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2014年12月28日 - 2015年1月3日

花園の準々決勝結果

20150103

1月3日、東大阪市の近鉄花園ラグビー場では、全国高校ラグビー大会の準々決勝が行われた。京都は市街地でも積雪があったのだが、花園ラグビー場は雪のかけらもなく、快晴の観戦日和だった。

準々決勝の4試合は、第1試合の東海大仰星対東福岡が意外な大差になった以外は、いずれも最後まで勝敗の分からない戦いになった。Aシード同士の激突は、東福岡が先制し、その後も着々とスコアを重ねた。各選手が接点で前に出て、SO松尾将太郎、CTB永冨晨太郎のロングパスでボールを大きく動かしたかと思えば、狭い間隔のパスで角度を変えて走り込むなど東福岡のアタックは多彩。前半で21点をあげ、後半も22点を追加した。残り5分に、東海大仰星も意地を見せたが、終始東福岡が主導権を握る試合だった。

東福岡の藤田雄一郎監督は「東福岡と仰星は特別な関係です。勝っても負けても気持ちのいい相手。戦えることが嬉しい」と、互いに切磋琢磨してきた交流の深さを語った。「キックオフからノーサイドまで。が今年のテーマです。きょうは、布石は打たずトライを獲りに行きました」と先手をとって仕掛けたアタックを説明。フィールドを楽しげに駆け抜け、43-12でベスト4に一番乗りした。

第2試合は、京都成章と報徳学園が白熱の好勝負を繰り広げたが、京都成章がNO8呉季依典の先制トライなど、チャンスを確実にものにして、22-12で競り勝った。第3試合の御所実業と國學院久我山も大接戦。久我山はブレイクダウン、スクラムで圧力をかけ、ディフェンスでもよく粘ったが、御所実業のWTB竹山晃暉の個人技で崩されてしまう。後半9分、久我山がマークしていたSH吉川浩貴の背後から竹山が密集サイドに走り込み、SO矢澤蒼のリターンパスを抜けて19-12とするトライをあげ、16分にも竹山が連続トライ。26-12と突き放した。最終スコアは、31-19。

さらに白熱したのが、尾道対大阪朝高だった。前半は5-0と大阪朝高リードも、尾道は堅実なタックルで対抗し、後半1分、SO山根雄矢のトライで同点とし、19分、WTB堀江秀明のトライで逆転。大阪朝高も終了間際にモールを押し込み、FL申賢志(シン・ヒョンジ)がトライ、ゴールも決まって12-12の同点に。準決勝への出場権は抽選となった。花園では抽選により数々のドラマが生まれたが、この日も印象深いものになった。

抽選を終えて、部屋から出てきた2人のキャプテンには共に涙があった。肩を落としているのが大阪朝高だったため、おそらく準決勝へ進めるのは尾道なのだろうと推測はできたが、尾道のキャプテン山川遼人は、まったく笑わずに仲間の待つローカールームに消えた。普通なら、歓喜の声が聞こえるはずだが、それもない。キャプテンは、仲間に「大阪朝高のぶんまで戦おう」と声をかけたという。その言葉に、チームメイトは誰も雄叫びをあげず、頑張ろう、ナイスゲームをしよう、と静かに喜びをかみしめ涙した。

普段から、梅本監督が勝ってもトライをしても喜ぶことはせず、次の準備に備えるということを徹底しているからこその態度だった。「まだ準決勝もある。相手の気持ちも考えなくてはいけない。それがラグビーだと思う」と梅本監督。監督が何も言わなくても、選手がその態度を実行してくれたことが嬉しそうだった。そして、「初めて準決勝に進出し、このようなラグビー精神を表現できる機会が得られて幸せです」と言葉を続けた。

ちなみに、御所実業の竹田監督が試合後、報道陣に竹山選手の活躍を問われて、「竹山は規格外のプレーヤー、自由に動かしています」と話していた時のこと。「ただ、慶應戦の最後に万歳したトライについては厳しく言いました。竹山もみんなに謝っていました」と付け加えた。ボールを大事に置かなければいけないときのパフォーマンスについては許さなかったそうだ。

ベスト4が出そろったところで、キャプテンによる組み合わせ抽選会が行われ、1月5日の準決勝は次の組み合わせに決まった。

■準決勝・組み合わせ
12:45 御所実業 対 京都成章
14:15 尾道 対 東福岡

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大学選手権・準決勝結果

1月2日は、秩父宮ラグビー場にいた。第1試合の前半は、東海大が固いディフェンスで筑波大の攻撃を封じ、FB野口竜司のドロップゴール、そしてドロップゴールを蹴るモーションからパスに切り替えてのWTB近藤英人のトライで13-0とリードした。後半も野口のドロップゴールで16-3とリードして、後半33分を迎えたのだが、残り7分に劇的な展開が待っていた。筑波大は、NO8山本浩輝のトライで、16-10に迫ると、36分、PR橋本大吾がポスト下にトライ。FB山下一のゴールも決まって、17-16と逆転に成功したのだ。秩父宮は沸きに沸いた。

僕はJSPORTSで2試合目の解説だったため、残り7分の時点で放送席裏に移動を始めた。すると大歓声。「おつ、筑波トライした」。そして、再びの大歓声。「えつ?逆転?マジで」というわけで、2本のトライとも見逃してしまった。あとでニュース見よう。

第2試合は、帝京大に慶應義塾大がチャレンジ。スクラムで圧力をかけ、FL廣川翔也を筆頭に低いタックルで健闘したが、FL木原健裕キャプテンで頭部を打って退場するなど不運もあって、次第に点差を広げられた。帝京大は、スクラムでは劣勢になったが、相手キックをキャッチしてのクイックスローイングなどからチャンスを作り、SO松田力也、WTB尾崎晟也らがボールをつなぎ、トライを重ねた。ハンドリングのミスが多く、満足できる内容ではないはずだが、懐の深さを見せつける勝利だった。

「まずは決勝に出られることを喜びたい。前半は、優しい、怖さのないプレーをしているように感じた」と岩出雅之監督。スクラムを押されたことについては、「PR陣には目を覚ましてもらう、いい経験になった」と余裕のコメントだった。流大(ながれ・ゆたか)キャプテンは、「きょうは慶應に学ばせてもらった。決勝は慶應の分もしっかり戦いたいです」と決勝戦を見据えた。

負傷退場となった木原キャプテンは、医務室から戻って後半を観戦していた。試合後の円陣では涙ながらにチームメイトに感謝の言葉を述べた。「俺は、本当にみんなに助けられてきた。最後まで体を張ってくれてありがとう」

■大学選手権・準決勝結果
筑波大学○17-16●東海大学 (前半0-13)
帝京大学○53-10●慶應義塾大学 (前半26-10)

■決勝カード
1月10日(土)、14:30キックオフ
味の素スタジアム
帝京大学 対 筑波大学

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2015年1月1日の花園

皆様、新年あけましておめでとうございます。
今年も、ラグビーを思う存分に楽しみましょう。

さて、2015年1月1日、僕は例年通り東大阪市の近鉄花園ラグビー場に行っていた。1998年に一度途切れたけれど、その後は、16年間同じパターンを繰り返している。きょうは、3回戦の8試合が行われた。僕はJSPORTSでゲストの大西将太郎選手と2試合解説をさせてもらったのだが、いずれ劣らぬ好試合で、またしても高校生の熱いプレーに感動させられた。

地元大阪桐蔭と國學院久我山(東京)の試合は、互いに重量FWがぶつかりあう僅差勝負となったが、終了間際に久我山WTB佐藤航大が右隅に逆転トライ、17-15で競り勝った。互いに3トライをあげたが、強風下でゴールキックが難しく、1本を決めた久我山の勝利ということになった。涙にくれる大阪桐蔭の選手たち。綾部監督は「選手は力を出しきってくれました。勝てなかったのは私の責任だと思います。ロースコアは予想していたし、粘り切って勝てればと思っていたのですが…」と淡々と語った。

さらに白熱したのは、御所実業(奈良)と慶応義塾(神奈川)の試合だった。ベスト16屈指の好カードと言われていたが、その通り、手に汗握る緊張感ある戦いになった。前半9分、御所実業SH吉川がラックサイドの穴を見逃さずに先制するも、その後は両者一歩も譲らない。互いにゴール前のピンチをしつこいタックルで耐え、ゴールラインを巡る攻防が続く。12-7の御所実業リードで迎えた後半30分、御所実業の反則から慶應義塾がチャンスをつかみ、ラインアウトのモールからトライをあげ、14-12と逆転に成功。しかし、インジュリータイムがほんの数十秒残った。最後のキックオフ。慶應義塾はボールをキープし、時間をつかったところで、タッチに蹴りだそうとしたが、その最中にボールがこぼれる。これを確保した御所実業が最後のアタック。ミスせずボールをつなぎ続け、最後はエースWTB竹山がポスト右に走り込み、劇的逆転トライをあげた。

笑顔の竹山、涙をぐっとこらえる竹田監督の好対照の表情が印象的だった。慶應義塾の稲葉監督は、「長くラグビーをやってきましたけど、こんな試合は経験がありません。竹田監督の執念を感じました。しかし、こういう経験が我々にとっては貴重なのです」と、高校、大学一丸となって強化を続ける慶應ラグビーの歴史にとって、貴重な試合であったと話した。

この他、Aシードの東海大仰星、東福岡らが順当に勝ち上がり、最後は、準々決勝の組み合わせ抽選会。そして、以下のカードが決まった。Aシード同士の横綱対決もある。近畿勢が多数残ったこともあり、1月3日の花園ラグビー場は例年通り、満員になりそうだ。

◎準々決勝組み合わせ
10:30 東海大仰星 対 東福岡
11:55 報徳学園 対 京都成章
13:20 御所実業 対 國學院久我山
14:45 尾道 対 大阪朝高

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30日の花園

30日も近鉄花園ラグビー場に行っていた。全国高校大会2回戦は、シード校も登場するとあってたくさんのラグビーファン、学校関係者で賑わっていた。途中、風の強くなる時間帯もあったが、例年の30日よりは暖かかった気がする。

朝一番、東のAシード國學院栃木が敗れる波乱の幕開け。大分舞鶴の小気味のいい攻守が光った。シード校の初戦というのは難しいと言われるが、その通り、国学院栃木は力を出しきれなかった。Bシードの大阪桐蔭は実力者・深谷(埼玉)と戦ったが、綾部監督が「30日の難しさはよく分かっています」と話していた通り、前半は陣地を獲得しながら丁寧に試合を運び、風下の後半は、持ち前の攻撃力を発揮する試合運びで快勝した。

感銘を受けたのは、Aシードの東海大仰星に対する東京高校のチャレンジである。勢いよく前に出る「シャローディフェンス」が東京の武器。仰星もそれは分かっていたはずだが、やはり圧力を受けてミスを犯す場面が続出。僅差勝負となり、後半19分には、東京がモールを押し込んでトライをあげ、19-12と一時、1トライ1ゴールの7点差にまで迫った。

しかし、仰星は慌てなかった。前に出てくるディフェンスラインに対して、力強く突進し、出足を止めて、スペースにパスを動かし、FB山口のトライで突き放した。最後のパスをしたWTB小原の動きは、まるでトップリーグのベテラン選手のよう。突進力のある小原にディフェンダーが引き付けられたところで、ふわりと柔らかいパスを放った。

東京の森秀胤(もり・ひでつぐ)監督は「個人で来てくれたら止められたのですけど、パスをつながれたのが誤算でした」と話した。前に出るディフェンスに対して個人技で勝負してくれれば、東京ペースになったはずだが、仰星は硬軟織り交ぜてパスをつないだ。また、勝負所でのラインアウトのミスも響いた。しかし、立派な戦いだった。ノーサイド後、キャプテンとしてチームを引っ張ったSH森大地を森監督が迎えた。師弟としてともに花園での飛躍を期した親子の抱擁には胸を打たれるものがあった。「奥歯をかみました」(森監督)。胸に飛び込んできた息子を抱きかかえ、涙をこらえる父の姿が印象に残った。

2015年1月1日は、3回戦(ベスト16)の8試合が行われる。

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花園2日目&デフラグビーお知らせ

28日は、花園の全国高校ラグビー大会2日目で1回戦の残り11試合が行われた。1日目より寒くなり、第4試合には雨も落ちてきて、冷え込みはさらに厳しくなった。

試合のほうは、いつもながら高校生の熱い戦いに感動させられた。初出場同士の戦いは、近大和歌山の後半の追い上げをかわして、高岡第一が2回戦に進出した。その他、長崎北陽台、大分舞鶴、佐賀工業など花園での経験豊富なチームが勝ち進んだ。

僕はJSPORTSで2試合解説させてもらったのだが、秋田中央に対する若狭東の健闘に心打たれた。中学のラグビー経験者は一人もいない中で、スペースに次々に走り込んでくるプレーも感心したが、それより、トライをした選手がとびきりの笑顔を見せてくれたからだ。トライをした選手が「楽しい!」と叫んでいるシーンもあった。そうでなくちゃ。

30日の2回戦はシード校が登場する。どんなチャレンジが見られるのか楽しみだ。

写真は、第1グラウンド、第2グラウンドの裏側。この通路は30日、もっとも混雑しそう。来場する方は、気を付けてください。

20141228

以下お知らせです。

お知らせ◎帝京大学の大塚選手の活躍で注目が集まる「デフ・ラグビー」(聴覚障がい者ラグビー)。2015年秋に、ニュージーランドから「デフ・ブラックス」が来日予定だという。日本のデフラグビーチーム「クワイエット・タイフーン」が迎え撃つ。

現在、日本聴覚障がい者ラグビー連盟では、聴覚に障害を持つ選手を募集中。
参加資格:両耳平均25デシベル以上 身体障害者手帳は所持していなくても、軽度難聴および片耳失聴の方でも参加できる。
問い合わせなど連絡先=allquiettyphoon@freeml.com
公式Hp=http://www.deafrugbyjapan.com/

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