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日本選手権1回戦結果

日曜日は秩父宮ラグビー場で、日本選手権1回戦を解説(JSPORTS)、取材した。第1試合の東海大対NTTコミュニケーションズシャイニングアークスは、予想通りの僅差勝負になった。立ち上がりから攻撃的にボールを動かした東海大だが、ブレイクダウンではNTTも激しく、FW戦ではトライに至らず。その後もお互いにチャンスを作ってはターンオーバー、ミスの繰り返し。先にトライしたのは、NTTだった。前半37分、自陣からFB栗原が抜け出し、ショートパントを上げ、ラックからすぐにWTB友井川がショートサイドを攻めて飛左隅にトライ。しかし、東海大も、すぐに反撃し、前半終了を告げるホーンが鳴ってから、SH鶴田がインゴール中央に走り込んだ。

後半開始早々、東海大はFB豊島がスピードある突破でインゴール左中間に走り込むも、中央でのコンバージョンキックを狙うために内側へパス。これがつながらず、トライを逃す。以降も東海大はよくボールをつないだが、強風も影響してかハンドリングエラーが多く、逆にNTTにSO君島に2PGを決められ万事休す。11−7でNTTが競り勝った。

東海大の荒木キャプテンは、「最後まで全員が攻める姿勢を忘れなかった。東海大らしいラグビーはできたと思う」と話し、東海大での4年間を振り返りつつ、次のように言った。「きょうは応援してくれた皆さんに感謝の気持ちで戦おう、最後までラグビーを楽しもう、と話していました。最後の円陣で、楽しんだよね?と聞きました。みんな泣いていたけど、楽しかった、と言ってくれた。最後に原点に返れた気がします」

木村監督は悔しさを押し殺しているように見えた。「きょうはスピード感を意識しましたが、焦っていましたね。あれだけミスしてよくこのスコアに収まったと思います。大学選手権のあとも練習をしたのは初めての経験で、チームはさらに成長したと思います」

東海大にとっては本当に惜しい試合。豊島選手のミスは大きかったけれど、将来の日本ラグビーを支えるだけの才能ある選手であり、この悔しさをバネに大きく育ってほしいと思う。一番悔しくて、申し訳ない思いをしているのは本人だから。

NTTコミュニケーションズの山本監督は言った。「厳しいプレッシャーの中で、勝利を収めることができて嬉しいです。内容的にはいつもの戦いができないまま80分が過ぎましたが、我々は今から歴史を作るチームであり、これが第一歩になると思います」

第2試合は、帝京大が六甲ファティングブルを圧倒した。前半4、9、16分とSO森田が3連続トライをあげると、FLツイ、NO8野口らが次々に大幅ゲインし、BKもワイドにボールを動かして着々と加点した。六甲も、CTB山下が力強い突破を見せ、FL鎌田がトライを返すなど、何度か見せ場を作ったが、後半なかば過ぎからは圧倒されてしまった。

東田ヘッドコーチは、「ご覧の通りの完敗です」と悔しさをにじませつつ、学生王者を称えた。クラブの出場枠についての意義を問われ、「企業スポーツが継続できないところが出てきているなかで、地域に支えられるクラブラグビーがこれから強くなっていかなければいけないと思います」と答え、「10年ぶりの全国クラブ大会優勝は第一歩。次の目標は、この悔しさを忘れずに大学王者を倒すこと。その気持ちでいっぱいです」ときっぱり語った。六甲クラブは、地域貢献、知的障がい者との交流などをこれからも継続し、地域に愛されるクラブを目指していくという。

大勝した帝京大の岩出監督は次のようにコメント。「大学選手権で得たものを出し、集大成というよりは、2010年のスタートという位置づけで戦いました。いつものゲームプランとは違いますが、ボールを動かしてトータルとして80分間走りきれるように戦いました。2回戦は、自分たちのいいところを少しでも出して、勝利に近づきたいと思います」

試合後、NECとサントリーが引き分け、「トライ数、ゴール数が同じ場合は抽選」という大会規定にしたがってNECが2回戦に進出したことが分かる。秩父宮ラグビー場のあちらこちらで驚きの声があがっていた。

◎日本選手権1回戦結果
NTTコミュニケーションズ○11−7●東海大(前半5-7)
帝京大○76−7●六甲ファイティングブル(前半28-7)
トヨタ自動車○36−19●神戸製鋼(前半12-7)
サントリー△10−10△NEC(前半3-10)
※抽選によりNECが2回戦進出

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    コメント

    NEC、サントリーの分も頑張ってほしいです。週刊現代の藤島大さん連載の記述通り、ラトウ主将のキャプテンシー、素晴らしいですね。最後に肩を組みながらNECの選手が結果を待っていた
    姿に、女神は微笑んだ気がします。清宮監督の去就、どうなるのでしょうか?

    投稿: 九州のはちべい | 2010年2月 8日 22:02

    ビデオ判定導入反対。観客席でボケーと待たされる身になって欲しい。導入しろって言ってる人は、テレビでしかスポーツ観戦しないんだろうなぁ。

    投稿: 垂直応力 | 2010年2月 8日 21:33

    ”引き分け抽選”になると、いつもすっきりしない気分になります。リーグ戦はともかくトーナメント戦のときは、延長戦等考えてもいいと思うのですが。
    引き分けの場合は抽選で勝者を決めるという、日本ラグビーのこのあやふやな部分がどうも好きでありません。強豪国はどのように対応してるか知りませんが。

    投稿: タイヒマン | 2010年2月 8日 21:07

    NECには申し訳ないけど、この大会に対する楽しみが半減した感じ。
    サントリーば自信がないのでしょうかね、自分たちの力に。

    投稿: マスター | 2010年2月 8日 20:46

    昨日の選手権1回戦、TOYOTAとKOBEの試合でTOYOTAの久住選手がタッチラインの外から跳んでボールをキャッチしフィールドに戻ってタッチの判定でしたが、TLファイナルでは立川選手が同じようなプレーでプレーオンでした。選手権とTLではジャッチが変わるんですか?

    投稿: rugby fan | 2010年2月 8日 10:00

    テレビ観戦でしたが、NECの我慢すごかったですね。
    ただ、勝ち負けをつけないといけない場合、
    抽選はあくまて゜最終手段であり、
    その前になすべきことがあるのでは、とも思いました。
    延長とか、トップリーグの順位とか、(あまり気が進みませんが)PG合戦とか。
    あるいはラグビーの精神から言うと、反則数とか。
    今後検討してほしいものです。

    投稿: よっちん | 2010年2月 8日 08:39

    東海大学は勿体無かった。豊島選手にはこれを糧に日本を支える選手になって欲しい。NTTコムは勝ったとはいえ、来季のトップリーグが心配になりました。
    サントリーはTMOが無かった事に泣きましたね。らしくないミスも多かったですが。
    日本選手権のようなトーナメント戦には全ての試合にTMOを導入すべきでしょう。プロの監督・選手だっているのだから。
    でも、部屋から出てきた時のラトウ選手の笑顔は良かったです。

    投稿: タマモクロス | 2010年2月 8日 01:06

    このままトヨタが勝ち続けて決勝まで行ったとしたら、決勝戦は4試合目。別の山から三洋電機が勝ち上がれば2試合目。もし決勝がトヨタVS三洋電機になったとしたら、1試合、多いトヨタに不公平感があると感じるのは、私だけ。

    投稿: ライガー | 2010年2月 7日 23:34

    日本に戻り、今日は花園へ行きました。最初の試合、トヨタは上手になったと思いました。タックルの素早い動きや外人の速い走りは遠くから見てもよく分かりました。大相撲の関取が巨漢であればあるほど絵になるようにラグビーマンもと・・・。朝青龍がラグビーをやればとも。2回目の試合は両者とも弱さを感じましたが、NECが抽選で勝ち進んだのは良かったと思いました。
    先週、イギリスのテレビで雪の上でやってるラグビーを見ましたが、雪が降っていても寒くはないからラグビーが盛んだと思いました。それに比べて、寒波に入った花園は風が強く、寒いから嫌です。

    投稿: Y | 2010年2月 7日 23:32

    今日インビクタス見てきました。お金で人の心は買えない...その人の発する言葉の熱さ、想い、行動を見て人は動く。力を合わせてゴールに向かっていけば結果が勝ちでも負けでも引き分けでも勝利は訪れる....何度も涙でした。エンドロールのワールドインユニオンの歌詞、感じいりました。聴きながら色んな事を思い出したり考えたり...ずっとこのまま聴いていたい、終わってほしくない...そう思いました

    投稿: kerikeri | 2010年2月 7日 21:24

    トヨタ-神鋼の終了間際、トヨタ山内が攻め込んだときにアナウンサーが「ミスマッチになってる」と言いました。
    でも近くにいたのは神鋼大橋。
    ウィングなんですけど。確かにお兄ちゃんはPRやけど。
    思わず笑ってしまいました。

    投稿: ビジネスマン | 2010年2月 7日 20:21

    Jスポーツでザッピングしながら4試合観ました。NECの頑張りには驚きました。ただし前半最後のプレーは野村選手のトライでしたね。日本も全ての試合にビデオ判定を導入すべきだと思いました。それを差し引いてもNECは勝ちにふさわしいチームです。トヨタも素晴らしい出来でした。特にアイイ選手と中山選手は良かったと思います。神戸製鋼はひとりひとりは能力高いけど15人バラバラ。ちゃんとした監督、コーチが必要です。最後にやっぱり東海大学のあのプレーは軽率です。マイケルリーチ選手が言っていた試合に出れない多くの部員に対して失礼です。これを一生忘れずこれから頑張ってもらいたいものです。

    投稿: パチャンガ | 2010年2月 7日 20:09

    村上さんこんにちは。
    私も東海大対NTTの試合を秩父宮で
    観戦していました。
    「この試合はどんな試合だったか?」ともし聞かれたら、
    私は「意味のある試合だった」と答えます。
    確かに、後半に東海大がトライを“手放した”
    場面は、私たち観客だけでなくNTTの選手も
    呆気に取られていたように見えましたが、
    私はこの試合から大切なことを教えて
    もらえたような気がします。
    私はTL発足をきっかけにラグビーに
    興味を持ったひよっ子ファンですが、
    ラグビーは勝敗を超越したものを
    与えてくれるスポーツなのだなあ…と、
    観戦するたびに感じます。
    長文失礼いたしました。
    今後も楽しみにしております。

    投稿: 鷹 彰吾 | 2010年2月 7日 18:54

    今日は秩父宮の試合終了後、花園の結果を聞いて驚きました。今季サントリーは引き分け3回目。しかも最後が抽選とは!疑問ですが、日本選手権1回戦のTL同士は同じカテゴリーなんですから、抽選ではなく上位チームが進出というふうに何故しなかったんでしょうか?これでは、上位チームのアドバンテージ全然ないように思います。しかも優勝まで4試合・・・。

    投稿: らり坊 | 2010年2月 7日 18:53

    深夜のトゥイッケナム100周年のセレモニーやクラシックジャージとても伝統・歴史を大事にしていて良かったと思います。

    ジャパンだって2010年の今年はジャパン結成80周年のメモリアルイヤー。
    なにか協会はいろいろと考えてやってほしい。

    イングランド協会に負けるな!

    投稿: タロ | 2010年2月 7日 17:17

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