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帝京大学、六連覇

1月10日、東京都調布市の味の素スタジアムで行われた「第51回全国大学ラグビーフットボール選手権大会」ファイナルステージ 決勝は、帝京大学が決勝戦史上最多得点となる50-7で筑波大学を下し、前人未到の6連覇を達成した。

大学選手権の決勝戦は、秩父宮ラグビー場の改修工事により、第10回大会の1974年1月6日から国立競技場で行われていたのだが、それ以来の別会場開催となった。決勝戦を見ながら、いつもと違う感覚をおぼえたのだが、それは場所が違うという理由ではなかった。最終スコアだけを見ると圧勝だが、そのプレーぶりが5連覇までの憎らしいほどの強さではなかったからだろう。スクラムで圧倒するわけでもなく、モールをゴリ押しするでもなく、相手のミス、PK、ターンオーバーを起点に素早くボールを動かしてのスマートな勝利。WTB磯田の3つを含め、計7トライはすべてBKが決めたものだった。

午後2時半のキックオフ。序盤は筑波も「接点」の強さで一歩も引かずに渡り合う。しかし、前半7分、帝京は筑波陣深くの相手ボールのスクラムをワンプッシュ。こぼれたボールをSH流キャプテンが拾って先制する。「FWの顔を見たら、押すことを確信したので、反応しました。FWのトライです」。21分には、FW陣が密集サイドを波状攻撃してゴールラインに迫り、ここに固執することなくBKに展開すると、FB森谷がボールをキャッチする前に外側に開いてタックルをかわしながらボールを受け、右中間にトライ。25分には、ターンオーバーからボールを展開し、NO8河口がループプレーでボールをつなぎ、HO坂手、WTB磯田とパスが渡ってトライ。21-0とした。

河口へのパスのとき、その内側にはFB森谷も走り込んでおり、このプレーを岩出監督は「オプションのひとつ。FWもそういうプレーができるようになったんですよ」と振り返る。この日、帝京は、16回ものハンドリングエラー(JSPORTSのカウント)を犯したのだが、そのほとんどがディフェンスの穴を見つけた時のパスミスや、タイミングの合わないキャッチミスだった。いくつかのオプションを持ちながら臨機応変にボールを動かしていたからこそのミスとも言える。そのミスも、ブレイクダウンのターンオーバーでほぼボールを取り戻していた。

後半7分、筑波WTB福岡堅樹がトライを返し、21-7となったが、拮抗したのはこの時間帯だけ。14分には、SH流がPKから速攻を仕掛け、1年生WTB尾崎が福岡をカットインでかわすと、右に左にステップを踏みながら右中間にトライ。「あれで大勢が決まりましたね」(岩出監督)という値千金の得点だった。

選手権史上初の6連覇。V1からV3はディフェンシブな試合で「つまらない」という批判も多かったが、V4、V5は鉄壁のディフェンスを維持しながら、よくボールが動くようになり、V6は、ハンドリングエラーを連発しながら、ボールを動かすスピードで圧倒しての大勝。この流れで行けば、来季はさらにプレーの精度と判断力が高まることになる。V7への意識について、報道陣に問われた岩出監督は「3年生以下の選手は、次は自分達がと思っているでしょう。高いモチベーションで練習してくれると思います」と話した。着実な歩みは止まらない。

6連覇は偉業である。不断の努力に敬意を表したい。7連覇の可能性も大いにある。もっと言えば、10連覇も狙える組織と戦力である。誰でも分かることだが、このチームに勝つには即席の強化では無理だ。もちろん、帝京が足元をすくわれる可能性はいつだってあるのだが、地力で互角に戦うには、長期的視野に立って強化の設計図を書き、時間をかけて実績を積み上げるしかない。確かな目標があるというのは良いことだ。それぞれのチームが独自性を持って追いかけてほしいと思う。

■試合結果
東京・味の素スタジアム
帝京大学○50-7●筑波大学(前半21-0)

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    コメント

    村上さん今晩は
    1月11に花園で会いましたよ
    準決勝で東海大学が負けたのが痛かった
    筑波大学もよく頑張ったがFwの体重が違い過ぎて体力負け
    東海大学が決勝戦にでていたら
    まだ僅差の試合だったかも?Fw体重差が互角だから
    次のシーズンはは関西Aリーグ大学が決勝戦に残り帝京大学を倒して初優勝を願います

    投稿: 同志社大学ファン | 2015年1月17日 22:38

    帝京大学、強かったですね。優勝おめでとうございます。私も、試合終了後に10連覇という言葉が頭に思い浮かびました。
    さて、準決勝&決勝を10年以上生で見続けていますが、年々減り続ける観客数には寂しい限りです。残念ですが、最早大会場で行う必要は無いですね。年が開けてから秩父宮は、大学選手権・トップリーグ・日本選手権それぞれの準決勝と決勝のみ使用。ビッグマッチこそ、見易い専用球場でやるべきではないでしょうか。ただ、芝生保護の為に、年明け前までの秩父宮開催をもっと減らす必要があります。

    千葉の3チーム、我孫子のNEC・船橋のクボタ・二俣新町のNTTコムは、柏の葉と蘇我のフクアリで、年間2~3試合開催。同様に、二子玉川のリコーは、駒沢陸上。北府中の東芝と、府中本町のサントリーは、味スタ。多摩センターのキヤノンは、町田陸上。(昇格出来れば)三菱重工相模原は、相模原ギオンスタ。パナソニックは、もちろん太田陸上。
    大学やトップイーストの試合も、駒沢・三ツ沢球技場・三ツ沢陸上・江戸川・上柚木・武蔵野陸上・味スタ西・ギオンスタ・柏の葉の開催増。秩父宮の開催数を、現在より20~30試合減らして、ビッグマッチ開催に相応しい芝状態にして貰いたいところです。(現在の秩父宮は、選手が勝手に転んだり、鳩が芝生の種?を食べに来たりという、お馴染みの光景が見られます。)

    投稿: 坂石町分 | 2015年1月12日 06:57

    代表が強くなりランキングを上昇させ結果を出している過程から
    近年の大学生チームのチャンピオンである帝京が進化している
    ことは当然のことで、その偉業を称賛し過ぎるのは逆に他の大学や
    全体のレベルが低下していることを認めているようなものです。
    早稲田、明治、そして関西の同志社そろそろしっかりして欲しいです。
    BKのスキルだけなら10年前の早稲田、30年前の同志社の方が上でしょうし
    15人のフィジカル、身体能力なら帝京が史上最強でしょうけど・・・

    個人的には帝京 尾崎は凄いと思います。彼のステップ、福岡も止められなかったですね!!
    今の代表にこのような選手は絶対に要ですよ!!
    帝京、松田、金田、尾崎 伏見工出身なんですね・・・京都でプレーして
    欲しかったですね。(私事で恐縮ですが、昨年10月より伏見工の臨時コーチ
    として週1お手伝いしています。そのような事情で複雑な思いです。数年前まで
    このグランドにこの3人いたんやと・・・)

    投稿: カズ | 2015年1月11日 18:38

    ブレイクダウンであれだけやられてしまうと、もうね・・・。
    村上さんが以前、「帝京のここまでの5連覇も、決勝戦のスコアをみればわかるが決して楽ではなかった」とおっしゃっていて、確かにそれぞれ見応えのある決勝戦だったのですが、今年は残念ながらそうならなかった。
    テルキーさんのコメントをみて、切なくなりました。

    投稿: ねこぷ~ | 2015年1月11日 18:13

    帝京のHB、流、松田コンビが素晴らしかった。
    視野が広いし、勝負どころを分かってますね。
    ターンオーバーからの思い切った仕掛けは、日本が目指すべきラグビーだと思います。
    筑波は試合の入り方に問題あったのでは。
    高校生のように気合入れまくりで臨んでほしかったですね。
    大一番でいかに力を出し切るか。集中力が大事かと思います。
    福岡選手、日本代表として一対一のディフェンスを磨いてほしいですね。
    外国人選手相手にボールタックルは難しいのではないかと。

    投稿: 岡山スポーツファン | 2015年1月11日 17:52

    帝京の6連覇は、賞賛に値するし、今後恐らく7連覇や10連覇も問題ないでしょう。
    他の大学で、正直帝京に対抗できる所は見当たりません。
    評論家の方たちも、点差ほど差はなかったというコメントをされる事が有りましたが、本当に総合力を見た際に、勝てるチームがあると思っておられるのでしょうか?
    大学の体制(授業料やバックアップ)、選手のリクルートもほぼアメリカの学生スポーツの様に運営しているので、学生の本文は勉強であるなどと言っていては、他の大学はまず勝てません。
    ただ、興行的には、今年の観客動員が過去最低との報道もありましたが、本邦での大学スポーツの性格を鑑みても、帝京の連覇中は、会場が満員になる事は無いのではないでしょうか。
    以前に早慶戦や早明戦がブラチナチケットとして国立競技場を満員にしていたあの状態です。
    強い大学、日本一の大学として帝京大学を認めることには些かの疑問も有りません。
    野球も大学リーグの早慶戦は満員になるかもしれませんが、大学選手権はなりませんよね。
    実力と興行は両立しないのですから、協会としても、決勝のカードをみながら、ガラガラ感の出ない会場を選択できたらいいのですが…(会場押さえたり、チケット販売もあって、現実的には無理ですけど)。

    投稿: さえちち | 2015年1月11日 16:13

    100点ゲームを期待したが、さすがにそこまではいかなかった。
    筑波を応援していた人達には、あの前に出られないイライラを、関西のチームを応援している人間は常に感じていると思し召しいただければと。

    帝京大学の敵は帝京大学。帝京大学を止めるのは帝京大学しかないのではないか。

    投稿: テルキー | 2015年1月11日 14:10

    村上さんのライター魂というかラグビー愛というか、そっちに感動してしまった(笑)

    投稿: けんじ | 2015年1月11日 11:12

     帝京大学6連破おめでとう。BKは速いしFWは強いし選手の育成がうまい。まだまだ帝京時代が続きそうですね。次は打倒トップリーグだ!期待してます。筑波大学は対抗戦5位からよくここまで立て直しました(^_^)b

    投稿: nick | 2015年1月10日 23:05

     ある意味、筑波を見て、悲しかったですねぇ。
    村上さんが仰る通り、帝京に付け入る隙が無かったのかと
    言えば、全然あったと思うんですよね。
    まぁ、帝京ですから、相手を見て、戦い方を
    変えたんでしょうけどね…。
     正直、東海の方が、面白かったんじゃない?かと
    思って、後半の途中までTVで見ていました。
     挑戦者達がミスだらけじゃ、そりゃ7連覇も
    安易にし遂げそうですね。

    投稿: あんだー | 2015年1月10日 22:05

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