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高校大会決勝結果

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1月8日の近鉄花園ラグビー場は快晴だった。高校大会決勝戦。これに先立ち、第3回U18合同チーム東西対抗戦が行われた。単独チームでは試合ができない高校選手達の晴れ舞台である。互いに攻め合い、ボールを持った選手が生き生きと走る。前半はCTB村澤大洋(下伊那農業)のトライで東軍がリードしたが、後半は西軍が巻き返す。.LO堺裕二(福岡県立中間)の突進などでチャンスを作り、WTB石川泰斗(大分水産)などのトライで逆転。最終的には、19-12で西軍が勝った。少人数高校にいても花園が目指せる。ずっと続けてほしい試合だ。

決勝戦は午後2時キックオフ。「東福岡有利」の下馬評の中、先制したのは東福岡だった。前半2分、ゴール直前のラックからFL西内勇人がトライする。強力FWで圧力をかける東福岡に対抗して桐蔭学園はスピード勝負。6分、東福岡の布巻がボールをこぼすと、これをFB松島が拾って約50mを走りきってトライ。14分には、SO小倉の好判断から、松島、WTB竹中とボールが渡り、竹中がタックルをかわしてゴール右隅にトライ。16分にも竹中がトライし、前半を終えて24-10と桐蔭がリードを奪った。

ただし、春の選抜大会では15点差をひっくり返されている。スクラム、モールで劣勢の桐蔭学園にとってこの点差では勝利は危うい。それは分かっているとばかり、後半1分、桐蔭学園は松島のライン参加から竹中がトライして31-10と突き放した。3トライ3ゴール差は、FWの力関係からして、なんとか逃げ切れるかどうか微妙な点差だったが、ここからは東福岡ペースとなる。

FWの縦突破を軸に自陣からボールをキープし、ドライビングモールを織り交ぜて追撃。7分、FB藤田が、これまでのお返しとばかり松島のタックルをかいくぐって右コーナーぎりぎりにトライすると、自らこの難しいゴールを決めて31-17。このコンバージョンゴールが何より大きかった。このあと、桐蔭学園が2度のPGチャンスを逸すると、東福岡がFWラッシュで前進し、24分、29分とトライをあげて遂に追いつく。そして、ノーサイド。両校優勝という劇的な幕切れだった。両校優勝は昭和天皇崩御で決勝戦が自粛された、大阪工大高、茗溪学園以来のこと。

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試合後は両監督がテレビのインタビューに答える。春冬を2年連続で制覇した東福岡の谷崎監督は満面の笑み。「びっくりしました。選手達のあきらめない気持ちにです。よく頑張りました」。初優勝となった桐蔭学園の藤原秀之監督も満足げ。「お互いによくやってくれました。両チームの選手に感謝したいです」。互いに握手をかわし、谷崎監督が「ノーサイドは次の始まり。頑張りましょう」と声をかけた(写真は、放送席のモニター)。

Hyoushoushiki

表彰式では、両チームが優勝旗、盾、賞状、カップなどを譲り合い、交互に受け取っていた。表彰式後は、両チームで集合写真に収まり、複雑な表情だった選手達もこのときばかりは喜びを爆発させた。

藤原監督はロッカールームで「歴史を作ったな、おめでとう」と声をかけたそうだ。南アフリカ行きが決まっている松島選手は、「追いつかれてしまったという気持ちもあるけど、同時に優勝でもあるので」と複雑そうに話した。左手の怪我を押して出場していたキャプテン小倉は「後半に東福岡の足が止まって、ウチが走り回る展開をイメージしていたのですが、違う展開になりました。東福岡は常に一定のプレーをし、自分たちが少し落ちた分、後半前に出られてしまいました」と冷静に話していた。

小さなFWを鍛え上げて東福岡と引き分けた桐蔭学園は昨季からの進歩を確実に感じさせる素晴らしい初優勝だった。東福岡も奔放にボールを動かして走り回るいつものイメージではなかったが、あきらめずに最後まで力強く戦った。東福岡がFW戦に固執したのは、それだけ竹中、松島というランナーが頭抜けていたという証だろう。互いにミスもあったが、今季のチームの強みを出し合った立派な両者優勝だった。

◎全国高校大会決勝戦結果
東福岡高校31-31桐蔭学園高校(前半24-10)

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    コメント

    Jスポーツの解説者に言うのも変な話ですが、僕の中で花園のイメージソングといえば、TBS系で放送するときに使われている曲です。
    あれ、CD化できないものでしょうか?

    投稿: hiro | 2011年1月15日 13:47

    ラグビー部ではなかったのですが、90年代前半に桐蔭の生徒でした。93年春に相模台工を破ってそのまま関東大会で優勝したときは、冬の県大会決勝進出で「史上もっとも花園に近づいたとき」と学校で盛り上がっていました。珍しく生徒会動員までして三ツ沢に応援に行きましたが、敗戦。そこから二年連続県大会決勝進出。

    それから短い間に、花園出場、常連•シード校、優勝候補、優勝と、強さと存在感を増して来たなと感慨を覚えます。

    もともと練習も勉強もしっかりする土壌がありましたが、それが今も続いているようなので、誇らしく思います。

    投稿: okurala | 2011年1月 9日 22:11

    大分舞鶴が県予選で最後に負けたのが
    大分水産なんですが、いまや単独チームも
    組めない状態なんですね。厳しいものです。

    投稿: OnsidekickRecover | 2011年1月 9日 21:07

    日程をずらしての土曜日開催、多くの観衆で盛り上がりましたね。
    来年以降も日程にとらわれず、決勝戦は土日開催を続けるべきです。
    もう平日の閑散とした決勝戦は見たくありません。

    投稿: sella | 2011年1月 8日 23:10

    両校持ち味を出しきった素晴らしい試合でした。

    かつて桐蔭学園は、大型FWの相模台工業に全国への道を阻まれ続けました。当時の指導者・選手達はいかに大型チームに勝つかをひたすら追求し、今の桐蔭のスタイルが出来上がったのです。

    今年の桐蔭学園は、その様にして築き上げてきた桐蔭の伝統と、松島君や竹中君などの才能ある選手の個人技がうまく融合した、一つの完成形だったと思います。

    東福岡も最後はプライドをすてて、FW勝負に切り替えて、きっちり追いつくのはやはり流石です。

    両校の皆さん本当におめでとう。

    今日の試合は、長きにわたり追求してきた桐蔭ラグビーの一つの完

    投稿: 通りすがりのラグビーファン | 2011年1月 8日 22:20

    いまの高校生は胸板も厚いし、なにより両校ともに日本の高校の頂点のチームに2年生がレギュラーやリザーブでたくさんいる、というのが両校の練習の内容の濃さを感じました。私の母校のラグビー部も近隣の高校で事故があった、という理由で(その事故には私の高校は関係していません)、顧問の先生をつけない、という方針に出られて、廃部に追い込まれました。当時は僕らだけに特別に起こったことだと思って、OBで騒いだりしましたけど、そうではなくて、全国で競技人口が減っているんですね。私の高校もよくて予選の三回戦という弱小チームでしたが、何より残念なのは、廃部後に母校に入学してきた少年たちから楕円球に触れるかもしれなかった機会が奪われてしまった、ということです。でも、これから、11年RWC、12年五輪、15年RWC、16年五輪、そして、19年日本開催のRWCと日本ラグビー界全体を盛り上げる時代を得たと思うので、彼らには是非これからもがんばってほしいです。

    投稿: 緑 慧太  | 2011年1月 8日 21:39

    桐蔭・小倉主将、手首痛かったんだろうな、時々パス、おかしかったもの。

    投稿: エリス少年 | 2011年1月 8日 20:45

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    » 2019年へ・・・ [海風が強く吹いている]
    ラグビーの神様は、きっと、どちらのチームが日本一に相応しいのか迷ったのだろう。 中2日の影響か、開始早々からこれで60分間もつんだろうかというくらい飛ばしまくる両チーム。 前半、桐蔭の才能が爆発。365日のピークをまんまと今日に持ってきた。 でも東福岡は不... [続きを読む]

    受信: 2011年1月 8日 20:23

    » 桐蔭の速攻・東福岡のねばり、両校優勝!見事な試合でした!! [IXY-nob]
    一時は31-10と3トライ(ゴール)差で桐蔭がリードし、「勝負あった」かに思われたのですが、後半10分近くから東福岡の脅威の粘りで同点に追いつくとそのままドロー。 両校優勝という劇的な結末となりました。キックオフ直後に桐蔭の小さなミスをついて東福岡が先取トライ。 ところが比較的イージーなコンバージョンキックがはずれ、むしろ東福岡の選手全体が固くなってしまったよう。 その後すぐに桐蔭が得意のバックス攻撃でトライ。 これでイーブンになったのですが、桐蔭が先にリラックスしました。自陣からの仕掛けの中でノー... [続きを読む]

    受信: 2011年1月 9日 08:48

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