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大学選手権準決勝結果

2日は東京の国立競技場にいた。大学選手権準決勝をJSPORTSで解説するためだ。大阪、京都が冷え込んでいたためか、東京は暖かく感じた。僕は2試合目の解説だったので、第1試合は記者席で見る。

関東大学対抗戦では4位だった帝京だが、大学選手権に入ってからは強みであるFW戦に絞った戦い方で勝ち上がってきた。いま一番勢いのあるチームかもしれない。東海に対しても、戦い方は徹底されていた。先制トライこそ東海FL前川に奪われたが、あとはFWでボールをキープし、東海にチャンスを与えない。東海は焦りからか反則が多くなり、そのたび自陣に釘付けになった。

帝京は、SO森田がトライを返し、難しいコンバージョンも決めて同点にすると、38分、FLツイのトライで14-7とリード。後半も、FWを前に出しながら戦い、最後は、WTB富永のトライで突き放した。「しぶとく攻守に力を出し切れた」と笑顔の岩出雅之監督。これで、帝京は3年連続の決勝進出となった。対抗戦ではボールをワイドに展開しようとしていたが、選手権ではそれを封印し、ブレイクダウンの激しさで相手に圧力をかけ続けている。チーム全体の集中力も一戦ごとに高まり、連覇まであと一勝だ。

東海は、前半早々にSH鶴田が負傷退場したのが、なんとも痛かった。リーグ戦で膝を痛めていたSO阪本がようやくリザーブ入りできた矢先、要のSHの怪我である。経験あるHB団を欠いたうえ、FWで圧力を受けては得意の展開ラグビーに持ち込むのは至難の業だ。後半7分に阪本が交替出場しFB豊島らがトライを返したが、届かなかった。日本代表マイケル・リーチを擁し、初優勝のチャンスも十分だっただけに悔しさもひとしおだろう。

第2試合は、立ち上がりから明治がSO田村を軸にボールを素速く動かして攻勢に出た。何度もラインブレイクしたのだが、早稲田のディフェンスは崩れなかった。NO8有田、FL中村、CTB村田らの激しいタックルが何度も明治を押し戻す。前半7分には、激しいタックルを受けた明治CTB衛藤が負傷退場。なおも攻める明治だが、個々の突進では抜けきれず、防御背後へのキックを切り返されては早稲田FB井口らにトライを奪われた。前半の最後には、大黒柱のSO田村も脇腹を痛め、満足に走れない状態となる。我慢して出場していたが、ディフェンスが一枚欠けたような状態では早稲田を止めきれない。後半、つぎつぎにトライを奪われた。

記者会見での吉田義人監督は厳しい表情だった。「早稲田のFWのワークレートの高さ、BKのアタックの鋭さは素晴らしい。一対一のところでもディフェンスをずらされていた。山中君に余裕を持ってプレーさせてしまったのが、大差の要因でしょう」。ただし、FWの強化については、「ある程度成果をあげることができました」と一年を振り返り、「BKの総合的な力を上げて行かなくてはいけないと強く感じました」と話していた。早明戦のときのように、FWに固執せずリスクを冒してもボールを動かしたが、動かした後にさらにFWで攻めるという狙い通りにはいかなかった。攻撃面が未完成だったということだろう。

大勝の早稲田・辻高志監督は、「相手が明治だったからこそ、早稲田は強くなれた。明治に感謝しています。(ハイパント多用については)たまたまそういう地域でのプレーが多くなったということでしょう。でも、キックの精度、チェイスの精度ともに高かったです。一番感じたのは、試合に出られない仲間のためにタックルしようという気持ちです」と、素晴らしいタックルの連続を称えた。有田隆平キャプテンは「前半戦っていて、引いたほうが負けると思いました。前半は少し軽いプレーもあったと思います」と冷静に振り返っていた。

これで、決勝戦は早稲田大学対帝京大学というカードになった。辻監督は、決勝戦について問われると、「対抗戦のときと、帝京はまったく別のチームになっています。あの時の勝利のことは考えません。早稲田がこの一年取り組んできたことを100%出すだけです」と力強く語った。

◎第47回全国大学選手権準決勝結果
帝京大学○36-22●東海大学(前半14-7)
早稲田大学○74-10●明治大学(前半15-10)


1月2日、地区対抗大学大会も開幕している。1回戦の結果は以下の通り。

◎第61回全国地区対抗大学大会1回戦結果
大阪経済大学○27-19●新潟大学(前半15-12)
徳山大学○45-15●道都大学(前半17-10)
愛知工業大学○29-11●東京都市大学(前半12-8)
鹿屋体育大学○28-26●仙台大学(前半13-5)

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    コメント

     帝京岩出マジック恐るべし、といったノーシードからの決勝進出。ただ、岩永選手はタッチに出されてましたね。あれをアシウタントレフリーに見逃されると必死にタックルしたデフェンス側は辛い。見極めできないならTMOも採り入れるべきではないでしょうか。(22-36と22-31では大違いですから)
     第2試合、一部の早大ファンには応えられない試合でしょうが、花試合凡ゲームでした。明大は敗れた12月の早大戦を踏まえて挑んでさらなる大敗となり、指導陣にとってはラグビー観さえ変えさせられたかもしれません。指導法か指導者を変えない限り、大事な試合に勝てるチームは作れない気がします。
     決勝戦は、地域を取ったり、競り合ったりとキックの良し悪しがポインの一つとなるかなと思います。

    投稿: エリス少年 | 2011年1月 3日 16:01

    高校の時FWをしていた自分は明治のラグビーが大好きでした。河瀬、川地、井上、遠藤等々前、前、に突き進むラグビーがかっこよくて雰囲気だけでも真似したくてテーピングを手首にしたりおでこに巻いたりしていたもんです。復活は今年に関しては序章であると考えて、次のシーズンまた次のシーズンと前え前えいきましょう。観戦に来られていた北島三郎氏(『名前も北島……。』あれはウケました)の歌にもあるように、たとえいばらの道だとて逃げたりせんと頑張れ明治

    投稿: せえの よいしょ | 2011年1月 3日 00:31

    早速の記事の更新ありがとうございます。早稲田ファンとしても予想外の大差でした!早稲田は、明治が対抗戦のときと戦い方を変えてくる、ということに対して十分に準備ができていましたね。前半は、ファーストスクラムで完全にフロントが当たり負け、ドライビングモールで認定トライをとられ、山中選手のプレースもあたりが悪く、そのうえ、スコアも(『ボールの支配率は劣るがスコアで優る』という、おそらく早稲田の狙い通りの試合運びで、トライも3本、1本であったにもかかわらず)5点差しかつかず、後半に向けてすごくいやな予感がしました。しかし、防御、とくに、BKのラインディフェンスが、ドリフトでなく徹底したシャローディフェンスで明治のTBの攻撃を早い段階で寸断したのが見事でした。また、点差がついても『防御の手を緩めない』のも見事でした。攻撃しつづけなければ、後退する、というラグビーというスポーツのもつ性質上、大差がついても攻撃の手を緩めない、というのは『せざるえお得ない』面がありますが、点差が開いているのに、シャローでの鋭い出足、個々のタックルの厳しさの手を緩めなかったのはすごいと思います。実力差以上の大差がついたのは、この早稲田の『最後まで手を緩めなかった』防御にあったように思います。帝京戦では、また違った戦い方を研究して勝ってほしいです。

    投稿: 緑 慧太 | 2011年1月 2日 20:36

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    本日は大学選手権が国立であった。昨日の高校ラグビー決勝もかなり劇的なものだったが、圧倒的に勝つと思われていた早稲田がまさかの敗退。勝ちにいった帝京の執念が、連覇への道を... [続きを読む]

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