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準決勝初日結果

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ニュージーランドの人々の多くはウエールズを応援していた。監督はワイカト出身のガットランドだし、その戦いぶりも好感をもたれていた。もちろん、アンチ・フランスが多いこともあったかもしれない。ややウエールズ有利と言われていた準決勝だが、前半10分、PRアダム・ジョーンズが早々に負傷退場。19分には、ウエールズの若きカリスマリーダー、FLサム・ウォーバートンが、スピアータックルでレッドカードを受ける。残り60分を、ウエールズは14人で戦わなければならなくなったわけだ。勢い余った結果だとしても、相手の足を跳ね上げ、頭から落とすスピアータックルは危険なので厳しくペナライズされる。バインドしたまま倒していればイエローだったかもしれないのだが、チームの大黒柱での離脱はあまりにも痛かった。

それでもウエールズは、ボールをキープして徹底して攻めることで僅差勝負に持ち込んでいく。フランスは、SOパラのPGで加点するが、ウエールズのしぶとい防御と地域戦略で苦しい戦いを強いられた。後半に入ると、おそらく首脳陣からの的確な指示があったと思われるが、ウエールズは14人には見えない戦いぶり。後半19分には、ラックサイドをSHフィリップスがすりぬけて8-9と1点差に迫るトライ。観客を熱狂させた。しかし、交代出場のSOスティーブン・ジョーンズが狙ったコンバージョンキックはポストに当たって外れ、逆転できなかった。これも痛いミス。正SOプリーストランドの怪我はウエールズにとって想像以上に大きかったということだろう。

その後も、ウエールズは、約50mのPGをFBハーフペニーが狙ったが、ボール一個分バーの下を通って逆転できず、終了間際には20フェイズ以上の長い攻撃で、ドロップゴール、ペナルティゴールのチャンスをうかがったが、最後はノックオンで力尽きた。選手の役割が明確で、厳しい練習で鍛えこまれたフィットネスの高いチームだったからこそ、14人でも戦えたのだと思う。図らずも、1人少なくなったことが、このチームの結束力を引き出していた気がする。ウォーバートン退場のあと、キャプテンを務めたPRジェンキンスは、「サムの退場によって、我々は違うプレースタイルで戦わなくてはならなかった」と無念の表情。フィルドを去るウエールズ代表には惜しみない拍手が送られていた。地元カーディフのミレニアムスタジアムでは、65,000人が集ってパブリックビューイングが行われていたという。同じように盛大な拍手があったと想像する。

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タックル数は、ウエールズが56に対して、フランスが126。フランスは、攻撃面では力を出し切らないままディフェンスの粘りで勝利した。デュソトワール主将は、「うまくプレーできなかったが、ハートで戦った」と勝者ではないような表情で語った。フランスの決勝進出は、1987年、1999年大会に続いて3度目。相手は、87年がオールブラックス、99年がワラビーズだった。いずれにしても、雪辱する機会が到来したわけだ。

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    「日記」カテゴリの記事




    コメント

    いいタックルと反則は紙一重ですからね
    スタジアムの空気もどちらかというとウェールズ贔屓に
    見応えのあるブレイクダウンの応酬
    終了間際のウェールズの攻撃のフェーズ
    こんなしびれるゲームをジャパンがやってくれたらと考えたのは自分だけじゃないのではsign01
    考えます
    それにしてもあの空気の中勝ってくるフランスの強さも改めて感じました

    投稿: ささき | 2011年10月17日 08:39

    レッドはない。フランスからいくら貰ったんだ?と言われてもおかしくない。あのタックルは、結果危険な行為かもしれないが、悪意は感じられなかった。
    日本相手に本気にならざるを得ない仏では、決勝は勝てるどころか接戦すらできない訳で、NZと豪の一戦が実質上の決勝。地上波は、深夜2時から。さすがに録画対応。
    ウェールズはいいチームだった。4年後には世界一も視野。両ロック、抱きかかえタックルだけど、そのまま押し倒してた。日本の選手の抱きかかえとは数段違う。日本は刺さらないとダメと痛感。

    投稿: テルキー | 2011年10月16日 18:52

    もう終わった事ですが‥即刻レッドカードを出した事は大いに疑問だ。何と言ってもW杯準決勝の、それも前半18分である。一拍置いて、アシスタントレフリーにも意見を求めた上で判断する位の余裕が何故持てなかったんだろう。前回大会の決勝を吹いた、当時IRBのベストレフリーと言われた人が

    投稿: メスニー | 2011年10月16日 16:56

    判定はレフリーに任せる。これがラグビーの美点。
    ただし、WCという大舞台、しかも準決勝というシーンで警告もなく一発赤に匹敵したのかどうか。後味が悪い。
    予選プールのあのタックルは黄だったと思うが・・・。

    投稿: エリス少年 | 2011年10月16日 15:17

    準決勝のレフェリーはそれまでのレフェリングがセレクションになってるようなこと見たか聞いた気がするけど、アイルランドのアラン・ローランドさんは英語が母国語だけど、フランス語も堪能だからか、良くフランスのビッグマッチに笛吹いてる気がする。プール戦のフランス対オールブラックス戦もそうだったし。2年前の同カードも吹いてた。スピアータックルは去年のアジア大会の7人制決勝で築城選手が一発退場になってるが、今年のPNCのフィジー戦の後半、菊谷、今村の両選手が食らってるがイエローだった。この差が分からない。見た目の危険度から見ると、被今村、ウォーバトン、被菊谷、築城の順の気がするけど、フィジー戦は首へのタックルが多く二人退場してるのも影響してるのか?世界陸上のボルトの失格みたいにルールとはいえファンはガッカリするので、イエローなり、試合前に厳重注意するなりローランドさんには良い試合にして欲しかった。個人的には南アはカプラン、ジュベール両氏がオフィシャルに選ばれてますが、ローレンスさんを選んで欲しかった。今回というか、トライネーションズの南アでのABs戦のTMOの越権行為からおかしな判定が多すぎると思う。

    投稿: ドニントンパーク | 2011年10月16日 15:00

    あのタックルはレッドなんだろうけど、昔のジャパンの林さんのタックルは比較すれば永久追放なみ。ラグビーの醍醐味は林さんなんだけどなー。普及と安全性のバランスが大手企業の様に、コンプライアンスばっちりなんだけど面白みをなくしてないか?本当の醍醐味はゲバラを生んだスポーツとしてもっと危険でベンチャーでいいんだと思う。攻撃側が圧倒的に有利のルール改正もつまらなくなってないか?首都圏のある県では、膝下タックルがペナルティー。愛するラグビーよ何処へ向かう?

    投稿: 44 | 2011年10月16日 11:15

    私は今回のW杯では日本代表をあまり応援しきれませんでしたが(一部の選手人選で、外した選手、入れた選手に、多大な疑問がありました)もしフランスとNZの決勝になったら、その2チームと同じ予選プールで戦った日本代表、不運だったという面も、確実にありますね。

    ラグビーは今、審判のオーバープレゼンスという問題に直面しているのかもしれません、日本と海外をとわず、歴史的熱戦に黄色や赤のカードは無かったはずです。
    なでしこJAPANには日本国民が熱狂しましたが、実に分かりやすく、点が入らなくてもエキサイティングで、また審判が目立ちすぎることもありませんでした。

    投稿: トンガリキッズ | 2011年10月16日 06:58

    いつも楽しく拝見しています。ありがとうございます。
    カードについてですが、日本で行われたU20のワールドカップの準決勝でも、南アの選手が同じようなプレーでレッドカードを貰っていますし、最近の危険なプレーを厳しく取ろうという風潮を考えれば妥当なレフリングだと思いました。
    是非、村上さんのレフリングに対する意見も聞きたいです。

    投稿: クロー | 2011年10月16日 04:20

    フランス対ウェールズ見ました。最初のウォーバートンの退場からフックのPGのミス、スティーブンジョーンズがポストに嫌われたこと、ハーフペニーのPG…

    ウェールズの運が悪いと言うより、フランスの運が良かった印象を受けました。今の不思議なフランスを見ていると決勝戦も何か番狂わせを起こしそうな気がしてなりません。
    あと、フランスのボネールが凄く良い働きをしてるなと思いました。デュサトワールとボネールにはぜひとも決勝戦を頑張って欲しいです。

    投稿: ダイナマイト | 2011年10月16日 03:42

    なぜ、準々決勝でウェールズに負けた国の人間がレフェリーをやるんですかね…?
    タッチジャッジが南ア&イングランドだったので、南アレフェリーじゃないとアンバランスな気がします…
    どちらに肩入れというわけではないですが、今日のレフェリーのレベルは非常に低かったと思います。

    投稿: 赤坂見附 | 2011年10月16日 00:36

    あのタックルなら、レッドカードは仕方ないかなぁ。
    でも、60分間を14人相手に、際どいゲームしか出来ないフランスが、決勝いっちゃいますか~。
    変わったばかりのSOのコンバージョンが入っていれば…、
    あんなにフェーズを重ねたのに、ドロップがけれるSOだったら…。
    完璧に、ウエールズの方が魅力のあるチームでした。
    ウエールズの方が、まだNZやAUSに勝てそうな期待感が持てるチームでした。
    フランスよ~、決勝戦こそは、W杯で一番のいい試合を、頼むからしてくれよ~。

    投稿: 楕円大輔 | 2011年10月16日 00:19

    どーして赤!、と思いましたが、そこからのウェールズの選手たちの粘りと気迫は凄かった。もう一度、そんな立派な選手たちが見られる三位決定戦も楽しみにします。

    それにしても、今大会が始まる前は、まさかフランスが決勝まで行くとは思いもしなかった。わからんチームですねぇ。

    投稿: こもねこ | 2011年10月16日 00:10

    試合をブチ壊すレフリーの多いワールドカップですね。せめて、あと2試合は・・・。

    投稿: デンタルフロス | 2011年10月15日 23:16

    レッドカードとはレフリーは何て事をしてくれたんだって感じです。見る側としては準決勝、キャプテンということの影響を考えてほしかった。ウェールズは今大会レフリーに恵まれてなかった。それにしてもフランスが決勝に行くとは。運が良い以外の何物でもない。予選プールで2敗、トーナメントも初戦は今大会冴えないイングランド、キャプテンを失ったウェールズに勝ったというだけ。よりいっそう明日の準決勝が事実上の決勝戦に思えてきた。

    投稿: たまに | 2011年10月15日 22:35

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