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2011年1月2日 - 2011年1月8日

高校大会決勝結果

Hanazono0108

1月8日の近鉄花園ラグビー場は快晴だった。高校大会決勝戦。これに先立ち、第3回U18合同チーム東西対抗戦が行われた。単独チームでは試合ができない高校選手達の晴れ舞台である。互いに攻め合い、ボールを持った選手が生き生きと走る。前半はCTB村澤大洋(下伊那農業)のトライで東軍がリードしたが、後半は西軍が巻き返す。.LO堺裕二(福岡県立中間)の突進などでチャンスを作り、WTB石川泰斗(大分水産)などのトライで逆転。最終的には、19-12で西軍が勝った。少人数高校にいても花園が目指せる。ずっと続けてほしい試合だ。

決勝戦は午後2時キックオフ。「東福岡有利」の下馬評の中、先制したのは東福岡だった。前半2分、ゴール直前のラックからFL西内勇人がトライする。強力FWで圧力をかける東福岡に対抗して桐蔭学園はスピード勝負。6分、東福岡の布巻がボールをこぼすと、これをFB松島が拾って約50mを走りきってトライ。14分には、SO小倉の好判断から、松島、WTB竹中とボールが渡り、竹中がタックルをかわしてゴール右隅にトライ。16分にも竹中がトライし、前半を終えて24-10と桐蔭がリードを奪った。

ただし、春の選抜大会では15点差をひっくり返されている。スクラム、モールで劣勢の桐蔭学園にとってこの点差では勝利は危うい。それは分かっているとばかり、後半1分、桐蔭学園は松島のライン参加から竹中がトライして31-10と突き放した。3トライ3ゴール差は、FWの力関係からして、なんとか逃げ切れるかどうか微妙な点差だったが、ここからは東福岡ペースとなる。

FWの縦突破を軸に自陣からボールをキープし、ドライビングモールを織り交ぜて追撃。7分、FB藤田が、これまでのお返しとばかり松島のタックルをかいくぐって右コーナーぎりぎりにトライすると、自らこの難しいゴールを決めて31-17。このコンバージョンゴールが何より大きかった。このあと、桐蔭学園が2度のPGチャンスを逸すると、東福岡がFWラッシュで前進し、24分、29分とトライをあげて遂に追いつく。そして、ノーサイド。両校優勝という劇的な幕切れだった。両校優勝は昭和天皇崩御で決勝戦が自粛された、大阪工大高、茗溪学園以来のこと。

Fujiwaratanizaki

試合後は両監督がテレビのインタビューに答える。春冬を2年連続で制覇した東福岡の谷崎監督は満面の笑み。「びっくりしました。選手達のあきらめない気持ちにです。よく頑張りました」。初優勝となった桐蔭学園の藤原秀之監督も満足げ。「お互いによくやってくれました。両チームの選手に感謝したいです」。互いに握手をかわし、谷崎監督が「ノーサイドは次の始まり。頑張りましょう」と声をかけた(写真は、放送席のモニター)。

Hyoushoushiki

表彰式では、両チームが優勝旗、盾、賞状、カップなどを譲り合い、交互に受け取っていた。表彰式後は、両チームで集合写真に収まり、複雑な表情だった選手達もこのときばかりは喜びを爆発させた。

藤原監督はロッカールームで「歴史を作ったな、おめでとう」と声をかけたそうだ。南アフリカ行きが決まっている松島選手は、「追いつかれてしまったという気持ちもあるけど、同時に優勝でもあるので」と複雑そうに話した。左手の怪我を押して出場していたキャプテン小倉は「後半に東福岡の足が止まって、ウチが走り回る展開をイメージしていたのですが、違う展開になりました。東福岡は常に一定のプレーをし、自分たちが少し落ちた分、後半前に出られてしまいました」と冷静に話していた。

小さなFWを鍛え上げて東福岡と引き分けた桐蔭学園は昨季からの進歩を確実に感じさせる素晴らしい初優勝だった。東福岡も奔放にボールを動かして走り回るいつものイメージではなかったが、あきらめずに最後まで力強く戦った。東福岡がFW戦に固執したのは、それだけ竹中、松島というランナーが頭抜けていたという証だろう。互いにミスもあったが、今季のチームの強みを出し合った立派な両者優勝だった。

◎全国高校大会決勝戦結果
東福岡高校31-31桐蔭学園高校(前半24-10)

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高校決勝前日

7日の金曜日は、神戸製鋼の灘浜グラウンドに行ってきた。全国高校大会決勝戦を控えた両校(東福岡、桐蔭学園)の前日練習を取材するためだ。写真は、先に練習した東福岡高校。ご覧のように快晴だったが、午後になって雪がちらつくなど気温は低かった。ラグビースクールの子供達が、東福岡・布巻、藤田や、桐蔭学園・松島ら各選手にサインをもらっていた。すでに子供達の憧れの存在になり、丁寧にサインをしてあげている様子を微笑ましく見つめた。

Kobe1

準決勝と決勝の間隔がいつもより1日多いためか、両校とも2時間近く、みっちり調整練習を行った。東福岡の谷崎監督は、「最後の試合への準備が終わりました。みんないい顔をしていましたね」と笑顔。「桐蔭学園はゲームをよく知っているし、決勝戦の雰囲気も分かっている。どちらがお互いの強みを出すか、どれだけミスしないかでしょう」。ゲームメイカーの布巻峻介選手は、「桐蔭学園は集散も早く、ディフェンスも強い。僕はみんながアタックしやすいようなゲームメイクをしていきます」とリラックスした表情で話していた。

東福岡と入れ替わって午後1時から練習を始めた桐蔭学園を見ていて、東福岡よりサイズが一回り小さく感じた。その中で抜群の存在感を放っていたのが、松島幸太朗選手だ。BKラインの軽いパスまわしでも、ボールを持った時の加速が際だっている。桐蔭学園OBの方と一緒に見ていたのだが、「1年生の時はあんなに細かったのにねぇ。ここまで逞しくなるとは」とその姿に感心されていた。その松島選手は、「決勝は蹴らずに回していく」とボールを持って攻撃を仕掛けると話し、キャプテンの小倉順平選手も、「できるだけ、切らずにボールを展開していきたい」とボールを大きく動かす連続攻撃で東福岡を崩したいと話していた。

東福岡のほうも、桐蔭学園の松島、竹中という突破力ある選手にボールを渡さないよう、キックを使わずに攻撃を継続させたいと話していた。それらのコメントを聞いて、決勝戦がさらに楽しみになってきた。好ゲームを期待したい。取材後、久しぶりに大阪の道頓堀にやってきた。京都の町並みに目が慣れてしまったせいか、「都会や~、明るいな~」と声が出た。

Kobe2

1月7日、兵庫県・神戸ユニバー記念陸上競技場・補助競技場にて「第41回全国高等専門学校大会の準決勝が行われた。また、6日は全国地区対抗大学大会の決勝戦は行われ、大阪経済大学が優勝している。

◎第41回全国高等専門学校大会・準決勝結果
仙台高専○36-10●神戸工業高専(前半14-5)
奈良工業高専○32-20●函館高専(前半13-5)

◎第61回全国地区対抗大学大会・決勝結果(1月6日)
大阪経済大学○42-19●愛知工業大学(前半14-14)


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トークライブ&プレゼントのお知らせ

今週末は、高校決勝(8日)、大学決勝(9日)、トップリーグ最終節(9日、10日)と、重要な試合が立て続けにある。勝敗の行方の分からない試合が多く、これはもうじっくりと試合を見せてもらうしかない。高校は、東福岡のCTB布巻、FB藤田、桐蔭学園のWTB竹中、FB松島などなど、この他にも多くの逸材が揃っている。きっとこの中から何名かは2019年のワールドカップに出るだろう。楽しみだ。さて、きょうはラグビートークライブのお知らせと、愛好日記新春プレゼントのお知らせを。

トークライブのお知らせ◎ワールドカップイヤーの今年も、さまざまなラグビートークライブを開催していきたいと思っています。ラグビーファンの皆さん、お友達などお誘い合わせの上、ぜひご参加下さい。ラグビー仲間を増やしていきましょう。今年は、まず最初に1月27日(当初28日としていましたが27日です)、大阪のラグビー普及促進酒場「ラグビー部マーラー」でトップリーガーとのトークライブ&懇親会を企画していますが、ゲストなどただいま調整中です。決まり次第このブログで発表しますので、少々お時間をください。

そして、2月16日には、大阪・梅田のガーデンシティクラブ大阪で、「ラグビー・トークライブ・プレミアム」を開催します。ゲストは元日本代表キャプテンの箕内拓郎選手(NTTドコモレッドハリケーンズ)。2003年、2007年のワールドカップで日本代表キャプテンを務めた視点からワールドカップを語っていただきます。もちろん、ドコモでの近況報告も。ライブの後は交流会もありますので、どうぞご参加を。

【ラグビー・トークライブ・プレミアム】
「世界に挑む軌跡を共に」
ゲスト:箕内拓郎(NTTドコモレッドハリケーンズ)
進行役:村上晃一
日時:2011年2月16日(水)開始19:00〜(受付18:30より)
場所:ガーデンシティクラブ大阪
(大阪市北区梅田2-5-25 ハービスOSAKA6F)
会費:2,000円(トークライブ 約1時間)
   4,000円(交流会)
※お問い合わせ、お申し込みは以下までお願いします。
FAX、e-mailの場合は、お名前、電話番号、FAX番号のご記入をお忘れなく。

株式会社ホスピタリティ・ブランディング
電話:078-325-3303
FAX:078-325-3301
メール:kanbeshiyama@bwg.co.jp
担当:上林山、永末まで
注意事項:お申し込みのご連絡後、指定の口座までお一人様につき、トークライブ参加費:\2,000(税・サ込)、交流会までご参加の場合\6,000(税サ込)を事前振込みにてお願いしております。お振込み確認後受付完了となります(もちろん、ご事情により当日現金にても受付は行う予定です)。

愛好日記・新春プレゼントのお知らせ◎ラグビー愛好日記をご愛読の皆さんにプレゼントのお知らせです。海外スポーツブランドの販売などを行っているグリニッジ・エンタープライズが、「レボリューションTシャツ(S/M/L)」を5名様にプレゼントしてくれることになりました。以下のメールアドレスに、 info@gw-sports.net 「お名前/発送先住所/ご連絡先/ご希望のサイズ」をご記入の上、ご応募下さい。当選者の発表は発送をもってかえさせていたきます。

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高校大会準決勝結果

1月5日は、近鉄花園ラグビー場だった。桐蔭学園対大阪朝鮮、関西学院対東福岡というトップ4の激突である。第1試合は、前半2分、桐蔭がSO小倉のドロップゴールで先制すると、8分にWTB鈴木がPGを決めてペースを握る。この時間帯、朝高のタックルがなかなか決まらず、桐蔭は切り札のWTB竹中の快走などで追加点をあげ、16-0とリードを広げた。

しかし、互角の実力を持つ両校の対戦だけに、そのまま点差が開くことはなかった。朝高は前半終了間際にゴール前のモールを押し込んでFLチョン・カンギがトライ。後半の逆襲につなげた。後半16分、SOパク・ソンギが約40mのPGを決めて16-10とすると、さらにCTBキム・ヨンヒらを軸にボールをつないだ。後半21分には、桐蔭に攻め込まれたが、LOナム・ジョンソンがインターセプトから独走。逆転トライかと思われたが、桐蔭FB松島がこれを食い止める。数分後、桐蔭ゴール前のスクラムを得た朝高が攻めたがノックオン。こぼれ球を拾った松島が約100mを走りきるスーパートライで突き放し、桐蔭が決勝進出を決めた。ラックを乗り越えるようなターンオーバーも連発し、「これまでやっていなかった分を、全部やった感じですね」と藤原監督も頬を緩めた。

第2試合は、東福岡に関西学院が果敢に挑んだ。東福岡PR河島に先制トライを許したものの、以降は、自陣からボールをつなぐ東福岡に対し、ディフェンスラインを素速く整えて次々にタックル。ミスを誘って拮抗した展開に持ち込んだ。しかし、前半20分、スピアータックルの判定でイエローカード(一時退場処分)を受け、14人となったところから流れが変わって3トライを奪われる。後半は立て直してFL鈴木が1トライを返しただけに、惜しまれる連続失点だった。

東福岡は接点の激しさで上回り、攻守によく前に出たが、ハンドリングエラーは多く、攻撃がつながらなかった。「ミスが多いのは今の実力です」と水上キャプテンは謙虚だが、昨季のチームに比べて完成度は低いながらも決勝進出するところに底知れない潜在能力を感じる。きょうは12番をつけていた布巻は、ほぼSOの位置でプレーしてゲームをコントロール。相変わらずの強いタックルで関西学院の攻撃を寸断した。卓越したランニングスキルを誇るFB藤田はタックルを受けながらも倒れずにボールをつなぎ、タイミングのいいパスを出すなど、チャンスメーカーとして攻撃の軸になった。3トライを決めたWTB中野の走力も素晴らしい。

決勝戦は、昨季と同じカードになった。ともにブレイクダウンで激しくファイトし、決定力ある選手も擁する。今大会は、8日が土曜日ということもあり、例年の7日決勝から一日ずれる。中2日はつかの間だが、連戦で疲れた体を休める時間は貴重だ。選手のパフォーマンス向上につながるだろう。8日の決勝戦は、超高校級の激闘になる。

スコアは以下の通り。地区対抗大学大会、高専大会の結果もご紹介したい。

◎全国高校大会準決勝結果(1月5日)
桐蔭学園高校○21-10●大阪朝鮮高級学校(前半16-7)
関西学院高校●7-42○東福岡高校(前半0-28)

◎第61回全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会準決勝結果(1月4日)
大阪経済大学○32-31●徳山大学(前半22-14)
愛知工業大学○55-19●鹿屋体育大学(前半31-14)

◎第41回全国高等専門学校ラグビーフットボール大会1回戦結果(1月4日)
東京都立産業技術高専・品川●0-78○宇部工業高専(前半0-46)
富山高専・射水○34-5●弓削商船高専(前半17-5)

・2回戦結果(5日)
宇部工業高専●7-28○函館工業高専(前半7-8)
奈良工業高専○15-12●熊本高専(前半5-7)
仙台高専○43-7●富山高専(前半31-0)
佐世保工業高専●7-19○神戸工業高専(前半0-7)

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高校準々決勝結果&準決勝組み合わせ

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1月3日の近鉄花園ラグビー場は、全国高校大会の準々決勝が行われた。好カードが多いこともあって、メインスタンド、バックスタンドともにぎっしり埋まっていた。その熱気も後押ししてか、第1試合から僅差勝負が続いた。

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10時30分キックオフの関西学院対國學院久我山戦は、5-0で関西学院が制した。粘り強くディフェンスし、ワンチャンスもものにしての勝利。安藤監督も、「最後までよくタックルした。今季、最高の試合です」と選手を称えた。第2試合は、連覇を狙う東福岡に伏見工業がチャレンジ。今年一年を通じてSOの定まらなかった東福岡は、この大一番で大黒柱の布巻をSOに起用。「ディフェンスの強い選手を揃えたかったので」(谷崎監督)という意図が当たった。伏見工業のチャンスの芽を、激しいタックルとボールへの絡みで摘んでいく。最後も布巻のトライで伏見工業を突き放した。

伏見工業の前に出るタックルも見事だったが、ゲームプランとしては、もっと広くボールを動かしたかったようで、そのあたりも東福岡のディフェンスを崩しきれなかった。山口良治総監督は「悔しい。東福岡は、選抜大会などで優勝した自信が接点の強さに表れていましたね」と涙を浮かべた。東福岡の谷崎監督は「久しぶりに迫力ある、緊張感あるゲームを見せてもらいましたね」と安堵感のある笑顔で語った。

桐蔭学園と東海大仰星も、最後までもつれる大接戦。東海大仰星が大型FWのモールと、BKのテンポのいい攻撃を絡めれば、桐蔭学園もFB松島の快走などで切り返し、前半を終えて、19-17で仰星リードで折り返す。後半も拮抗した展開が続いたが、後半なかばから東海大仰星のディフェンスが甘くなり始め、桐蔭学園が何度もラインブレイク、ついにCTB濱野が逆転トライ(27-26)。ところが、これでは終わらなかった。最後の最後に東海大仰星がPGチャンスを得る。しかし、22mライン付近の左中間からのキックはゴールをそれ、そのままノーサイドとなった。

最後の大阪朝鮮と流通経済大柏の対戦も、流経大柏が健闘。後半なかばまでは、勝敗はどちらに転ぶか分からなかったが、大阪朝鮮はSH梁正秋(リャン・ジョンチュ)を軸に防御を崩し、LO南宗成(ナム・ジョンソン)が3トライをあげる活躍もあって、快勝した。4試合の結果は以下の通り。直後に組み合わせ抽選会が行われ、5日の準決勝カードが決まった。

◎全国高校大会準々決勝結果
関西学院○5-0●國學院久我山(前半5-0)
伏見工業●12-20○東福岡(前半5-8)
桐蔭学園○27-26●東海大仰星(前半17-19)
大阪朝鮮○32-10●流通経済大柏(前半10-5)

◎準決勝組み合わせ(1月5日)
桐蔭学園 対 大阪朝鮮
関西学院 対 東福岡

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大学選手権準決勝結果

2日は東京の国立競技場にいた。大学選手権準決勝をJSPORTSで解説するためだ。大阪、京都が冷え込んでいたためか、東京は暖かく感じた。僕は2試合目の解説だったので、第1試合は記者席で見る。

関東大学対抗戦では4位だった帝京だが、大学選手権に入ってからは強みであるFW戦に絞った戦い方で勝ち上がってきた。いま一番勢いのあるチームかもしれない。東海に対しても、戦い方は徹底されていた。先制トライこそ東海FL前川に奪われたが、あとはFWでボールをキープし、東海にチャンスを与えない。東海は焦りからか反則が多くなり、そのたび自陣に釘付けになった。

帝京は、SO森田がトライを返し、難しいコンバージョンも決めて同点にすると、38分、FLツイのトライで14-7とリード。後半も、FWを前に出しながら戦い、最後は、WTB富永のトライで突き放した。「しぶとく攻守に力を出し切れた」と笑顔の岩出雅之監督。これで、帝京は3年連続の決勝進出となった。対抗戦ではボールをワイドに展開しようとしていたが、選手権ではそれを封印し、ブレイクダウンの激しさで相手に圧力をかけ続けている。チーム全体の集中力も一戦ごとに高まり、連覇まであと一勝だ。

東海は、前半早々にSH鶴田が負傷退場したのが、なんとも痛かった。リーグ戦で膝を痛めていたSO阪本がようやくリザーブ入りできた矢先、要のSHの怪我である。経験あるHB団を欠いたうえ、FWで圧力を受けては得意の展開ラグビーに持ち込むのは至難の業だ。後半7分に阪本が交替出場しFB豊島らがトライを返したが、届かなかった。日本代表マイケル・リーチを擁し、初優勝のチャンスも十分だっただけに悔しさもひとしおだろう。

第2試合は、立ち上がりから明治がSO田村を軸にボールを素速く動かして攻勢に出た。何度もラインブレイクしたのだが、早稲田のディフェンスは崩れなかった。NO8有田、FL中村、CTB村田らの激しいタックルが何度も明治を押し戻す。前半7分には、激しいタックルを受けた明治CTB衛藤が負傷退場。なおも攻める明治だが、個々の突進では抜けきれず、防御背後へのキックを切り返されては早稲田FB井口らにトライを奪われた。前半の最後には、大黒柱のSO田村も脇腹を痛め、満足に走れない状態となる。我慢して出場していたが、ディフェンスが一枚欠けたような状態では早稲田を止めきれない。後半、つぎつぎにトライを奪われた。

記者会見での吉田義人監督は厳しい表情だった。「早稲田のFWのワークレートの高さ、BKのアタックの鋭さは素晴らしい。一対一のところでもディフェンスをずらされていた。山中君に余裕を持ってプレーさせてしまったのが、大差の要因でしょう」。ただし、FWの強化については、「ある程度成果をあげることができました」と一年を振り返り、「BKの総合的な力を上げて行かなくてはいけないと強く感じました」と話していた。早明戦のときのように、FWに固執せずリスクを冒してもボールを動かしたが、動かした後にさらにFWで攻めるという狙い通りにはいかなかった。攻撃面が未完成だったということだろう。

大勝の早稲田・辻高志監督は、「相手が明治だったからこそ、早稲田は強くなれた。明治に感謝しています。(ハイパント多用については)たまたまそういう地域でのプレーが多くなったということでしょう。でも、キックの精度、チェイスの精度ともに高かったです。一番感じたのは、試合に出られない仲間のためにタックルしようという気持ちです」と、素晴らしいタックルの連続を称えた。有田隆平キャプテンは「前半戦っていて、引いたほうが負けると思いました。前半は少し軽いプレーもあったと思います」と冷静に振り返っていた。

これで、決勝戦は早稲田大学対帝京大学というカードになった。辻監督は、決勝戦について問われると、「対抗戦のときと、帝京はまったく別のチームになっています。あの時の勝利のことは考えません。早稲田がこの一年取り組んできたことを100%出すだけです」と力強く語った。

◎第47回全国大学選手権準決勝結果
帝京大学○36-22●東海大学(前半14-7)
早稲田大学○74-10●明治大学(前半15-10)


1月2日、地区対抗大学大会も開幕している。1回戦の結果は以下の通り。

◎第61回全国地区対抗大学大会1回戦結果
大阪経済大学○27-19●新潟大学(前半15-12)
徳山大学○45-15●道都大学(前半17-10)
愛知工業大学○29-11●東京都市大学(前半12-8)
鹿屋体育大学○28-26●仙台大学(前半13-5)

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