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2012年1月1日 - 2012年1月7日

高校大会・決勝結果

7日は東大阪市の近鉄花園ラグビー場にて全国高校大会の決勝戦が行われた。U18合同チーム東西対抗は、西軍が57-7と快勝。N08辨天(べんてん)の突進力など、西軍の個人技が光っていた。そして、決勝戦。三連覇に王手をかけた東福岡は公式戦79連勝とこの3年間負けを知らない。無敵の王者にハイスピードラグビーの東海大仰星がどう挑むか。午後2時過ぎ、注目のキックオフ。

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前半4分、まずは東福岡がPGで先制する。5分、東福岡陣内10mライン左のスクラムから東海大仰星がサインプレーを仕掛けた。実はここで選択されたサインプレーは、過去に何度も東福岡のディフェンスを破った仰星の得意技だった。ところが、CTBのダミーシザースから外側に展開しようとしたパスを、東福岡WTB中野がインターセプトし、約50mを独走して10-0と引き離すトライをあげた。「あれは、完全にやられました。インターセプトされなければ、ウチがトライしていた。あれで決まりましたね」と仰星の土井監督。東福岡は、CTBとWTBの間隔を広くして防御ラインを作っていた。つまり、仰星に抜けそうなスペースを見せておいて、パスをさせ、中野が判断良く飛び出したのだ。もし仰星が先にトライをしていれば、スコアはもっともつれただろう。

風下の仰星は自陣深くからもボールをキープして攻めようとするのだが、パスを多くするスタイルということもあって、ミスが起こる。東福岡は19分、SO近藤がゴール前でパスをカットして15-0とするトライをあげた。仰星も25分、ラックからのこぼれ球にSH湯本が反応してパスをつなぎ、最後はWTB近藤が右コーナーぎりぎりにトライを返す。追いすがるFB藤田との見ごたえあるシーンだった。

後半2分、東福岡は、ラインアウトから攻め、SO近藤がラインブレイクしてFB藤田につないでトライを追加。6分、仰星もFL上田がトライを返し、風上を利して東福岡陣で戦うことが増えるのだが、東福岡は好タックルを連発し、ボールを奪い返すと、キックを使わなくてもボールをつないで陣地を戻す力強さを見せる。16分には、自陣から展開し、FB藤田が抜群のスピードでタックラーを振り切り、WTB藤崎につないで、36-12と突き放した。2分のトライは、仰星のダイレクトタッチが起点だったのだが、そのラインアウトに素早くならんで一気にトライを奪ったところに仰星の土井監督も感心していた。「ミスで動揺した選手のところをすかさず攻めてきた。あんなこと社会人や大学でも、なかなかできませんよ」。仰星もこのあと2つのトライを返すのだが、最後は36分だった。終了間際にもうタッチに出してもいいところを、東福岡が攻めたからだ。それを切り返してトライを奪った仰星もいい。互いに、「このチームでもう少し試合がしていたい」とでもいうような攻防に胸を打たれた。

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東福岡のディフェンスの粘りは凄まじかったが、何より各選手の判断の良さに感心させられた。思い切ってタックルするところ、少し待った方がいいところ、インターセプトを狙うところなど的確で破たんしない。藤田雄一郎コーチは、両WTB(中野、藤崎)のディフェンス能力の高さを称えた。また、こうも言っていた。「三連覇も嬉しいのですが、それより6年連続ベスト4が嬉しい。コーチとしても誇らしいです」。才能ある選手が自由奔放にプレーする印象が強い東福岡だが、その強さは、地味に体をぶつけ合う練習に支えられている。そして、相手のミスに乗じて一気に攻めきる集中力、ゲーム理解力の高さは常にプレーの意味を自分の頭で考えているからこそだろう。立派な三連覇だった。

敗れた東海大仰星も風下の前半こそ、自陣からの攻めでもミスが出たが、後半は細かいパスをつなぎながら3トライを返した。ハイテンポの攻撃は見ていて胸躍る。土井崇司監督も潔かった。「東福岡は強かった。三連覇に相応しいチームです。うちの選手もよくやりました。ボールを素早く動かしてトライをとるという、ずっと取り組んできたことも出してくれた。こんなにボールがよく動く決勝戦、珍しいでしょう? 選手の伸び率を考えれば、僕は選手のパフォーマンスには満足です。これからも、日本中の子供たちが、ラグビーって面白い、かっこいいって思ってくれるようなラグビーを追い求めます。それが日本代表が世界に勝つラグビーにもつながると思っていますから」

東福岡の谷崎監督は言った。「ノーサイドの笛は始まりの合図」。明日からまた全国大会の決勝戦の場に立つための準備が始まる。

■全国高校大会・決勝戦結果
東福岡○36-24●東海大仰星(前半22-5)

お知らせ◎「上原浩治選手×大畑大介氏×建山義紀選手 出演トークショー開催」。ぴあ株式会社主催のトークライブです。大阪・東海大仰星高校1年1組でクラスメートだった3人のトップアスリートをゲストに迎えて「己を信じぬく力」「チャレンジ精神」をメインテーマに。ラグビーについても、優勝争いが熾烈なトップリーグ、日本選手権の見どころ、注目チーム、注目選手なども。その他、来場者からの質問を受け付けるコーナー、プレゼント抽選コーナーも予定されています。
■日時:2012年1月12日(木)記者懇親会17:00~17:45(受付開始16:30)
トークショー19:00~20:50(開場18:00)
■会場:なかのZERO 大ホール(住所:東京都中野区中野2-9-7)
■出演者:
ゲスト/上原浩治(プロ野球選手/MLB・テキサスレンジャーズ投手)
大畑大介(元ラグビー日本代表/神戸製鋼コベルコスティーラーズアンバサダー)
建山義紀(プロ野球選手/MLB・テキサスレンジャーズ投手)
ホスト/青島健太(スポーツライター/TVキャスター)
ナビゲーター/パトリック・ユウ(スポーツDJ)
■放送予定:日テレG+にて2012年2月放送予定
■チケット:全席自由2,500円(税込)
※チケットぴあhttp://pia.jp/t/talkbattle/0570-02-9999(Pコード:820-249)
セブン-イレブン、サークルK・サンクスにて好評発売中。

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高校大会・準決勝結果

1月5日は、花園ラグビー場だった。全国高校大会・準決勝を取材、解説(JSPORTS)するためだ。で、ふと思ったのだが、普通の会社勤めだったらラグビー場に来られない人が多いはず。僕がもし今の仕事をしていなかったら、きっとなんらかの理由をつけて、どこかのテレビで見るか、こっそり花園に行っていただろうなぁ。それでも、花園ラグビー場には一万人以上の観客が集った。

第1試合は、三連覇を狙う東福岡対大阪の常翔学園の対戦。互いに高い攻撃力を持つチーム同士だけに、ダイナミックな攻撃が連続した。キックオフから十数分は、常翔学園が攻勢に出る。20分過ぎに、突破力あるSH岡田がゴールに迫ったが東福岡の激しいタックルに獲りきれず、逆に東福岡は前半終了間際に攻め込み、キャプテンのFL木村の突進をサポートしたPR平野が左中間に押さえ込んだ。後半も常翔学園はFB重を中心に自陣からも仕掛けたが、東福岡のディフェンスは安定感があった。後半15分には、FB藤田の突破からWTB中野が突き放すトライをあげ、藤田の個人技でのトライもあって大勢を決めた。最後は常翔学園もNO8桶谷がトライを返したが届かなかった。

「前半のうちにトライが獲れたのが大きかったですね」と東福岡の谷崎監督。「選手のおかげで楽しませてもらいました。決勝は勝っても負けてもこのチームの最後の試合ですから、頑張ってくれるでしょう」と、いつも通りプレーするのは選手だから監督は見守るだけというスタンスを崩さなかった。

第2試合は、この一年で5度の練習試合をするなど交流の深い東海大仰星(大阪)と御所実業(奈良)の対戦だった。こちらは相手に対応した工夫を凝らした戦いで緊張感ある時間が続いた。前半はトスに勝った仰星が風下を選択し、前半我慢、後半勝負の作戦に出る。「御所には練習試合でも必ずモールでトライされる。前半2トライなら許容範囲」(仰星・土井監督)。その言葉通り、前半10分、御所がモールを押し込んで先制トライをあげる。しかし、4分後には仰星もWTB近藤が左コーナーに飛び込んで同点。前半を逆に12-8とリードして折り返したことが勝敗を決めた。

御所の竹田監督も「前半1トライなら相手を零封しないといけなかったのに、トライされてしまいました。計算通りには行きませんね」と苦笑。後半開始早々には、仰星のWTB近藤が約80mを走りきるビッグプレーで17-8とリードを広げた。だが、御所もしぶとい。29分に大黒柱のSO竹田がゴール前のスクラムサイドから単独でポスト下にトライし、17-15に迫る。最後は時間切れとなったが、最後まであきらめない立派な戦いだった。

「近藤がエース的な存在感を示してくれた。味方に勢いを与えてくれました」と土井監督はトライゲッターを称えた。「東福岡との決勝は光栄です。今年のチームは、一試合ごとにニョキニョキと伸びています。東福岡とどこまで戦えるか楽しみです」と笑顔で語った。

竹田監督は、「東福岡とやりたかった」と悔しそう。もし当たれば秘策があったようだ。公立高校ということもあって強化は簡単ではないが、地元の子供たちを軸に強豪チームを作ってきた。キャプテンの竹田祐将は、竹田監督の四男。「ラグビー人口が増えないなら、自分で増やそうと思いまして」と全員を御所に入れて育て上げた。報道陣から、末っ子の卒業について問われると、「3年間、よくがんばってくれました」と目を潤ませた。

■全国高校大会・準決勝結果
東福岡○28-5●常翔学園(前半7-0)
東海大仰星○17-15御所実業(前半12-8)

追記◎コメント欄で、御所実業と京都成章の試合が抽選まで放送されなかった旨のご質問がありましたが、単に時間枠の問題と、高校大会では次々に試合が行われるので抽選まで映像で追ったことはないように思います。他意はありません。

お知らせ1◎1月2日、NHK-BS1で放送された伝説の名勝負。コメントでも反応いただきましたが、個人的にもたくさんの方から反応がありました。その番組で学生時代を振り返ってくれた平尾誠二さんを迎えてのトークライブが、1月20日夜、神戸で開催されます。以前もお知らせしたとおりですが、若干席がありますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

「第3回ラグビートークライブ・プレミアム」
日時:1月20日(金) 19時開始(18時30分より受付)
※約1時間のトークの後、お食事しながらの交流会
会場:トラスティ神戸(神戸市中央区浪花町63番地)
※三宮駅より徒歩3分
進行:村上晃一
ゲスト:平尾誠二、横山剛
会費:6,000円(tax in Freedrink & Buffet)
☆お申し込み先は以下へ。
株式会社ホスピタリティ・ブランディング
info.hb@bwg.co.jp
TEL:078-325-3303(株式会社ブレインワークス内)
FAX:078-325-3301
担当 上林山(カンベシヤマ)、永末(ナガスエ)
※受付時間はお電話の場合は、朝9時から18時。

お知らせ2◎恒例となったみなとスポーツフォーラム。次回は、1月30日に陸上界からプロランニングコーチの金哲彦さんを招いて開催。箱根駅伝や東京マラソンを例にスポーツイベントについて語られるそうです。詳しくは以下より。
http://www.rugby-japan.jp/news/2011/id12264.html

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高校大会・準々決勝結果

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3日は花園ラグビー場だった。全国高校大会はベスト8のぶつかりあい、準々決勝が行われた。写真の通りの大観衆である。メインスタンドも入っていた。一日4試合、同じスタンドでたっぷり楽しめる1月3日は、人気が高い。

第1試合は、東福岡対桐蔭学園という昨年の決勝カード。そのときは引き分けて両者優勝だった。この日は、前半、東福岡が14-6とリードする。しかし、後半に入ると桐蔭学園が自陣から果敢にボールをつなぎ、東福岡のディフェンスを崩し始める。後半15分、桐蔭FB鈴木のトライ、ゴールで18-19と迫り、18分、鈴木のPGで21-19と逆転。大歓声が上がった。しかし、東福岡は、直後の桐蔭陣内スクラムからFB藤田がトライして再びリードし、SH岩村のPGで突き放した。桐蔭にも十分に勝機があったのだが、タッチを狙ったキックが出ないなど、手痛いミスもあった。

第2試合は、常翔学園が前半7分、11分とトライを奪って、12-0としてそのまま勢いに乗るかと思われたが、佐賀工業もSH荒井がスクラムからのアタックで12-7とし、なおも攻める。しかし、前半終了間際、常翔学園はSH岡田がゴールラインに向かっての力強い突進でタックルをかわして19-7と突き放すトライをあげ、後半開始早々にもSO後藤がトライしてリードを保ったまま優位に試合を進めた。FB重のランニングスキルの高さは光っていた。

最後までもつれたのが、第3試合の京都成章対御所実業だった。近畿大会優勝の京都成章だが、そのときは御所実業とは試合しなかった。両チームは毎週のように合同練習を繰り返す間柄で手の内は知り尽くしている。練習試合では御所がずっと勝っているようだった。僕は成章OBの矢富勇毅選手(ヤマハ発動機)と一緒にJSPORTSで解説だったのだが、両チームのリアクションの素早さに驚きながらの話になった。成章が攻め込み、きれいにラックを乗り越えてボールを出したシーンがあったのだが、ボールが出た時には御所のディフェンスラインが揃っていて、これには驚かされた。

成章のボールキャリアへの近くて分厚いサポートプレー、御所のディフェンスラインの素早い戻りにも感心させられた。成章は前半26分にNO8坂手があげたトライのみの7-0で後半も粘り強く守ったが、ノーサイド直前にゴール前のピンチでモールを崩すコラプシングの反則を犯し、ペナルティトライを奪われた。この場面いついて、成章の湯浅監督は「守りきれなかったのが実力。御所が強かったということです」と潔かった。抽選の結果、準決勝への出場権は、御所実業へ。京都成章のロッカールームから外の報道陣にまで泣き声が聞こえた。泣きながら、「ありがとう」という言葉が何度も繰り返されていた。

ロッカールームの外でしばらく呆然と立っていた湯浅監督は、泣き声がある程度落ち着いたところで中に入り、選手を集めると、「ナイスゲーム! ありがとう!」とその奮闘をねぎらった。

第4試合は、優勝候補の一角である東のAシード校、國學院栃木と東海大仰星の対戦だった。國學院栃木はよくボールをキープしながら攻め、何度もラインブレイク。FB田村煕も巧みなステップワークで見せ場を作った。前半4分には田村が、14分には、キックチャージからWTB吉岡がトライして、12-0と國學院栃木がリードしたが、東海大仰星もWTB近藤のインターセプトからの独走トライで反撃を開始。前半のうちに14-12とスコアをひっくり返すと、後半も國學院栃木のBK攻撃を粘り強く止め、さらに2トライを追加して快勝した。互いにボールを動かして攻め合う面白い試合だった。

◎全国高校大会準々決勝結果
桐蔭学園●21-29○東福岡(前半6-14)
常翔学園○31-14●佐賀工業(前半19-7)
京都成章△7-7△御所実業(前半7-0)
國學院栃木●12-24○東海大仰星(前半12-14)

◎1月5日・準決勝組み合わせ
東福岡(福岡) 対 常翔学園(大阪第二)
東海大仰星(大阪第三) 対 御所実業(奈良)

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大学選手権準決勝結果

1月1日の夜、東京に出てきて、2日は国立競技場に向かった。一昨年までは、東京に帰ってきた、と表現していたのだけど、今や上京である。大学選手権準決勝2試合が行われた国立競技場には強風が吹き荒れていた。観客は、2試合目時点で1万6377人。第1試合は、2回戦で早稲田を破った関東学院と、2回戦で慶應義塾を破った天理の戦いだった。FW戦では関東が有利、スクラムと得意のモールで圧力をかければ関東の流れになるかと思われたのが、風下の天理は、前半開始早々からSO立川の軸にラインブレイクを連発し、圧倒的な攻撃力で次々にトライを重ねた。

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前半5分、SO立川の突破からつないで最後はWTB宮前が先制トライ。15分には、ゴール前のラックからSH井上が持ち出したところにLO上田が走り込んで2つ目のトライ。関東学院も22分、モールを押し込み、最後はラックサイドをLO後藤が持ち出してトライを返したが、その後も天理のスピーディーな攻撃が関東学院ディフェンスを翻弄し、前半だけで5トライをあげた。ただし、強風下だったこともあってトライ後のコンバージョンキックが入らず、27-7とスコアが伸びなかったのは気になるところだった。

後半に入ると、関東学院が密集サイドとタッチラインの間の狭いスペースを執ように攻め、大きくゲインすると、LO後藤、NO8安井が立て続けのトライし、27-17に迫る。さすがに試合巧者の関東学院である。このまま拮抗した展開になるかと思われたのだが、12分、またも立川のロングパスからチャンスが生まれ、WTB木村が俊足を飛ばして左コーナーへダイブ。残り時間にもう2トライを追加して天理が快勝した。それにしても、最近の大学チームでこれだけ綺麗にトライをとるチームはなかった。「両CTBにプレッシャーが行っていたので、僕の前が空きました」と立川は謙遜したが、タックラーを翻弄するステップワーク、ハンドオフ、素早く長いパス、そして正確なキックパスは見事。プレースキックは不調だったが、高速BKラインを見事に操った。

「素直に嬉しいです」と天理の小松節夫監督。「トスに負けて、向こうがボールを取ったので、こちらは風下を選びました。風下で前半は我慢しようと思ったら、意外にボールが動きましたね。FWがよく頑張ってボールを出してくれました」。選手をたたえて笑顔だった。天理は初の大学選手権出場だが、小松監督は、同志社大学時代に決勝戦で早稲田と戦ったことがあり(1987年度)、その経験は大きいだろう。

第2試合は、帝京対筑波の対戦だった。この試合は、第1試合から一転して、FWの密集周辺にボールが集中した。彦坂、竹中という俊足WTBを擁する筑波に対して、帝京はFWで圧倒する戦い方に徹した。強力なスクラムで圧力をかけ、12分、この日大活躍だったHO白の前進でできたラックサイドをLOボンドがついて先制トライ。17分に筑波が帝京ゴールライン直前まで攻め込んだが、HO白がターンオーバーに成功し、27分には、筑波ボールのスクラムを押し込み、ボールコントロールを乱してボールを奪い、最後は、白がポスト下にトライをあげた。

筑波も反撃を試みるのだが、自陣でダイレクトタッチなどミスを犯し、攻撃しやすいボールをなかなか獲得できなかった。何度かWTB彦坂が抜けそうになったのだが、帝京のLOボンドが事前にスペースを消すなど、帝京のディフェンス意識は高かった。後半は、筑波が「ボールを動かしていきます」(古川監督)と、果敢に攻撃を試み、1年生SO松下がPGを決め、3-17とし、なおも攻めたが、11分、帝京はSH滑川がインターセプトから約50mを走りきった。筑波の反撃ムードを断ち切る値千金のトライだった。

「きょうはFWで圧倒しようと話していました。全員が、しぶといプレー、痛いプレーをしてくれた。試合のテーマは【一つ】でした。一つ一つのプレーをしっかりやる。一つに全精力を出し切ろうということです。決勝に向けては、もう一度強みを整理して臨みたい」と岩出監督。試合前、「きょうは最初からがんがん行きますよ」と話していた岩出監督だが、筑波の個々の強さもあって、圧倒するところ前はいかなかった。しかし、ボールキープ力は確かで危なげはなかった。これで、帝京は4年連続の決勝戦進出である。大学選手権史上2チーム目の三連覇に王手をかけたわけだが、このFWの強さがある限り、決勝戦(対天理)も優位に戦えそうだ。

天理の攻撃力が果たしてどこまで通じるか。というより、攻めるボールがどれだけ確保できるかが決勝戦のポイントだろう。天理のフラット(横)なパスで防御を崩すスタイルは、就任19年目の小松監督が、少しずつ積み上げてきたものだ。有望選手の獲得がままならず、体格も小さい天理は、運動量豊富に動き回って、リアクションスピードを上げることでしか勝つことができなかった。だから、FW戦が劣勢でも、確保できるボールが少なくても攻めきるスタイルを磨いてきた。そうやってAリーグに復帰し、機が熟したところで、立川、ハベア、バイフという大学ラグビー界屈指のタレントを得た。ベースがしっかりしているからこそ、この3人も輝くのである。今も、ほとんどの選手が高校時代は無名。きょう出ていたFL唄(ばい)圭太は、167㎝、62㎏。高校大会でも見られないような小さなFLだ。決勝進出は立派。このチームが帝京にどこまで戦えるのか興味深い。

■第48回全国大学選手権大会準決勝・結果
関東学院大学●17-42○天理大学(前半7-27)
帝京大学○29-3●筑波大学(前半14-0)

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2012年元旦(高校大会3回戦)

あけまして、おめでとうございます!
今年もラグビー愛好日記、ぼちぼち書いていきますので、よろしくお願いします。

2012年1月1日は、自宅で白みその雑煮を食べてから花園ラグビー場に向かった。三が日のダイヤが違うことを忘れていて危うく遅刻するところだったが、なんとか一試合目の打合せに間に合った。第1グラウンドの第一試合は、奈良の御所実業対岩手の黒沢尻工業戦だった。立ち上がり、両チームともにミスが目立った。緊張感かもあったのだが、どうやら、芝生に霜が降りたために表面が濡れており、足を滑らせたり、手にボールがつかない状況だったようだ。試合は、大型フロントローを擁する御所実業がモールを軸に得点を重ねて32-14と競り勝った。

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佐賀工業対國學院久我山(東京)、大阪の常翔学園と長崎北陽台、國學院栃木対深谷(埼玉)など、さすがにベスト16の激突とあって実力者同士の拮抗した試合も多かった。僕がじっくり見た試合では、長崎北陽台が優勝候補の一角である常翔学園に対して、後半なかばに17-17と追いつく健闘が光った。一人、二人と抜かれても決してあきらめない粘り強いディフェンスは見事だったが、それを徹底した攻撃的ラグビーで寄り切った常翔学園もさすが。しなやかなランナー、WTB松井、ステップワークのいいFB重、パワフルなSH岡田らの個人技も目立っていた。

このほか、東福岡が三ケタ得点での大勝。東海大仰星(大阪)も四日市農芸(三重)を素早くボールを動かす攻撃で破り、順当に勝ち上がった。8試合終了後、準々決勝の組み合わせ抽選会が行われた。そして決まった組み合わせは以下の通り。東福岡の藤田コーチは、「決着をつけたいですね」と昨年の決勝カードに、望むところといった様子。京都成章と御所実業は毎週のように合同練習をしているとあって、両監督とも苦笑い。すべてバレていますから、何も隠せません」と京都成章の湯浅監督。御所実業の竹田監督も「何も探り必要がない」と今の実力をぶつけあう真っ向勝負を見据えていた。

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◎準々決勝組み合わせ
2012年1月3日
10:30 桐蔭学園対東福岡
11:50 常翔学園対佐賀工業
13:10 京都成章対御所実業
14:30 國學院栃木対東海大仰星

追記◎花園名物ラグビーまん。一度ご賞味を。

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お知らせ◎1月2日、午後10時から、NHK-BS1で、1985年1月15日の日本選手権を振り返る「伝説の名勝負」が放送されます。社会人V7の新日鉄釜石の松尾雄治監督、大学V3の同志社大学の平尾誠二主将代行。二人のゲームリーダーがあの時を振り返ります。僕は進行役で出演しています。50分を3ブロックの長時間ですが、ご覧ください。この番組のホームページもあり、出演者のメッセージなどが公開されています。
http://www.nhk.or.jp/bs/densetsu/

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