した時に、試合後、ジャージを交換し両チームの選手が輪になって手を交差して繋いで「蛍の光」が流れていました。父に「何してるの?」と尋ねたら「ラグビーは試合が終わったら敵味方関係なくなって仲間になるんだよ。蛍の光を歌って、さようなら。また、どこかで会おうって約束してるんだよ」と教わり、子供心にも、いいなぁ、と思いました。こうゆう光景も見られなくなり、世の流れとはいえ寂しいです。いつ頃からしなくなったのかなぁ?今思えば、相手も蛍の光の故郷でした!

    投稿: 佐々木 | 2008年12月 2日 01:06

    最初にスコットランドが来日した時に、試合後、ジャージを交換し両チームの選手が輪になって手を交差して繋いで「蛍の光」が流れていました。父に「何してるの?」と尋ねたら「ラグビーは試合が終わったら敵味方関係なくなって仲間になるんだよ。蛍の光を歌って、さようなら。また、どこかで会おうって約束%E

    投稿: 佐々木 | 2008年12月 2日 01:05

    ワールドカップ組み合わせ速報です。
    ジャパンは「アジア1位」として考えると、プールAでなんとオールブラックス・フランス・トンガ・アメリカ1位(おそらくカナダでしょう)と同組です。
    1995年以来のオールブラックスとのテストマッチです。これは相当強化しないとまずいですね。

    投稿: 神戸製鋼ファン | 2008年12月 2日 00:15

    「ノーサイド」という言葉は、最初ユーミンの曲で知りました。秩父宮に通うようになってから、「ノーサイド」の意味を知りました。
    海外では使われない言葉だと知ったのはつい最近です。
    「ノーサイド」には日本的な精神を感じます。西洋人が憧れる武士道の精神かもしれません。
    私もこの言葉は大切にしたいと思います。

    SO(スタンドオフ)も海外ではFH(フライハーフ)と言うそうですね。オーストラリア人から教わりました。

    投稿: 別冊☆村上 | 2008年12月 1日 23:52

    もう世界では使われなくなった言葉だからこそ、日本からこの言葉を発信してほしい。

    来年はW杯が決まる大事な年。
    その前にIRBジュニア世界選手権が日本であるし世界が日本に注目するだろうから、もっと協会はそのジュニア~期間中に積極的に「ノーサイド」という言葉と共にその精神を発信していってほしい。
    大会ではあえてノーサイドという言葉を使ってもいいのではないか。

    投稿: タロ | 2008年12月 1日 22:51

    フルタイム・・よりやっぱりノーサイドでしょ? 私はその言葉の意味、深さを信じて今までやってきました

    投稿: kerikeri | 2008年12月 1日 21:35

    ラグマガの対談、私も感動しました。そして、今日の村上さんのブログを読んで、さらに『ノーサイド精神』を大切ににていきたいなぁと思いました。

    投稿: ユミ | 2008年12月 1日 21:24

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    » ラグビー友と感動を共有する [イチロー的こころ]
    愛読しているラグビー解説者・評論家の村上晃一さんのブログで「ノーサイド精神」はラグビーの母国イギリスでは使われないという記事を読んだ。ノーサイド精神は日本ラグビー界が独自の拡大解釈をしてそう呼んでいると言う。大いにうれしい話であり、ファンとして誇る日本の... [続きを読む]

    受信: 2008年12月 2日 16:30

    » 日本発「ノーサイドの精神」 [浜松工業高校闘球部(ラグビー部)サポーターオフィシャルブログ]
    前回、ラグビー文化における「ノーサイドの精神」についてお話した。http://hamakorfc.hamazo.tv/e2138758.html文化で語るラグビー『ノーサイドの精神』しかし、その「ノーサイドの精神」という言葉は、どうやら日本でしか使われていないようだ。「この前と言っている事が矛... [続きを読む]

    受信: 2010年6月16日 18:47

    » ノーサイド・・・ [ラグビー仲間! by 『仙台ラグビースクール』]
    ノーサイドの精神について, 村上晃一さんのブログ,ラグビー愛好日記に記事がありました. 今は日本以外では使われていない,って不思議ですよね. 観客席を分けない, アフターマッチファンクションの習慣, なども,その精神から続いているものとも言われてるそうです. トップリーグのプレスカンファレンスでの T芝,廣瀬キャプテンのコメントも,なんだかしっかりしてるなぁと. (以下,抜粋) キャプテン会議代表 廣瀬俊朗(東芝ブレイブルーパス) 「キャプテン会議とし... [続きを読む]

    受信: 2010年9月16日 00:37

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