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TLプレーオフ決勝

トップリーグの王者を争うに相応しい凄まじい決勝戦だった。キックオフ直後は、三洋電機ワイルドナイツがボールを動かして攻めたが、東芝ブレイブルーパスは、相手のキックをキャッチしたFB立川が強気にカウンターアタックを仕掛け、ボールをつなぐ。8分には、SH吉田朋生が好走してゴールラインに迫ったが、三洋ディフェンスの素速い戻りで止められた。

10分、東芝SOヒルが先制PGに成功。「決勝は攻撃的に、東芝のラグビーをします」という瀬川監督の言葉通り、東芝は攻撃の手を休めなかった。13分、CTB仙波、WTB宇薄が左コーナーぎりぎりまでボールをつないだが、ここは、三洋LOヒーナン、アイブスが食い止める。見ている側にも力の入る攻防が繰り広げられた。前半終了間際、東芝LO望月が抜け出してインゴールへ。これも三洋のディフェンスが食い止めるが、オフサイドの反則。ヒルがPGを決め、6-0と東芝リードで前半が終了した。

気になったのは、三洋SOブラウンのタッチキックがやや精度を欠いていたことだが、それでもワンチャンスでの逆転圏内だった。守る時間が多くなった三洋の飯島監督はハーフタイム「よく我慢した。ディフェンスでもう一歩前で当たりたい。必ずチャンスは来る」と話し、瀬川監督は「積極的に攻めることができている。ただし、ボールに対してまだ走り込めていない」と手応えと課題を口にした。

後半も東芝が攻め、三洋が守る展開が多くなる。エリアマネージメントも東芝がやや勝っていたが、三洋のディフェンスも固い。後半29分、三洋CTB入江に代わって前キャプテンの榎本が登場。このあたりから、三洋の攻勢が強まる。30分を過ぎてからは、三洋が攻め込んだところで、東芝が反則を犯し、三洋がPGチャンスを得るが、狙わずタッチキックでラインアウト勝負を選択。そして、榎本がコーナー右隅に飛び込んだかと思ったが、ここは東芝FL中居が懸命に戻ってノックオンを誘う。なおも三洋の攻撃は続き、34分には、モールを崩す反則で東芝HO湯原がシンビン(10分間の一時退場)となり、三洋サポーターに、いよいよ逆転への期待が膨らんだ。

直後のラインアウトは勝敗の分かれ目だった。FWが一人少ない東芝は、ゴール前ピンチのラインアウトを競り合いに行き、三洋のミスを誘った。モールに備えられないリスクを犯しても競った思い切りの良さがピンチを救った。最後も、三洋の途中出場シオネ・バツベイがボールを持ったところに、PR久保、HO猪口がタックルしてターンオーバーに成功し、粘りきった。前半から積極的に攻め、三洋に攻めやすいボールを与えなかった東芝の見事な連覇達成だった。

昨年は部員の不祥事で謹慎し、優勝に立ち会えなかった瀬川監督は会心の笑顔でインタビューに答えた。「今年こそファンのみなさんと優勝を喜ぶことを目標にやってきて、それがかなったのが嬉しいです。三洋、サントリーという強いライバルがいたからこそ、こういうゲームができました。きょうは喜びます」

廣瀬キャプテンは、激しい肉弾戦を物語るように左目を腫らしていた。「ほんとに嬉しいです。気持ちだけでした。相手が三洋だからこそ、モチベーションも思いも昂ぶりました。三洋は素晴らしかったです。どこかで崩れるかと思いましたが、トライのチャンスはありませんでした」と相手の鉄壁のディフェンスを称えて、喜びを噛みしめていた。

三洋電機の飯島監督は「選手は本当によくやった。ベストのコンディションで試合させてあげられなかった責任を感じています」と絶句。「今ひとつ力が足りなかった。悔しいですが、前を向いて頑張ります」

三洋のWTB三宅は言っていた。「充実したシーズンだっただけに悔しい。去年は東芝にチーム力で負けましたが、今年は勝負は時の運だと感じました。でも、東芝は尊敬できるチームです」

◎トップリーグプレーオフ決勝結果
三洋電機ワイルドナイツ●0-6○東芝ブレイブルーパス(前半0-6)
※東芝ブレイブルーパス、2年連続5回目の優勝

プレーオフのMVPは東芝FB立川剛士が選ばれた。準決勝、決勝ともに試合の流れを決めるようなプレーが多々あり、受賞となったようだ。明日(2月1日)に発表される、シーズンのMVPは別に選考される。立川選手、もちろん素晴らしかったが、愛好日記が選ぶプレーオフMVPはスティーブン・ベイツだ。攻守にあれだけコンタクトして、最後まで運動量が衰えないフィットネスは素晴らしい。常に顔を上げて、どこにでも走って仕事するプレーぶりは、いつも感動させられる。今度、愛好日記クマでもプレゼントしますか。いらんか…。

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    コメント

    毎回楽しみにしています。
    日本選手権の外国人枠について教えてください。
    TL同士が戦う時は、TLルールが適用(外国人3人)が適用されるのですか?
    また、アジア枠は、TL対学生でも適用されるのでしょうか?
    よろしくお願いします。

    投稿: たこ | 2010年2月 4日 21:48

    トップリーグ最後を飾るにふさわしい素晴らしい試合でした。大野選手後半の早い時間から足つってましたね・・・それだけ出し切ったということでしょう。
    プレーの出来不出来..とか、ある選手の調子が悪かった..とか・・そうでしょう、いろいろ意見はあると思いますが、見ている私にとっては80分間互いに熱い気持ちのこもった、そして体を張った闘いを見れた・・それだけで幸せでした。

    投稿: kerikeri | 2010年2月 1日 18:00

    最後の最後、Wタックル?にしびれました!張りつめた空気がスタンドまで伝わってくるゲームでした。
    スコアボード側のポスト裏での観戦でしたが、ぜひ伊藤忠側に時計の設置を。村上さん、関係者にお伝えください。

    投稿: ヨカロウモン | 2010年2月 1日 08:38

    感動しました!

    東芝の立場で考えればなんとしても今年優勝して監督サポーター全員でよろこびを分かち合いたかったことでしょう

    サンヨーの立場で考えればなんとしても今年こそ!の思いが強かったでしょう

    どちらが勝ってもサントリーファンとしては大満足なゲームでした

    そして直前にインフルエンザで欠場を余儀なくされた戦士たちの心中を思い、夜明け前ベランダで野良猫を相手に涙がこぼれました

    投稿: 桜乱 | 2010年2月 1日 04:10

    秩父宮のプレーオフトーナメントファイナルの試合は素晴らしいの一言に尽きる。双方のブレイクダウンの攻防が激しくロースコアでトライが取れなかったが、それでも好タックルで見応えがあった。リーグ戦を不本意な成績ながら連覇を達成した東芝の結束力はどのチームも真似出来ないものだと強く感じた。日本選手権でも昨季忘れたモノを取り戻すべく頑張って欲しい。

    投稿: ローズプレステージ | 2010年2月 1日 01:29

    プレーオフ決勝を秩父宮とJスポーツで見ました。
    力と気持ちの入った素晴らしい試合でした。
    東芝、三洋両チーム選手、関係者全員に感謝します。
    ほんのちょっとの気持ちの差で東芝が勝利したと思います。

    いい試合に水を差すようで心苦しいのですが、
    相田レフリーの判定には疑問が残ります。
    特に後半36分のヒル選手へのレイトチャージは
    なぜ、見逃したのか理解できません。
    村上さんも解説で「危険だ」とおっしゃていましたね。

    投稿: CHAMP | 2010年2月 1日 01:15

    ノートライということで、ダイジェスト映像殺し(笑)の試合でした。
    しかし、秩父宮で見ると緊張感のある試合で、トップリーグ最後を締めくくる試合にふさわしい内容でした。
    残念だったのは、三洋の主力2人のインフル欠場もですが、それ以上に、トニーブラウンが精彩を欠いていたように感じます。
    気持ちとは裏腹に、足が動いていなかったように思います。

    投稿: つかちゃん | 2010年2月 1日 00:12

    三洋を応援していましたので、もちろん負けて悔しい。
    しかし両チームとても素晴らしかったので、最後は晴れやかな気分になりました。

    東芝はやはりベイツ。三洋は入江がよかったと思いました。

    投稿: yuki | 2010年1月31日 23:53

    準決勝とは別の意味で面白い試合でした。選手達に感謝です。
    ほぼベストメンバーが揃った東芝に対し、主力二人がインフルエンザで欠場した三洋はちょっと気の毒でしたが、試合後もふてくされたりせずグッドルーザーでしたね。
    ただ、この素晴らしい試合が会場にいた人達とJsportsを見ている人達にしか伝わらないのが残念です。

    投稿: タマモクロス | 2010年1月31日 23:03

    2試合続けてあの集中力は見事と言うしかない。
    結局、東芝は4位以内狙いでレギュラーシーズンを戦ってきたことが、最後に集中力を上げられる要因だったのかもしれない。13試合すべて勝つ必要はないんだからね。
    日本選手権、決勝戦NEC対トヨタになることを期待。

    投稿: エリス少年 | 2010年1月31日 22:01

    眠れる獅子、東芝が目覚め、チャンピオン!おめでとう。今シーズンはサントリーと三洋のマッチレースの様相でしたか、最後に東芝にまくられたね。これで、日本選手権が楽しみ。サントリー、三洋の反撃が見物。個人的には日本選手権の初戦、東海大学対NTTに注目。豪州代表ジェラードが活躍すれば好チームの東海大学を撃破するか?!

    投稿: ピアノマン | 2010年1月31日 20:45

    いやぁ素晴らしかったですね。トニーブラウンがあんなキックが不調なのははじめてみました。東芝は村上さんMVPのベイツをはじめ第3列とバックスリーが素晴らしかったですね。立川選手は間違いなく日本代表に選ばれるでしょう。東芝の攻撃的ラグビー(守備も含めて)を関西の超攻撃的ラグビーを掲げる某チームにもやって欲しいものです。

    投稿: パチャンガ | 2010年1月31日 20:17

    自分もベイツが一番だったと思います。
    ブレイクダウンもそうですが、最後三洋のモールに中から割って入り、からんできた気迫は凄まじかった。
    さすがはムールーズのキャプテンです♪

    投稿: タロ | 2010年1月31日 20:09

    さすがプロの仕事ですね、試合終了間もない時間に臨場感とユーモア溢れるレポートありがとうございます。僕もMVPはワイカトの星スティーブンベイツやと思いました。是非熊をあげて下さい。

    投稿: 山田 | 2010年1月31日 19:49

    村上さん来年は地上波中継でお願いします。いくらいい試合でもそれがメディアにのらなかったらラグビー文化は根付かないです...........ラグビー中継のjsportsの独占状態がつづいていますが..........本当にこのまま2019年まで突き進むのでしょうか?変化を期待しています。ってここに書いてもしょうがないですかね(笑)

    投稿: 伯爵 | 2010年1月31日 19:37

    今晩は、やはり三洋と東芝はサントリーとは違って魂を感じますね。

    日本選手権決勝も同じカードを期待します。

    投稿: 大久保 | 2010年1月31日 19:23

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    ♪ 攻める攻める東芝、回す回す東芝、走る走る東芝、守る守る東芝 ♪トップリーグプレーオフの決勝は、昨シーズンと同じカードの電機屋さん同士の戦いとなりました。そして、昨シーズン同様、凄まじかったです。テレビ観戦だったんですが、画面からもその激しさが伝わってきて、見ごたえがありました。でも、試合前に、東芝の廣瀬キャプテンの表情を見て、なんとなく東芝が勝ちそうな予感がしたんです。このゲームに賭ける気迫が画面から伝わってきたなぁ。 ... [続きを読む]

    受信: 2010年2月 2日 22:35

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