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日本選手権・決勝結果

現在の国立競技場で行われる最後のラグビー日本選手権を制したのは、パナソニックワイルドナイツだった。気温15度、湿度30%、絶好のグラウンドコンディション。観客は、19,571人。好ゲームの期待感とともに、試合は、トップリーグのMVP、パナソニックSOベリック・バーンズのキックオフで始まった。

前半4分、バーンズの先制PGで3-0としたパナソニックだが、東芝FLベイツがチームの反則の繰り返しでシンビンになっていた時間帯もスコア出来ず、攻めあぐむ。一対一で確実に前に出て、粘り強くディフェンスしていた東芝は、19分、相手陣で得たスクラムから縦に連続ゲインし、パナソニックのディフェンスが慌てて上がってきたところの裏をつき、WTB大島がトライして逆転(3-7)する。しかし、パナソニックもLOヒーナンの縦突進でできたラックから、田中、バーンズとつないで最後はWTB山田がタッチライン際を駆け抜けて10-7とひっくり返す。それもつかの間、今度は、東芝NO8望月がタックラーをハンドオフでかわしながらインゴールを駆け込み、10-14と再逆転。拮抗した点取り合戦となる。

ハーフタイム。パナソニックのゲームキャプテン北川は、「なんぼ頑張っても肺が破裂するわけじゃない。やり切ろう」とチームメイトにはっぱをかけた。それでもパナソニックにとって苦しい時間が続いた。前半が終わった時点でパナソニックのパス回数は98(JSPORTS調べ)。これはパナソニックがトップリーグで記録した一試合当たりの平均パス回数の128回に迫るものだ。つまり、パスをくり返しながら、攻めきれない展開だったということになる。

後半も一進一退の攻防が続いたが、6分、SOバーンズがゴールライン直前まで自ら突破し、タックル受けながらCTB林にパスをつないだトライで20-14とすると、21分、交代出場のJPピーターセンが左コーナーにトライをあげる。これもバーンズの判断が光った。ゴールラインまで攻め込んだチャンスに、東芝にターンオーバーされそうになったボールを再び取り返した瞬間、バーンズが防御背後に正確なキックをしたのだ。視野の広さとスキルの確かさを見せつけるものだった。

しかし、東芝も負けてはいない。直後のキックオフで東芝の途中出場のクーパ・ブーナが、パナソニックのホラニ龍コリニアシと競り合ってミスを誘い、大野、ブーナが縦突進、最後はリーチマイケルが、山本のサポートを受けつつタックルをふりほどいて一気にインゴールになだれ込んだ。スコアは27-21の6点差。残り時間10分の勝負。観客席も俄然盛り上がったが、34分にバーンズが45m以上のPGを決めて勝利を確かなものにした。

今季四度目の対戦となった両チームだが、パナソニックの北川智規は「一番タフで、一番疲れたし、一番身体が痛いです」と率直に表現した。「東芝には、泥臭く、前に出ようという気迫を感じました。堀江キャプテンがいない中で勝てて、嬉しいというより、ほっとしています」。大活躍のバーンズについては、「夏合宿で初めて合流した時、いきなり名前を呼ばれてびっくりしました。みんなの名前や、サインプレーを覚えてきてくれて、チームに溶け込もうとしていた。オーストラリア代表やったのに、練習も一番最後までやるし、尊敬しています」と、彼がチームに好影響をもたらしたことを説明した。

中嶋則文監督は、「これからは追われる立場になります。トップリーグの各チームが取り組んでいるストレングスとフィットネスは、もっと強化したい。強みを伸ばし、弱みを消すよう常に進化しなければいけないと思っています」と来季への意気込みを語った。

敗れた東芝の和田賢一監督は、「非常に悔しい。私の力不足。しかし、選手はよくやってくれました、チャンピオンになれなかったという事実を来季につなげたい」とコメント。リーチマイケルキャプテンは「ミスでリズムに乗れなかった。2位に終わったけど、来季こそチャンピオンになりたいです。そして、パナソニックの二冠、おめでとうございます!」と相手を称えることも忘れなかった。

■第51回日本ラグビーフットボール選手権・決勝結果
東芝ブレイブルーパス●21-30○パナソニック ワイルドナイツ(前半14-10)

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    コメント

    ワンサイドゲームになる心配をしていたのですが、大熱戦で存分に楽しめました。各チームの皆様、シーズン終了お疲れ様でした。
    何より良かったは、観客が2万人弱入った事。スーパーラグビーとの掛け持ちを考えると、2月中にシーズンが終わるのが良いのでしょうが。ファンの事を考えると、準決勝&決勝のビッグマッチは、暖かくなる3月中旬から下旬にやった方がスタンドが埋まりそうです。
    Jリーグが3月第一土曜日に開幕するので、味スタ・三ツ沢・日産は使えないでしょう。ならばビッグマッチこそ、駒沢ではなく見易い秩父宮が良いのでは。その代わり、年明けから芝生回復の為、秩父宮は使用禁止。三ツ沢・駒沢・味スタ・江戸川・柏の葉・フクアリ・水戸・足利・(日産・駒場・等々力・平塚・大宮)等へ振り分け。《熊谷と太田は、赤城おろしで寒過ぎて無理》プレイオフファイナルが、1万人強では寂し過ぎる。日程に工夫が必要でしょうね。

    投稿: 坂石町分 | 2014年3月13日 10:52

    兵庫県から観戦に行きました。行った価値のある試合でしたね。

    試合の内容とは関係ありませんが、競技場に向かって歩いていたら
    三洋電機の宮地監督とすれ違いました。あ、この人知ってると思いましたが
    過ぎてから宮地監督と気づきました。パナの旗を持って連れの人と談笑しながら
    歩いてました!

    投稿: Lx161 | 2014年3月10日 22:11

    サイン55さん。

    ぜひラグビーをやってください。

    私はちっさいオッサンですがまだプレーしてます。

    昨日だって練習試合でレフリーとプレーをしてきました。

    相手はオール外国人選手。

    タックルされて2m程ふっ飛びましたが(笑)、楽しかったですよ〜(^-^)/


    それにしても外国人のフィジカルは凄い(^-^)b

    投稿: nick | 2014年3月10日 19:33

    戦前、東芝FWの圧力がどの位強力かがこの試合の重要ポイント
    になると言っていましたが、FW良く頑張りましたね!
    縦だけでなくボールを左右散らし、斜めに空いたスペースで
    前半11番、8番はトライを取り切りました。良くパナを研究して
    いたと思います。最終的にはHB団の力の差で勝敗が分かれましたが、
    私の中で陰のMVPはパナのFB笹倉選手です。彼だけボールを持った時、両手で
    プレーしていました。これはかつてあの松尾雄治さんがやっていたプレーです。
    敵からすれば、パスするのか?蹴ってくるのか?それとも走りきるのか?
    と疑問を持ちます。東芝DFは明らかに戸惑った表情をしていました。パナはBKがボールを持てば
    詰めればいいだけの話しですが、笹倉選手の動きだけは読めなかったです。
    山田、北川選手よりも魅力を感じました。25歳と若く、体格もFL並ですから
    是非共ジャパンで見たいと思います。
    順番が逆で恐縮ですが、パナソニック様優勝おめでとうございます。
    本業の発展も心からお祈り申し上げます。

    投稿: カズ | 2014年3月10日 17:12

    一日遅れ(契約の関係)でスカパー録画を見た感想を。
    NHK放送でスルーされて、なんとなく不満を感じていた場面のいくつか、たとえば
    1:バーンズの負傷?
    2:バーンズのフェアキャッチ
    3:望月のトライの際の山田の最後のパンチングによる抵抗など
    ・・・がきちんとコメントされていて、まさに我が意を得たりでありました。
    NHK放送も気分が変わって悪くはないんですが、最後はやはり「スカパーばい!」と思ったことでした。

    投稿: bigfoot | 2014年3月10日 15:55

    パナ優勝おめでとう!東芝もとてもいい戦いでした。
    キックオフが近づくにつれてどんどん増えてくる観客に対応すべく、バックスタンドは一般席をゴール裏近くまで広げていました。
    地の利か、会場は赤の方が多かったように感じましたがどちらのファンも満足いく試合だったのではないでしょうか。
    入り口付近には「国立最後のKICK OFF 5.25 日本代表vs香港代表 国立はラグビーを最後に選んだ」というポスターが。
    この試合もたくさんの人が応援に来ますように!

    ところで渡邊太生、大丈夫かな…。
    最近ジュニアでもけが人が多く、ちょっと心配です。

    投稿: ねこぷ~ | 2014年3月10日 08:22

    ここ数年でトップリーグのレベルはワンランク上がったように感じる。世界レベルに近づいているのは確かである。それがワールドカップで出し切れるかというとまだまだ疑問が残る。トップリーグでの優勝を狙うのも大切なことだが、その先の世界を見据えたレベルアップを切に望む。

    投稿: tk | 2014年3月 9日 22:28

    初めて投稿します。
    試合はパナソニックが東芝を常に一歩リードしているように感じましたが、東芝の気迫がその差を埋めていたように思います。
    ただ、前半のキック合戦をみていると、今年のジャパン対ABを思い出しました。あれだけ正確なキック&チェイスができるパナソニック。やはり今年最強のチームだと感じました。
    熱い試合がみれて、またラグビーがやりたくなってきました!(でも、あんなキック合戦になったらチェイスしているだけで試合が終わってしまいそうだな…)

    投稿: サイン55 | 2014年3月 9日 19:18

    前半15分過ぎからJスポ観ました。

    いい試合でした。

    けしてパナの出来が良いと思わなかったけど、そこが東芝の底力なんでしょう。
    リーチ・マイケル選手のトライは痺れた(^-^)b

    パナ田中選手は流石の活躍。やっぱりSRで揉まれてるだけのことはある。

    パナ優勝おめでと〜(^-^)/
    東芝立派でした(^-^)/


    写真の堀江と私服の田中(笑)。

    投稿: nick | 2014年3月 9日 19:15

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