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日本選手権2回戦結果

スーパーラグビー、シックスネーションズと海外でも熱い試合が続いている。田中史朗選手のハイランダーズ、やったね。

2月23日は、日本選手権2回戦が秩父宮ラグビー場で行われた。第1試合は、東芝ブレイブルーパス対トヨタ自動車ヴェルブリッツの戦い。戦前の大方の予想通り、拮抗した試合になった。激しいコンタクト合戦とボール争奪戦での執拗なプレッシャーの連続。前半28分までは東芝SH小川、トヨタSO文字がPGを決め合って、6-6。36分に東芝がPGを追加したあと、トヨタのトライが生まれる。東芝陣中央のラックから右に動かすと見せて、文字が左へ切り返し、WTB水野が東芝のリーチ、カフイを引き付けるランでCTBタウモエピアウが抜け出し、FLホップグッドがインゴールまで走りきった。前半は13-9と、トヨタリードで折り返した。

後半は、メンバー変更が明暗を分けた。東芝は、突破役を増やすためにFLベイツを投入し、トヨタは、PR中村、HO上野キャプテンが負傷のため、HO彦坂、PR佐藤を入れ替えざるを得なくなった。スクラムに関してトヨタは苦しくなり、東芝が前に出始める。加えて、ベイツのアグレッシブな突進は東芝の勢いを引き出した。東芝はHO湯原のトライで16-13と逆転。トヨタも文字の内返しのパスでチャンスを作って、タウモエピアウがトライして再び逆転るすが流れは東芝に傾いていた。19分、トヨタのFLホップグッドがラックで手を使ったとしてシンビン(10分間の一時退場)。25分には、交代出場のFL吉田光治郎が一つ目のタックルで肩を痛めて退場する。文字のPGで21-16としたが、東芝はWTB大島のトライで同点(小川のゴールは外れる)。最後は交代出場のSOヒルが決勝ドロップゴールを決めた。ベイツ、大野、ヒルと34歳以上のベテランを投入して流れを引き寄せた東芝のメンバー交代の巧みさが光った。

「見ての通りの辛勝。トヨタの圧力を受けてまっていた」と東芝の和田監督。リーチキャプテンは、「トヨタは予想通りブレイクダウンにプレッシャーをかけてきた。勝てて嬉しい」と目を腫らした痛々しい顔でコメントした。負けてシーズン終了となったトヨタの上野キャプテンは、「チャレンジャーとしてみんなよく力を出した。トヨタのラグビーをやり切ることはできたが、悔しい」と自身が負傷退場してしまったこともあって言葉少なだった。

第2試合は、神戸製鋼コベルコスティーラーズ対ヤマハ発動機ジュビロ。セカンドステージでは、27-12でヤマハが勝っているが、その後、神戸製鋼は正面をSOにするなど、より攻撃的なチームに変身した。注目の戦いは前半から拮抗した。序盤は神戸製鋼が攻め込んだところでヤマハが反則を犯し、神戸製鋼SOウィングが2PGを決めてリード。その後PGを決め合って、9-3となった36分、ヤマハはハーフウェイライン付近から五郎丸が天高く舞い上がるハイパントを蹴り上げ、22mライン付近へ。これをヤマハのWTB徐、田中がしっかり追いかけて競り合い、こぼれたボールを田中がパスアウトし、サポートしたPR山本がゴールラインを駆け抜けた。前半は10-9とヤマハの1点リードで終わった。ヤマハ各選手の的確な動きが目立つ前半40分だった。

ハーフタイム。天皇皇后両陛下の御着時は、観客の皆さんが拍手で迎えた。

後半1分、先にチャンスを迎えたのはヤマハだった。FB五郎丸がハーフウェイライン付近右中間よりPGを狙う。これはショート。しかし、5分には五郎丸がPGを決め、13-9とリードを広げる。その後も、ヤマハが相手陣で攻めるが神戸がFL前川のタックルでボールを奪い返し、交代出場のFL安井の突進から相手陣へ。12分にはFB濱島がラインブレイクして、WTB今村につなぎ、14-13と神戸が逆転。しかし、流れはそのまま神戸に行かなかった。自陣22mライン付近のスクラムからタッチにうまく出すことができずに、ピンチを招くと、ヤマハはFLトゥイアリイがトライし、五郎丸のゴールも決まって、20-14とし、23分には五郎丸のPGで23-14とする。

ヤマハのディフェンスラインは後半20分をすぎてもよく前に出た。そして、試合を決めきる好機があった。26分である。交代出場のSO曽我部がゴールライン上にキックパス。これを追ったWTB徐が俊足を飛ばして追いつき手を伸ばしたが、わずかにタイミングが合わずにノックオン。もしキャッチしていればそのままインゴールに飛び込めるシーンだった。直後の29分、神戸製鋼は自陣ゴールラインを背負った位置から交代出場のフレイザーアンダーソンが前進し、ボールをつなぎながら、最後は、FB濱島がトライ。簡単にグラウンディングせず、左中間までボールを運んだことで、ゴールも決まり、21-23と2点差に迫った。

ヤマハも五郎丸が45mのPGを決めて、引き離したが、37分、神戸製鋼がゴール前のPKからモールを組み、LO伊藤がトライ。正面のゴールも決まって28-26と逆転。接戦をものにした。「ヤマハはいいスクラムと、いいラインアウトからモールを持っています。そこによく対応できました。48人が45週間努力してきた結果の勝利です」と神戸製鋼の苑田ヘッドコーチ。「きょうは勝利にひたります。明日は休んで火曜日からパナソニック戦に備えたい」と話していた。

敗れたヤマハは、試合後のグラウンド上の円陣で清宮監督が言葉を失っていた。簡単にかける言葉が見つからない。それくらい、いい準備をして、選手達が力を出し切った試合だったということだろう。170㎝、80㎏のCTB宮澤は、何度も低いタックルで刺さり、208㎝、121㎏のアンドリース・ベッカーを一発で倒すなど感動的に奮闘した。記者会見で清宮監督は「ヤマハのプレースタイル、プライドは出せた」と話した。

■日本選手権2回戦結果
東芝ブレイブルーパス○24-21●トヨタ自動車ヴェルブリッツ(前半9-13)
ヤマハ発動機ジュビロ●26-28○神戸製鋼コベルコスティーラーズ(前半10-9)

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    コメント

    初の天覧試合、2試合とも大接戦で大変楽しめました(ただ、試合レベルと観客数はやや物足りず)。
    TLセカンドステージ終了から既に5週間経過してお腹一杯、「お会計お願いします」って感じです。日本選手権決勝迄、7週間もあると間延びだし、セカンドAグループと同じ試合が9試合出現では飽きてしまいます(そんな事もあろうかと、12月は大学と高校メインに観戦)。また、シーズン最終盤はアップセットが期待しにくいという面もあります(ここ迄セカンド上位順位のチームが9勝1敗)。
    日本選手権は、11月のウインドウマンス休みも使って年内に終了。年明けからセカンドの残り試合を消化後、プレイオフ3試合でシーズン終了の方がすっきりするかも知れません(その場合ワイルドカードトーナメントは廃止になるので、ファンの注目度が低くなりがちな、セカンドBグループの1位対2位による優勝決定戦や、TL入替戦を、POセミファイナルの前座でやるのもありですね)。

    投稿: 坂石町分 | 2014年2月26日 23:19

    天覧と聞いて、多くの人が思いつくのは長嶋茂雄氏のホームランではないかと思います。

    私はその世代ではないので、天覧と聞くと、天覧競馬を思い出します。ダービー馬エイシンフラッシュを駆って秋の天皇賞を制したミルコデムーロは、ウイニングランの中、突然下馬し、ヘルメットを脱ぎ、天皇、皇后両陛下に対して、ひざまづいて敬意を表しました。馬券を外した私も、まさにぐうの音も出ないカッコ良さ。興味のある方は、簡単にYouTubeで見れるので見てみてください。

    ラグビーでも、オッと思わせてくれるものがあるかな?と期待しましたが、そういう後々まで語り継がれそうなことは起きなかったですね。残念。

    投稿: テルキー | 2014年2月26日 21:24

    東芝がんばりや-
    今週末の花園ラグビ-場の東芝VSサントリ-戦に東芝の廣瀬君が出身の吹田ラグビ-スク-ルの選手、コ-チ、父兄約170名を招待してくれることになりました。
    廣瀬君、毎度おおきに~
    今年度は吹田RS出身の堀江君のいるパナソニックもトップリ-グで優勝したし、吹田RSの中学部も全国大会に出れたし、小学部もヒ-ロ-ズの決勝大会に出れたし全くラッキ-なシ-ズンでしたわ。(たいしたコ-チもおらんのになあ~)
    残るは廣瀬君のいる東芝に日本一になってもらって有終の美を飾ってもらうしかないで!
    頼んまっせ!

    投稿: ぼちぼちでんな | 2014年2月26日 12:02

    陛下の「五郎丸は本名ですか?」発言に笑ってしまいました。
    陛下、正面も本名ですよ~。後ろからきても正面ですよ~。
    また来て下さい!

    投稿: ねこぷ~ | 2014年2月26日 06:32

    両陛下が来られたことに感動です。今まで天覧試合ってありましたっけ?
    変なラフプレーとかあったらどうしようとハラハラして観てましたが、いい意味でハラハラする試合で楽しんで頂けたのではないでしょうか?
    両陛下がどれくらいラグビーの知識があるのか存じ上げませんが、会場のスクリーンでリプレーなど流せてれば(まだ工事中?)、より両陛下にとって優しかったのになぁとTV観て思ってました。

    投稿: 亮 | 2014年2月25日 19:56

    ヤマハはSH池町先発の方が良かったのでは?
    今季は彼が出るとテンポ上がりましたからね・・・
    後半18分逆転した時に矢富出てこられた方が神戸サイド
    としては嫌な感じだったと思いますが・・・
    神戸はかろうじて勝ちましたが、外人のLO、CTBの二人が精彩なかった
    印象を受けました。TV観ながら「え!今日フーリー出てないの?」
    と思うくらい存在感薄かったです。
    パナ戦は厳しいでしょうね!正面のゲームメークには注目しますが・・・

    投稿: カズ | 2014年2月24日 16:46

    2試合とも前半と後半が全然違う試合のようでした。
    特に天覧試合となった試合の後半は、シーソーゲーム展開で、
    両陛下もお楽しみになられたのではないでしょうか?
    天覧試合を実現した協会の努力には敬意を表します。
    でも、これで終わりにしないでくださいね。

    投稿: タマモクロス | 2014年2月23日 21:43

    海外にいて残念ながらゲームは見れなかったのですが・・
    nickさんの意見、その通りなんだろうなと想像できました。
    曽我部のプレーは啓光時代からいつもワクワク、でも1試合に1度はハラハラですね。清宮監督はきっとそのワクワク部分を買って彼を誘ったんだと思います。なので確かに彼にはそんな粋な計らいに応えて行かなきゃいけない責務がある、そう思います。日本選手権場面で、もし負けに直接関与したとしたら確かに監督も今後の使い道は考え物でしょう・・それでも私は曽我部が持つハッとさせてくれるセンスを今後も見たいと期待しています。村上さんの今日のコメント(キックパス)も、読んでるだけでエキサイティングでしたから。

    投稿: shuu | 2014年2月23日 21:35

    前半と後半でリズムがガラッと変わった試合だった。

    たまたま神戸が勝った、という試合で、ヤマハの戦いぶりは互角以上だった。

    神戸はSOに正面選手を配置したことで、試合内容が良化したが、そこには、FBが濱島選手になったという面も大きいと思う。守備の安定、堅実に前進するラン、ここに来て充実著しい。あと、前川選手も今日は良かった。
    あとはSHかなと。ここは前半、後半で分担して走りまくってもらうしかないかなあ。

    あと、フーリーとか、ずっと出続けている選手はさすがに疲労がたまっているのか、精彩を欠く選手もいた。長いシーズンの戦い方は考えないといけない。

    あと一試合、4強として戦えるのは貴重な経験。ぜひ、いい試合を。

    橋本キャプテンは大丈夫だったかな…。心配。

    投稿: テルキー | 2014年2月23日 18:42

    神戸vsヤマハをTV観戦。

    いい試合でした。

    ラグビーは体を張った人が偉い(^-^)/

    後半68、相手ゴール前からアタックを受けた時の曽我部選手のタックル。

    自分より大きなアンダーソン選手に対してあれはない。

    結果的に神戸に繋がれて濱島選手のトライ。

    負けたら終わりの試合で何でタックルにいかないの?

    ヤマハに誘ってくれた清宮監督の為に体を張らなきゃ。
    試合後の清宮監督がとても印象的でした。


    あとハイランダ-ズは良かったし、イタリアvsスコットランドも接戦で面白かった。イタリアは結構強いですね。


    とにかく試合がたくさんあって観るのが大変(笑)。

    投稿: nick | 2014年2月23日 18:36

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